【技術者のための法律講座】PRTR制度、SDS制度って何?「化管法」の基本をチェック!

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化管法とSDS

化管法の概要

先ず、化管法(正式名:「化学物質排出把握管理促進法」)の「目的」を見てみましょう。

第一条 この法律は、環境の保全に係る化学物質の管理に関する国際的協調の動向に配慮しつつ、化学物質に関する科学的知見及び化学物質の製造、使用その他の取扱いに関する状況を踏まえ、事業者及び国民の理解の下に、特定の化学物質の環境への排出量等の把握に関する措置並びに事業者による特定の化学物質の性状及び取扱いに関する情報の提供に関する措置等を講ずることにより、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的とする。

化管法は、有害性のある様々な化学物質の環境への排出量を把握することなどにより、化学物質を取り扱う事業者の自主的な化学物質の管理の改善を促進し、化学物質による環境の保全上の支障が生ずることを未然に防止することを目的として1999(平成11)年7月13日に制定されました。

「化学物質の排出等の届出の義務付け(PRTR ※1)制度)」と「化学物質等安全データシート提供の義務付け(SDS制度 ※2))」が柱です。

  • (※1)PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度
  • (※2)SDS(Safety Data Sheet:安全データシート

業種、従業員数、対象化学物質の年間取扱量で一定の条件に合致する事業者が、化管法の対象事業者であり、環境中への排出量及び廃棄物としての移動量についての届出を義務付けられます。
 

PRTR制度とは?

有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中に排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し、集計し、公表する仕組みです。

国は、届出データとその他の発生源(家庭、農地、自動車など)の推計に基づいて排出量・移動量を集計し、公表します。

PRTR制度では、把握対象年度1年間において、第一種指定化学物質の、環境(大気・公共用水域・土壌)へ排出される量(排出量)及び対象物質を含む廃棄物が事業所外へ移動される量(移動量)について、把握(算出)し届け出ることとなっています。
 

SDS制度とは?

第一種及び第二種指定化学物質やそれを含む製品を事業者間で取引する際に、事業者は、相手方に対してその成分や性質、取扱い方法などに関する情報(SDS)を提供することが義務づけられています。
また、事業者はラベルによる表示に努めることが規定されています。

※ラベル表示の努力義務規定については、純物質は2012(平成24)年6月1日から、混合物は2015(平成27)年4月1日から適用となります。

SDSの主な記載項目

  1. 製品及び会社情報
  2. 危険有害性の要約
  3. 組成及び成分情報
  4. 応急措置
  5. 火災時の措置
  6. 漏出時の措置
  7. 取扱い及び保管上の注意
  8. ばく露防止及び保護措置
  9. 安定性及び反応性
  10. 物理的及び化学的性質
  11. 有害性情報
  12. 環境影響情報

 

SDS制度の対象となる化学物質は、環境中にどれくらい存在しているかによって「第一種指定化学物質」及び「第二種指定化学物質」に区分され、人や生態系への有害性(オゾン層破壊性を含む)があり、環境中に広く存在する又は将来的に広く存在する可能性があると認められる物質として、計562物質が指定されています。

このうちPRTR制度の対象となるのは、「第一種指定化学物質」の462物質です。

具体的な化学物質のリストは経済産業省のHP(↓のURL)から入手することができます。
[※URL: https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/msds/2.html ]

  • 第一種指定化学物質:PRTR制度、化管法SDS制度の対象物質 ⇒ 462物質
  • 第二種指定化学物質:化管法SDS制度の対象物質 ⇒ 100物質
  • 合計:562物質

 

第一種指定化学物質:人や生態系への有害性(オゾン層破壊性を含む)があり、環境中に広く存在する(暴露可能性がある)と認められる物質のことです。
 

<第一種指定化学物質の例>
  • 揮発性炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等
  • 有機塩素系化合物:ダイオキシン類、トリクロロエチレン等
  • 農薬:臭化メチル、フェニトロチオン、クロルピリホス等
  • 金属化合物:鉛及びその化合物、有機スズ化合物等
  • オゾン層破壊物質:CFC、HCFC等
  • その他:石綿等

 
以上、「化管法」の概要を簡単にまとめてみましたが、この法律は化学物質を取り扱う事業者にとっては必ず理解しておくべきものです。特に業務で深く関わる立場にある方は、SDS等に関する国内外の実務情報を定期的にチェックすることも重要です。

 
(日本アイアール株式会社 A・A)
 
 

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