日本の工作機械メーカー10選|工作機械業界の特徴と動向

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工作機械業界/工作機械メーカー

工作機械業界は世の中の景気に左右されやすく、景気の先行指標と呼ばれています。
コロナ禍の影響などで一時期は大きく市場が縮小するものの、近年では急激な回復を見せており、各メーカーの動向にも注目が集まっています。

本記事では、工作機械の概要や業界について解説するとともに、主要メーカーをはじめとした国内の工作機械メーカー10選をご紹介します。

1.工作機械とは?

工作機械は自動車や航空機、IT製品、家電など、あらゆる製品の部品製造に使用される機械です。
金属部品をはじめ、金型やプラスチック部品、樹脂部品、半導体など、様々な素材を規定の形状に加工する目的で使用され、機械を作るための機械という意味から「マザーマシン」(母なる機械)とも呼ばれています。

工作機械には旋削加工機フライス加工機穴あけ加工機研削加工機放電加工機レーザー加工機などいくつもの種類があり、それらをNC装置によって自動で使い分けるNC工作機械も存在します。

 

2.工作機械業界の特徴

工作機械業界は各企業・メーカーの設備投資需要や景気に左右されやすく、景気の先行指標と呼ばれています。中でも自動車メーカーは主要な取引先であり、自動車に使用される約2万点の部品のほとんどが工作機械によって製造されています。そのため、自動車の需要が工作機械業界全体の需要に大きな影響を与えます。

また、近年では大手メーカーだけにとどまらず、中小企業や町工場においても大型の工作機械を導入する動きが増えており、理由としては競争力向上や人員不足解消などが挙げられます。

スマートフォンやタブレットPCなど、工作機械業界では常に新規分野が生まれるため、成長が止まることがないのも大きな特徴です。

 

3.工作機械業界の動向と課題

世界の工作機械市場は、新型コロナウイルスの影響で2020年4月に前年比50%近い落ち込みを記録しました。
しかし、2022年3月の工作機械受注額は1,664億円と、3月単月で見たときに過去10年間で2番目となる受注額まで回復を見せ、2022年〜2027年までの5年間には5%を超える安定した成長率が予想されています。※引用1)

工作機械業界では歴史的に日本とドイツが二強と言われ、技術面では長きにわたって他国をリードしてきました。
しかし、2008年のリーマンショックを機に、中国をはじめとする韓国や台湾といった新興国メーカーが次々と参入をはかり、近年では中位機種・低位機種が市場の中心となりつつあります。そのため、高品質を強みとした日本は世界需要に対して若干の遅れをとっていることも事実です。

工作機械業界の取り組みとして、最も大きな課題はIoTやAIへの対応、スマート工場化など、IT技術を活用した生産効率化です。先述のとおり、日本の工作機械メーカーは技術力、品質力では世界のトップシェアを獲得していますが、IT技術に関しては弱みも多く、DX推進をはじめとする世界の動向に対応できるかが今後の鍵となります。

また、工作機械業界全体の中でも中小企業、町工場では後継者不足が深刻化しています。
人材不足が解消できず、事業継続面で先行き不透明な状況が続いており、多くの企業が廃業の危機を迎えています。

 

4.国内主要メーカー10選

ここからは、国内の主要メーカー10選をご紹介します。
なお、オークマDMG森精機ヤマザキマザックは、「国内三大メーカー」とも呼ばれており、日系工作機械メーカーを牽引してきた存在です。

 

(1)オークマ

オークマ株式会社は、航空機や船舶など、大型工作機械が強みの大手メーカーです。
複合加工機や5軸マシニングセンタなどを主に扱っており、中でも門形マシニングセンタは半世紀を超える販売実績、累計出荷10,000台を達成しています。

2020年度には新型コロナウイルス感染拡大により大幅な収益ダウンとなりましたが、2021年度には売上高で前期比40%増を達成し、急激な回復を果たしています。

 

(2)DMG森精機

DMG森精機株式会社は、ドイツのDMG社と資本および業務提携を結び、グローバル市場でも活躍する世界最大規模の工作機械メーカーです。
5軸加工機、5軸マシニングセンタ、NC旋盤など切削工作機械において世界最大手メーカーであり、洗練されたデザインが特徴です。

ドラマ「下町ロケット」のスポンサーとしても知られ、工作機械や工場などが実際の撮影に使用されました。

 

(3)ヤマザキマザック

ヤマザキマザック株式会社は、複合加工機における業界最大手メーカーです。
「MAZAK」ブランドで知られ、早くからイギリスやシンガポール、中国などグローバルなフィールドで成功をおさめてきました。

