- 機械製図「ドラトレ」シリーズ
《初心者向け》やさしい図面の書き方 最新JIS製図と図解力完成(セミナー)
2024/12/13(金)10:00~17:00
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機械系技術者は製品設計や、試作品を評価する仕事が多いです。
また、製品の企画提案、研究開発や、生産準備などを担当することもあり、幅広い知識とスキルが必要です。
将来的に機械系技術者としての価値を高めるためには複数のスキルを身に付けるといいでしょう。
本記事では、機械系技術者がさらに活躍するために必要と思われるスキル10選をご紹介します。
目次
3DCADモデリングは、CADソフトで機械部品の3次元形状を作るスキルです。
設計する部品は、要求機能を達成できて、さらに加工可能、組み立て可能な形状でなければなりません。
また、コストを抑えるために、材料や加工方法の知識も必要です。
後継機種の製品は形状が似ているため、新規の設計をする機会が多くありません。
したがって、機械系技術者として企業に入社してもモデリング経験を積めない人もいます。
新機種を作るときにはモデリングスキルをもっていると社内で重宝されるでしょう。
製図能力とは、部品の形状や材質などを図面に指示するスキルです。
3DCADのモデルデータをもとに、寸法や寸法公差、幾何公差、材質、加工方法などを指示します。図面はJISやISOなどのルールに従って指示します。
多くの部品加工メーカーは、モデルデータと図面データをもとに加工します。
そのため、図面がないと発注できません。
また、公差を正しく指示することで求める機能を実現できます。
むやみに厳しい公差を指示するとコストアップに繋がるので、適切な公差を指示しましょう。
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機械工学は、流体力学、材料力学、熱力学、機械力学の「4力学」に加えて、機械要素や精密測定など広範囲の内容です。大学の機械科では幅広く機械工学について学びます。
私たちの身の回りには、車や電気機器、産業機械などさまざまな機械があります。
機械は、シンプルな外観であっても中身は複雑な形状をしていたり、細かい動作をしたりします。
機械を構成するさまざまな部品は、機械工学の知識をもとに開発、設計されています。
例えば駆動部のモーターの熱を逃がすためのダクト設計においては、流体と熱の知識が必要です。
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電気工学は、電気に関わる知識全般を学びます。例えば回路の知識や情報通信、光通信など幅広いです。
機械系技術者にとっては、モーターやセンサーなどのハードウェア、プログラミングや計測の知識が役に立ちます。なぜなら、多くの機械には駆動部があり、なんらかのセンシング機能を有しているからです。また、性能を評価するときにはオシロスコープや加速度ピックアップなど、さまざまな計測機を使います。
機械系技術者は、さまざまな関係者と仕事をします。電気系、情報系、制御系などの専門知識を持っている同僚もいます。開発を進めるうえで、関係者と頻繁にコミュニケーションをとるでしょう。
基本的な知識をもっていると、会議で出てくる言葉の意味が分かり、相手の意図を理解できてうまく仕事を進められます。
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制御工学では、モーターなど入出力のあるシステムを制御する方法を学びます。
ロボットや自動車、家電、精密機器やプラントなど、非常に多くの機械で制御工学は必要です。
ほとんどの機械は制御が必要です。
機構設計だけでなく、制御設計もあわせてできると機械系技術者として価値があがります。
また、転職する際には、筐体、機構設計者よりも、精密駆動制御や熱流体制御ができる設計者が求められる傾向にあります。転職によって収入UPも狙えるでしょう。
製造業の研究、開発、設計部署では、特許取得のために様々なアイデア(発明)を考えます。
社内の知財部門等へ提出する発明提案書(発明届出書)は、文章と図で作成します。この提案書(届出書)をもとに、外部の弁理士などが特許庁へ提出する出願明細書を作ります。
弁理士などは必ずしも貴方の担当技術に関するプロというわけではありません。そのため、機械系技術者は、弁理士にうまく技術を伝えるスキルが必要です。また、特許庁の審査官は、出願明細書の内容を理解できないと特許として認めません。わかりやすい図面を多く使うなど、審査官に技術をうまく伝えるためのスキルを身に付けましょう。
