機械製図道場

【機械製図道場・初級編】穴の表示方法を習得!穴寸法・穴深さ・ザグリ穴の正しい表示方法は?

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機械図面における穴の表示

機械部品には、様々な「穴」があいたものが数多くあります。
今回は、機械図面における穴の表示方法について、演習を交えて学んで行きたいと思います。

1.加工方法の区別

よく用いられる穴加工には4種類の方法があります。
その加工方法について区別が必要な場合は、図中に加工方法を表示します。
下表に加工方法と、図中の表示用語を示します。穴の基準寸法(直径)の後に加工方法表示用語をつけます。(例:10キリ)

加工方法の区別が不要であれば、φ10のような表示とすることができます。

加工方法の区別
 

2.引出し線を使った穴寸法表示

穴の正面から見たとき、穴の外周から斜め半径方向に引き出します。
断面で見たときは、穴の中心線と外形線の交点から斜めに引き出します。

引出し線を使った穴寸法表示
 

3.穴深さの表示

貫通しない穴は、下図のように深さの表示を行います。

穴深さの表示
 

4.複数穴の表示

同じ穴が、等間隔で複数並ぶ場合は、数 x 穴径 の表示を行います。
以前の連載「図形の省略」の回でご説明した、省略図示を使うことができます。

複数穴の表示
 

5.ざぐり穴(ザグリ穴)の表示

ざぐり」(ザグリ、座ぐり、座グリ、座繰り)とは、ボルト・ナットや座金の座面の密着性を高めるために、穴周囲の面を平らに加工することです。鋳造品など鋳肌面が粗い場合に必要となります。

図のように、穴寸法に続けて、ざぐりを示す記号、ざぐり径、ざぐり深さ記号と深さ数字、という順に表示します。

単に平面を確保するために1mm程度の浅いざぐりを行う場合はざぐり円を表示しません。
六角穴付きボルト用など深いざぐり(深ざぐり)を行う場合には、ざぐり円を表示します。
断面を表す場合も、形状を明記します。

ざぐり穴の表示
 

では、穴表示の方法について例題で演習してみましょう。
 

【例題】穴の表示方法

《 問題 》

下図のような直径200の円板があって、外径と同心で直径160の円周上に、直径15の穴を12個均等にきりもみで加工し、30の座グリを深さ2で施工します。
正しい表示方法に従って正面図を製図してください。

穴寸法

 

《 解答 》

解答例はここをクリック
穴寸法解答

 

《 例題の解説 》

解説はここをクリック

直径160の円周上に複数の穴加工を行います。
直径160の円は12個の穴を均等に配置する基準となりますが、実形状に現れる円ではありません。
このような場合、160の前にP.C.D(Pitch Circle Diameter)の表示を行い、円は1点鎖線表示します。

例題の穴加工は、フランジなどによく見られる穴配列です。
この場合は、特に理由がない限り、穴は縦中心線に対して等配とし、縦中心線上には穴を配置しません。

 

穴の表示方法・知っておきたい関連知識

① 皿ざぐり(皿ザグリ)の表示方法

皿ビスなどの小ねじを取り付ける穴に施工する「皿ざぐり」は、下図のように穴径を示す数字の後に皿ざぐり記号 ざぐり入り口径の数字、を表示し、寸法引出し線はざぐり入り口穴ではなく、内側の穴から引き出します。

皿ザグリ
 

② 同一間隔で多数連続する同一寸法穴の表示方法

構造部材などで、長い板や鋼材に多数の穴が等間隔であけられることがあります。
このような場合、下図のように、両端の穴中心間の等分数と1区間の間隔を明示すると、加工者にとってよりわかりやすくなります。

下図は、第8回で出てきた繰り返し形状と中間部分の省略を適用しています。

同一寸法穴

以上、今回は穴に関する製図方法について解説しました。
機械部品には、様々な穴があけられる構造のものが多くあるので、適確に穴加工を指示できる製図を行えるようにしましょう。

次回は、穴加工と密接に関係する「ねじ」の表示方法についての解説と例題演習となります。
ご興味のある方は、ぜひ続けて学習してください。
 
(アイアール技術者教育研究所 S・Y)
 

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