【資料・ツール解説】FTA評価管理表の使い方
FTA(Failure Tree Analysis、フォールトツリー解析・故障の木解析)は、実際に不具合が発生した時に原因を究明するために使う場合と、量産化前に重要故障個所を想定して、故障に至らせる要因に対策を行う場合の両方に利用することができます。
どちらの場合にも、評価を整理して管理することが重要です。
これにより、エビデンス(証拠)ベースでシステマティックに解析を進めていくことと、技術ノウハウとして活用することが可能になります。
当サイトの「資料ダウンロード」ページに掲載しているFTA評価表(評価管理表)は以下の書式となっていますが、この表の記入方法、考え方について説明します。
1次要因、2次要因、3次要因
2次要因は、1次要因の原因の分解、3次要因は2次要因の原因の分解です。
更に掘り下げが必要な場合には、表を同様なフォームで拡張して下さい。(要因の数についても同様です)
予防的に用いる場合には、要素の新規性や重要性と言った観点から1次要素を決めます。
不具合原因究明の場合は、OKのエビデンスが無いときには、1次要因の分解に「設計要因か、製造要因か」という観点を含めなければなりません。
設計要因の分解には、実際の負荷が想定内であったかも含みます。
製造要因の分解には、工程の妥当性以外に、アクシデント的な要因も含まれます。
不具合発生のタイミングと、設計仕様や実工程における変化点を比較検討することも有効です。
検討/評価記号
要因の検証においては、強度計算やシミュレーションなど設計的な検討による検証と、再現テストや変数テストなどの実験による検証があります。検討/評価記号により全体状況の見える化を行います。
- □検討/評価 計画済み: 評価をすると決めた項目に具体的な計画があるかを管理します。
- (○)見切りOK: 基本はエビデンスベースで分析を行いますが、現場、現物及び現象に関する状況でOKとできる可能性の大きい要因に対して、見切りOKとします。
- △結果OK追加確認要: 検討方法や実験方法が不充分だったり、n増し確認が必要な場合です。
結果要約、参照資料
結果要約欄には、検討/評価記号を選ぶ判断となったポイントを記入します。
評価管理表は全体状況の把握が目的ですので、結果要約欄には、なるべく簡潔に記入して、実際の詳細な、検討書や実験レポートの番号を参照資料欄に記入します。
見切りOKの場合には、その根拠を結果要約欄に記入します。
検討/評価計画済みの場合には、結果要約欄に主要日程を記入します。
備考
FTAによる、不具合原因分析あるいは予防分析の結果、X又は(X)と判定された項目に対するフォローアップ予定などを記入します。
(アイアール技術者教育研究所 H・N)
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