特許を取得することは企業にとって重要で、各社力を入れています。例えば、特許件数が多い社員や、価値の高い特許の発明者に対して、会社から特別な報酬が出る場合もあります。
外国で事業展開をしている場合は、日本だけでなく海外の特許も申請します。海外の特許にも報酬が付く場合にはさらに収入UPを見込めるでしょう。
また、転職を考えている人にとっては、自分が発明者となっている特許の件数を実績としてアピールすることができます。また、ヘッドハンターは特許の発明者情報を見てコンタクトしてくる場合もあります。
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規模の大きな製造業の多くは、海外に工場などの拠点を持っています。自社の製品を海外で販売した後に、顧客の技術的なサポートをすることもあります。
機械系技術者も、英語や中国語を勉強し、コミュニケーションスキルを身に付けておくといいでしょう。
また、海外では日本と仕事の進め方が違っていたり、仕事に対する姿勢も異なります。自分の常識が通用しない中でうまくやっていくスキルも必要です。
機械系技術者は英語などの語学が苦手な人もいます。そのため、英語ができると重宝されますし、スキルを差別化できて価値があがります。
また、海外勤務は一般的に高額な手当が支給される傾向があります。希望する人も多いでしょう。
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マーケティング力とは、顧客やビジネス相手のニーズを把握し、その解決方法を提案して仕事を進める能力です。プレゼンテーションスキルや交渉力、マネジメント能力なども必要になってきます。
ものづくりはお客様の課題を解決して価値を提供します。
技術を分かっている人がお客様の困りごとを把握することで、従来は技術的に解決できないと思われていたものも設計できるかもしれません。逆に、すべての仕様において、突拍子もないハイスペックな製品を企画提案するといったことも減るでしょう。
機械系技術者がマーケティングスキルを身に付けてお客様と直接コミュニケーションをとると、よりお客様に求められる製品を設計できるようになります。
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近年、社員に副業を解禁する企業が増えています。
機械系技術者としての知見を活かした副業として、フリーランスで図面作成やモデリング、3Dプリンタによる部品製作などをしている人もいるようです。
他には、技術ライターとして機械系の知識を解説する文章を書いたり、動画で技術情報を発信したりするのもいいでしょう。
本業以外に副業の収入が入ります。また、副業でスキルを身に付けて本業に活かすこともできます。
例えば、技術ライターとして文章を書くスキルを身に付けると、本業で技術報告書などの質が上がります。
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企業における倫理観とは、情報漏洩やインサイダー取引をしない、法令順守、ハラスメントをしないことなどが挙げられます。
また、技術者は、技術的な活動や仕事、開発行為などに対してさまざまな責任を持っています。
技術者に関わる倫理を技術者倫理といい、「技術原理の説明責任」であったり、「データを捏造しない」、「決められた手順でデータを取得し報告する」などがあります。
組織のマネージャーは部下に対して倫理観を持って接する必要があります。法令順守、不正会計をしないなど基本的かつ重要な意識を持って仕事しなければなりません。
また、技術者は、技術倫理を意識して仕事を進めなければなりません。
例えば、検査基準を下回っているのにデータを修正して良品として市場に提供してしまうと、不正が発覚した時に企業の信用がなくなります。もちろん貴方の技術者人生にも、暗い影を落とすことになるでしょう。
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ということで今回は、機械系技術者がこれから生き残っていくために大切なスキルについて解説しました。
一度にすべてを身に付ける必要はなく、現在の役割に応じて身に付けていくといいでしょう。
また、将来就きたい職種や立場に必要なスキルを早めに勉強し始めてもいいです。
周りとは違うスキルを身に付けて、機械系技術者としての価値を高めていきましょう。
(アイアール技術者教育研究所 J・F)