QC七つ道具の基本① パレート図とは?
QC七つ道具とは?
ものづくりの基本的な技法に、QC七つ道具というものがあります。
QCというのは、品質管理=Quality Control のことです。
QC七つ道具は、品質管理のキホン技法ということになります。製造業のあらゆる分野で用いることができる、ものづくりに関わる人にとっては必修の技法となります。
- パレート図
- ヒストグラム
- 散布図
- 特性要因図
- 管理図
- チェックシート
- グラフ(層別)
このような7つの技法を合わせて、「QC七つ道具」と呼びます。
一つずつみていきましょう。
このページでは、パレート図について紹介します。
パレート図とは?
パレート図は、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた複合グラフで、イタリアの経済学者パレート氏にちなんで名づけられた図法です。
棒グラフは各要素を発生度数の多い順に並べたもので、折れ線グラフは各要素を順に累積したものを全体におけるパーセンテージで示したものになります。一番左の最多要素の棒グラフの右上に、折れ線グラフの最初のプロットが重なる形となります。
品質異常や、顧客クレームなど、対象とする内容は様々にとることができます。その各要素を多い順に把握することができ、また多い順にいくつかの要素を選んだ場合にその全体に占める割合を折れ線グラフから知ることができます。
上の図の例ですと、上位2要素であるキズと欠けによって、全体の65%の割合を占めることが分かります。
品質管理においては、このように、各要素の発生率は要素ごとに大きく異なることが一般的です。そして、件数の多いものから優先的に対策をうつことで、効率的に改善を進めることができます。パレート図では、どの要素を対策すれば、全体の課題のうちどれだけを改善できるかを、視覚的にわかりやすく理解できるのが特徴です。
パレート図は、多くの課題が合わさってる場合に、その対策を打つべき要素を優先順位付けし、決定するために用いられます。
パレートの法則
パレート図の名前の元となった経済学者パレート氏が発見した法則で、80:20の法則、とも呼ばれる、パレート氏のもっとも有名な成果の一つです。
その内容は、経済において、全体の成果の80%は、20%の要素によって生み出されている、というものです。
これは経済学の経験則にあたりますが、自然現象や社会現象において、広く適用できる(すべての現象が80%と20%という形に厳密になるわけではないが、考え方として有効)ことが分かっています。
品質管理においても、品質異常の大部分が、一部の要因によって生じている、という考え方として適用されます。パレート図の意義としても、発生率の高い上位の要因に注目し、重点対策の対象とすることで、合理的に改善を行うことができる、ということになり、パレートの法則の考え方に基づいています。
パレート図の作り方(Excelでのグラフ作成)
パレート図をExcelで作図するにはいくつかの工夫が必要となります。Wxcel2013ではグラフ作成をするときに、パレート線というものが組み込まれていますので、簡単に作図することができます。ただし、上に示した図のような正規のパレート図の形にはなりません。
Excelでパレート図を正規の形にする方法は、書籍やインターネットで公開されていますので、参考にしてみてください。
(アイアール技術者教育研究所 K・O)
関連コラム:「QC7つ道具の基本」シリーズ
- ① パレート図とは?
- ② ヒストグラムとは?
- ③ 散布図とは?
- ④ 特性要因図とは?
- ⑤ 管理図とは?
- ⑥ チェックシートとは?
- ⑦ グラフとは?層別って何?
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