図解で衆知を集め、図解で議論し、図解で積上げる人と組織の発信力を高める図解思考<「思いつかない・書けない・伝わらない」を解決する技術>
2024/5/29(水)10:30-16:30
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今回は、コミュニケーションスキルの応用編の3回目として、会議の進行(ファシリテーション)について考えます。
会議の中立的な司会進行のことを「ファシリテーション」といいます。
ファシリテーションは、立場の違う人達の意見を平等に引き出し、課題を明確にし、よりよい解決策を目指して当人たち同士で建設的な議論をさせることです。
効率的で実りのある会議ができるかどうかは、その進行役(ファシリテーター)の腕にかかっています。
良い会議の進行(ファシリテーション)は、しっかりと準備することで円滑に進めることができます。上手なファシリテーターは、会議参加者の考えを学び、自分なりにどの結論に着地させるか予め考えています。ファシリテーターを務めることで、先を見通しつつ人を巻き込んで仕事を進めるコツをつかみ、コミュニケーションのテクニックを磨くこともできます。
ぜひ積極的に挑戦して、ファシリテーションスキルを高めることをおススメします。
ファシリテーションのやり方を、手順を追って見てみましょう。
ファシリテーターは、会議でどのような議題にするか、何を使うか、などを明確にして、会議をシミュレーションしてみます。
シミュレーションは、Purpose、People、Process、Property という「会議の4P」に沿って考えてみるとよいでしょう。
いざ会議が始まったら、用意しておいた議題・議事進行日程(アジェンダ)に基づいて、参加者全員で会議のゴールを確認しましょう。議論がそれて、迷子になることが避けられます。
参加者全員で時間配分も確認します。そもそも全員で集まれる時間は貴重ですし、限られた時間で結論を出すと意識すると、議論も無駄がなくなります。
議事進行を補助してくれる書記も決めておきましょう。ファシリテーターがより良い結論を導くためのパートナーとして、信頼できる人に予めお願いしておくのも一つの手段です。
会議の話し合いが始まったら、議論を活性化させることが仕事です。
対立する立場の人について、それぞれの主張を引き出し、対話を促しつつ、議論を可視化しながら進行をしましょう。
最後に、結論をファシリテーターがまとめましょう。
アジェンダで挙げた項目について、対応する結論を全員の前で確認し、書記に記録してもらいます。
5W2Hや、QQCDR[Quality(質)、Quantity(量)、Cost(コスト)、Delivery(期日)、Rule(ルール)]について着目するとまとめやすくなります。
これらの結果も、迅速に議事録で参加者と共有しましょう。
この連載では、「コミュニケーションとは何かを知り、社会人としてどのように取り組めばよいのかを確認」することをテーマに6回にわたって説明してきました。
コミュニケーションについては、組織の在り方や、所属している人々の考え方のくせなど、あなたひとりの力では、すぐには変えられないことも多いかもしれません。
でも、他人を変えたいと思うなら、あなたから変わりましょう。
思い立った今が変化のチャンスです。できるところから少しずつ、無理なく続けていくことが大切です。
(アイアール技術者教育研究所 H・N)
《引用文献、参考文献》