【中小製造業の人材育成】いますぐ見直すべき3つのポイントとは?

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製造業の人材育成

人手不足が急速なペースに進行している日本。
もちろん製造業も例外ではありません。

筆者は中堅・中小規模の製造業向けセミナーなどで講師をさせて頂く機会が多いのですが、「人材の育成がうまくいかない」「若手技術者の離職が止まらない」といったお悩みの声はとにかく多いです。

そこで今回のコラムでは、中堅・中小企業の社内教育・OJTの「現実」を数多く見てきた筆者がおススメする「当たり前のようだけど意外に出来ていない!人材育成の見直しポイント3選」をご紹介します。

 

《ポイント1》仕事の変化に応じた教育をしているか

以前に筆者が講演させて頂いた製造業向けの勉強会では、参加者の80%の方が自社の仕事が変化してきていることについて自覚をしていませんでした。

例えは、製品の品質チェックを人間の目視で行っていたのを、人手不足や生産性の向上を目的としてレーザーを活用したチェックに変えたとします。この目視から機械検知への変化は、技術革新による仕事の高度化ともいえます。

単に「人手不足なので仕方なく・・・」といった問題意識で設備導入はしたものの、このような仕事の変化(高度化)に対応した教育への取り組みが欠如しているという事態は多く見受けられます。

 

《ポイント2》社員の成長把握をしているか

仕事の変化に対応した教育への取り組みが欠如している企業の多くは、ポイント2の問いにも「NO!」となります。

人の目視で検査していた時代は、仕事の回数で品質の良し悪しが分かる技術が身に付きました。時間をかけ、毎日毎日関わることで身に付くことです。

しかし、機械検知にかわると、目視技術より機械操作の技術が必要になります。しかも何年もかけて覚えるより、より短期間で機械を操作できるようになって欲しいと思うでしょう。

しかし機械操作については、現場で口頭説明でしか教えていない
新しく仕事を覚える人に、仕事を見ながらやっていけば覚えられると思っている
仕事の覚え方を社員任せにして、覚えるような管理(マネジメント)をしていない

・・・その結果、何が起きるかというと人材の離職です。

現にこの講演会では数社が、今年に入って、入社1年から3年目の社員が「5人辞めた」「7人辞めた」という声を聞きました。
会社に失望して退職する若手技術者
仕事の覚え方を社員任せにするのは、「自主性の育成」ではなく「放任」です。
社員側からすれば、明確な指示はなく、不明確な仕事の覚えさせられ方で、何かあれば「自分で考えてやってみろ」といか言われない。

こんな会社は、若手社員にとっては「無責任な会社」としか映りません。

 

《ポイント3》人材育成は計画を立て実施しているか

そこで、会社として「人材育成計画」を立てて実施するという点が重要になります。
「そんな当たり前のこと・・・」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、中小規模の製造業の方々からのお話を聞くと、そうした活動が殆ど実現できていないケースも多いです。

人が初めてのことを覚えて一人前になるために、いつ迄に何を覚えたら良いか?
経営者が事業計画(特に生産ラインの稼働状況)を考慮しながら人材育成の計画書も一緒に考えていく必要があります。

さて、あなたの会社は如何ですか?

社員が定着しなくて困っている。
仕事を覚えなくって困っている。

この点が当てはまったのであれば、まずは上記の3ポイントから考えてみてはいかがでしょうか?
どのポイントも一見すると「やっていて当然」で簡単なことのようにも見えますが、中堅・中小製造業の現実として「やるべきことをやっていなかった(できなかった)」ということが多いのです。

 

(※この記事は、OJT・社内指導法の改革の専門家 権堂 千栄実 講師からのご寄稿です。)

 

 

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