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3分でわかる技術の超キホン サイリスタとは?原理・使い方などをわかりやすく解説

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サイリスタの基礎知識

今回は、電子回路部品の一つである「サイリスタ」について説明します。
 

1.サイリスタの形状と回路記号

電子回路を構成する部品のうち、サイリスタはダイオードの一種で、電力制御などに用いられます。
電力制御の基本となる部品なので押さえておきましょう。

サイリスタの形状は、3端子で、ダイオードにスイッチ制御するゲート端子を設けた形になっています。
回路記号は、図1のようになります。

サイリスタ
[図1 サイリスタの回路記号]

 

2.サイリスタの原理と基本動作

サイリスタは、ゲート(G)からカソード(K)にゲート電流を流すことにより、アノード(A)とカソード(K)間を導通させることができる3端子の整流素子です。

サイリスタの基本動作
[図2 サイリスタの構造イメージ]

図2(a)は、サイリスタの簡単な構造図で、P型、N型、P型、N型の順に半導体を接合した4層構造になっています。途中のP型半導体にゲート端子を取り付けた構造になっています。

P型半導体からゲート端子を取り出す素子を「Pゲート品」といい、N型半導体からゲート端子を取り出す素子を「Nゲート品」といいます。

サイリスタは、図2(b)のように、PNPトランジスタとNPNトランジスタとを組み合わせた複合回路としてみることができます。

では、このトランジスタモデルで、サイリスタの原理・基本動作をみてみましょう。

トランジスタモデル
[図3 サイリスタの基本動作(トランジスタモデル)]

図3において、ゲート(G)に電流が流れない場合(IG=0)には、Tr2はOFF状態になっていてTr2のコレクタには電流(IC2)は流れません。
そのため、Tr1のベース(IB1)にも電流は流れず、Tr1もOFFの状態になっています。
この状態ではアノード(A)に電圧が加わってもサイリスタの電流は流れません。
 

次に、下の図4は、図3においてゲート(G)すなわちTr2のベースに電流(IG)が流れた場合の図です。

アノード
[図4 自己保持状態]

この場合、Tr2はON状態になります。
これによりTr2のコレクタを通してTr1のベース電流(IB1)が流れます。

Tr1にベース電流が流れるので、Tr1はON状態になります。
そして、Tr1のコレクタを通してTr2のベースに電流(IB2)が流れます。

Tr1からTr2のベースに電流が流れるので、ゲートの電流が無くなってもサイリスタのアノード(A)側からカソード(K)側には電流が流れ続けます。これを「自己保持状態」と言います。

また、導通状態を停止させるには、アノード(A)とカソード(K)間の電流を一定値以下に下げることが必要です。

 

3.サイリスタの使い方・用途

サイリスタの使用例を見てみましょう。

図5は、サイリスタの簡単な使用例を示した回路図です。

サイリスタの使用例
[図5 サイリスタの使い方の例]

これは、交流電源を整流して直流にする場合のサイリスタの使用例となります。
実際には、抵抗の後に平滑回路などを使用して直流出力を得ています。
 

下の図6では、図5の(a)点、ゲートパルス入力、(b)点の波形を示します。
(a)の波形は、交流電源の出力波形で、斜線部が出力の状態を示しています。
(a)で、+側は正の出力電圧で、-側は負の出力電圧です。

回路構成
[図6 パルス入力と交流電源の出力波形]

サイリスタのゲートに、あるタイミングでパルスを入力すると、サイリスタがオンして(b)のように、ゲートパルス入力後に正の電圧が出力されます。
サイリスタは、一度オンするとパルスがなくなってもオンし続けます。

そして、交流電圧が負の状態になると、正方向に流れる電流がなくなりオフします。
再び交流電圧が正の状態になって、その後ゲートパルスが入力されると、またサイリスタはオンして、正の電圧が出力されます。

このような回路構成をとることによって、交流電源の正の部分からのみ出力を得ることができ、交流電源を整流して直流にすることができます

また、ゲートパルスの位相を制御することによって、出力の大きさを制御することができます。

サイリスタは、大きな電流を扱えるため、扇風機などの家電から、大きいものでは電車のモーターまで、様々な機器に利用されています。

 

(日本アイアール株式会社 特許調査部 E・N)
 

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