上手なポンチ絵を描ける人は仕事ができる?手描きの図面作成スキルを習得すべき理由

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手描き図面スキルの習得(製図セミナー)

メーカー・機械商社等の人材育成・研修ご担当者様向け
「ポンチ図が上手に描ける人は仕事が進む?設計者以外の人にも重要な手描き図面作成スキル」

 

製造業の営業職や、商社系営業職の方、機械系新入社員(製造技術、生産技術、品質保証部門)で、自分は図面を描かないから、図面の読み取りはできるけれど、製図スキルは特に習ってこなかった、という方や、新人設計者になったけれどどうにも現場の方に意図を伝える必要があるが、軽微な修正にいちいちCADで図面を作成していると時間がかかって困ってしまうという方はいらっしゃいませんか?

今回は、これまでこの問題から目を背けてきたけれど、本当は描けた方がよいポンチ図(ポンチ絵、スケッチ)の簡略化された機械図面の必要性について、機械部門の技術士であり、機械製図指導を中心に活動する今井誠講師が解説します。

 

1.[作図⇒検図⇒承認]図面作成プロセスは時間がかかる!

製造現場では多くの場合、図面を用いて発注側(設計者)と受注側(加工者、計測者)との意思疎通を図っています。しかし、製造に関わる全ての人が機械図面を正しく読めるわけではありません

加えて、簡単な図面であっても図面を作成するには時間がかかります。具体的には、図面作成のプロセスには、作図検図承認といった工程が必要であり、作図を行う図面作成者の他に、検図者や承認者といった複数の人が関わります。作図者が数時間で図面を作成しても、すぐに検図、承認がスムーズに行われるわけではありません。

理想であれば、図のように半日もあれば製図は完了します。しかし、検図を行う上司や先輩もそれぞれ自分の仕事を持っており、空いた時間で検図を行っているというケースも多いです。さらにその後の承認工程では、さらに忙しい設計の部門長などが確認・承認したりすることもあり、より時間がかかります。製図の各工程に携わる技術者にはそれぞれ自分の仕事があり、常に優先して図面の検図や承認を行ってくれるわけではなく、各工程でどうしてもタイムロスが発生します。
その結果、図面作成には早くても1日程度の時間が必要となるのが一般的かもしれません。

 

タイムロス
【図面作成プロセスにおけるタイムロス】

 

いちいち図面を起こしている状況ではない?《現場の実情》

一方で、製造の現場で機械が壊れてしまったので急遽代替部品が必要な場合を考えてみます。

壊れた部品のイメージ

市販の部品なら品番を調べて手配すればいいだけですが、古い機械を使っている場合、壊れた部品がもう生産されていない状況や、機械が古すぎて部品の品番がわからない場合もあります。
こういう時に、壊れた部品を調べ、それを製図して、承認を受けてなんてことをしていたら、製造ラインを何日も止めてしまうことになります。製造現場としては一刻も早く止まっているラインを復旧させる必要があります。

また、製造現場において簡単な治具が必要といった場合に、わざわざ図面を起こしたうえで、検図・承認といった通常のプロセスを経るとなると、スピーディーな対応はできません

 

早く図面を描いてくれ

 

2.ポンチ図の作成スキルが必要な理由

こんな治具があったらいいのにこのように、図面のプロに作図を依頼できない緊急事態で代替部品を手配したい場合や、加工のための治具など単純な構造の道具が欲しいだけで本格的な図面までは不要な場合、その場に居合わせた人が簡単な部品の仕様と簡単なスケッチ図を作ることで、なんとか入手することが多いのが実情です。

 
多くの場合、現場で簡単なスケッチ図を手描きし、そのスケッチ図を基に大急ぎで部品を手配したり、治具を作成したりします。この簡単なスケッチ図のことを一般的に「ポンチ図」や「ポンチ絵」と言っています。

 
《※念のための注意事項》
製造の現場のみでこれらのことを勝手に進めてしまうと後々トラブルのもとになります。
通常は設計部門や製造技術部門に図面作成を頼みつつ、ポンチ図でとりあえず代用して先行手配ということが行われます。ご注意ください。

 

図面とポンチ図

 

このように、ポンチ図が描けるようになると、正規の図面作成プロセスの完了を待たずして、必要最小限の情報を他者に迅速に伝達することができ、トラブル解消や手配を前に進めることができます。

例えば、機械系商社の営業担当者が客先でのトラブルや必要な部品を手配するのに、上司や技術のわかる人に言葉で説明しても分かりにくいですよね。
もし、この営業担当者がポンチ図を書いて上司や技術のわかる人に相談したらどうでしょうか?
相手はポンチ図を見れば大体の状況を把握できて、適切なアドバイスや指示を与えられます。
メーカーの新入社員や中途社員でも、製図の知識がなくても、ポンチ図が描ければ、上司や技術系の先輩社員に相談することができます。
このように、ポンチ図は一見古臭く見えても、まだまだ必要とされるスキルなのです。

 

絵心は不要!ポンチ図の作成スキルは誰でも短時間で習得できる

でもポンチ図なんて書いたことないし、絵のセンスがないから自分には無理と思ってませんか?

ポンチ図は最低限の知識ときちんと描き方のルールを守れば、誰でも描くことができます。もちろん練習は必要となりますが、短期集中で身に付けられるスキルです。。
アイアール技術者教育研究所で提供している「1日完成 ポンチ絵習得塾」では、ポンチ図を描くのに必要な知識を説明した後、ひたすらポンチ図を描く演習を行い、演習毎に講師が添削指導して一日でポンチ図を描く能力をブラッシュアップしていきます。

これまで図面を習ったことがない人でも大丈夫。営業担当者や製造現場の方で、図面の引き方を知らない方でもわかるように、ポンチ絵作成に必要な図面の読み方・書き方に必要なルールの説明も行います。
教科書には、図面教育で実績のある株式会社ラブノーツ・山田学氏の著書「図解力を鍛えるロジカルシンキング演習編」(日刊工業新聞社)を使用しますので、内容の点でも安心です。

CAD操作まではいらないけれど、手描きで間違いのない図面を描けたらなと思っている皆さんを、やさしく指導します。

機械製図の研修プログラム
【機械製図研修「ドラトレ」のステージ別レベルイメージ】

 

アイアールの「ドラトレ」シリーズでは、体系的な教育プログラムを通じて、各自のレベルに合わせたスキルアップが可能です。お気軽にお問い合わせ下さい。

 

今井誠講師 《この記事の執筆者》

 技術士(機械部門) 今井 誠

 日本アイアール株式会社 技術コンサルティング部
 やなか技術士事務所 代表

 ※機械製図研修「ドラトレ」シリーズについてはこちら

 

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