また、IoTやAIなど先進技術を駆使した生産現場の自動化、スマート化にも積極的に取り組んでいます。

 

(4)牧野フライス

株式会社牧野フライス製作所は、その名のとおり、フライス盤で馴染みの深い工作機械メーカーです。
現在は高精度が要求されるマシニングセンタを主力としており、航空機部品などの金型分野で活躍しています。

ヤマザキマザック同様に、早くから海外進出に注目し、ドイツやアメリカ、シンガポール、中国など様々な拠点で事業を展開しています。

 

(5)ファナック

ファナック株式会社は、NC装置メーカーとしてトップシェアを獲得しており、工場の自動化が大きな課題と言われる工作機械業界にとって欠かせない大手メーカーです。

マシニングセンタをはじめ、ロボット事業、ロボマシン事業での評価が高く、売上高ランキングでは常に上位にランクインしています。

 

(6)アマダ

株式会社アマダは、板金加工機で国内70%を超えるトップシェアを獲得しています。
レーザー加工機やプレス加工機、パンチング加工機など様々なラインナップがあり、赤黒のカラーデザインが特徴です。

欧米やアジア圏を中心に、積極的な海外進出を展開しており、海外売上は全体の60%近くを占めています。

 

(7)ジェイテクト

株式会社ジェイテクトは、自動車部品メーカーでありながら、研削盤やマシニングセンタなど工作機械事業も幅広く展開しています。

自動車業界向けの機械を主に取り扱っていますが、航空機部品や農業機械部品用のマシニングセンタにも注力しており、新たな分野に対して常に積極的なチャレンジを続けています。

 

(8)コマツ

株式会社小松製作所(コマツ)は、板金加工に強い工作機械メーカーで、レーザー加工機プラズマ加工機なども取り揃えています。
中でもプレス加工機のラインナップは多彩で、方式やサイズなど、あらゆる現場に対応が可能です。

さらに、コマツは建設機械メーカーとしても業界トップクラスの実績を持っているなど、幅広い事業展開も特徴の一つです。

 

(9)芝浦精機(旧:東芝機械)

芝浦精機株式会社は、射出成形機押出成形機ダイカストマシンなどに加え、航空機産業向けの大型工作機械にも注力しているメーカーです。

また、近年注目が集まっている3Dプリンタの製造メーカーとしても知られ、今後さらに業績を伸ばす可能性を秘めています。

 

(10)シチズンマシナリー

シチズンマシナリー株式会社、時計ブランドでお馴染みのCITIZEN(シチズン時計株式会社)の子会社の工作機械メーカーであり、CNC自動旋盤において世界トップシェアを誇ります。

CITIZENの時計部品製造から誕生したCincom(シンコム)シリーズで知られ、小径化・小型化を中心に卓越したNC制御技術を提供し続けています。

 

メーカー名 特徴 公式サイト
オークマ 大型の門形マシニングセンタが最大の強み、累計出荷10,000台を達成 https://www.okuma.co.jp
DMG森精機 世界最大規模の工作機械メーカーでありグローバル市場でも活躍 https://www.dmgmori.co.jp
ヤマザキマザック 「MAZAK」ブランドで知られる複合加工機の業界最大手メーカー https://www.mazak.jp
牧野フライス 金型分野における高精度なマシニングセンタが強み https://www.makino.co.jp/ja-jp/
ファナック NC装置メーカーとしてトップシェア https://www.fanuc.co.jp
アマダ 板金加工機で国内70%を超えるトップシェア https://www.amada.co.jp/ja/
ジェイテクト 自動車部品メーカーでありながら研削盤、マシニングセンタなど工作機械事業も幅広く展開 https://www.jtekt.co.jp
コマツ 板金加工に強くレーザー加工機やプラズマ加工機も取り揃える https://www.komatsu.jp/ja
芝浦機械(旧:東芝機械) 射出成形機、押出成形機、ダイカストマシンなどに加え、大型工作機械にも注力 https://www.shibaura-machine.co.jp/jp/
シチズンマシナリー 時計ブランドとして有名なCITIZENによる工作機械メーカー、CNC自動旋盤で世界トップシェア https://cmj.citizen.co.jp

以上、日本の工作機械メーカー10選をご紹介しました。

工作機械メーカーと一口に言ってもその括りは広く、今回はより一般的な工作機械のイメージとされる大型の金属加工機を扱うメーカーを中心に抜粋させていただきました。本記事が皆さまの参考になれば幸いです。

 
 

(アイアール技術者教育研究所 T・N)
 


≪引用文献、参考文献≫


 

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