- 《大好評》LTspice設計実務シリーズ
LTspiceで学ぶ電子部品の基本特性とSPICEの使いこなし(セミナー)
2025/9/4(木)10:00~17:00
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当連載は「電子機器における防水技術~Advanced Waterproof Hardware Design for IT Devices~」をテーマとして、防水設計に関する専門家である鈴木崇司講師が解説します。
第2回は、電気製品・自動車部品に関する防水試験の種類・規格と各試験方法の概要を説明します。
《IPX1の試験方法》
《IPX1の試験目的》
垂直に落下する水滴に対する保護性能を確認します。
《IPX2の試験方法》
《IPX2の試験目的》
機器が傾斜した状態での水滴に対する保護性能を確認します。
《IPX3の試験方法》
《IPX3の試験目的》
あらゆる方向からの散水に対する保護性能を確認します。
《IPX4の試験方法》
《IPX4の試験目的》
あらゆる方向からの飛沫に対する保護性能を確認します。
《IPX5の試験方法》
《IPX5の試験目的》
あらゆる方向からの噴流水に対する保護性能を確認します。
《IPX6の試験方法》
《IPX6の試験目的》
あらゆる方向からの暴噴流水に対する保護性能を確認します。
《IPX7の試験方法》
《IPX7の試験目的》
一時的な浸水に対する保護性能を確認します。
《IPX8の試験方法》
《IPX8の試験目的》
継続的な潜水に対する保護性能を確認します。
これらの試験方法により、電気機器や電子機器の筐体が、水に対してどの程度保護されているかを評価します。
私たちの身の回りにあるスマートフォンやスマートウォッチ、あるいは屋外で使用する照明器具や監視カメラなど、多くの電気製品には「IPX〇〇」という表示がされています。このIPXとは、電気製品の防水性能を示す国際規格であり、私たちの生活を安全に、そして便利にするために重要な役割を果たしています。
IPXとは、IEC(国際電気標準会議)によって定められた防水性能の保護等級を示す規格です。
IP(Ingress Protection)コードの一部であり、水の侵入に対する保護レベルを数値で表しています。
IPXの後の数字は、0から8までの9段階で水の侵入に対する保護レベルを示しており、数字が大きいほど高い防水性能を持つことを意味します。
(例)
[※関連記事:電子機器の防水規格(IPX)を基礎から解説!IPコードの表記、防水等級、試験方法等がわかる]
近年、より過酷な条件下での防水性能が求められるようになり、以下の追加規格が設けられました。
電気製品は、水に濡れると故障や感電の原因となることがあります。IPXの規格は、製品がどの程度の防水性能を持つのかを明確にすることで、消費者が製品を安全に、そして安心して使用できるようにするために設けられています。特に、屋外で使用する製品や、水回りでの使用が想定される製品においては、高いIPXの等級が求められます。
IPXの等級は、IEC 60529規格やISO 20653規格に定められた試験方法によって評価されます。上述のように、各規格によって試験内容や条件は異なります。例えば、IPX5の試験では、製品にあらゆる方向から噴流水を3分間噴射し、IPX8の試験では、製品を特定の水圧と時間で水中に沈めます。
これらの試験をクリアした製品のみが、それぞれの等級を表示することができます。
また、追加規格のIPX4K、IPX6K、IPX9、IPX9Kに関しては、高温高圧の水を噴射するなど、より過酷な条件での試験が行われます。
IPXの規格は、国際規格であるISO 20653(道路車両 – 保護等級(IPコード))やIEC 60529(外郭によって提供される保護等級(IPコード))などで規定されています。
これらの規格は、国際的な取引において、製品の品質と安全性を保証するために重要です。
日本国内においては、IEC 60529規格に基づいてJIS C 0920「電気機械器具の外郭による保護等級」として規格化されています。
JIS規格は、日本の産業界のニーズや安全基準を考慮して策定されており、国際規格と同等の品質を保証しています。また、自動車部品などにおいてはJIS D 5020など、各産業ごとのJIS規格も存在します。
《IPコードとwater resistant規格の主な違い》
《補足》
自動車部品においても、水や異物に対する保護性能を評価するために広く用いられています。
自動車部品の場合、特にIPX4K、IPX6K、IPX9Kといった規格が重要となります。
各規格の具体的な内容は下記のとおりです。
「USCAR-2」は、自動車用コネクタの電気的および環境的性能要件を定義する規格です。
振動、温度サイクル、湿度、および流体への暴露を含む、様々な環境条件に対するコネクタの耐久性を評価するための試験手順が含まれています。防水性能に関する基準も含まれており、車載コネクタの信頼性を確保するために重要な役割を果たしています。
これらの規格に基づいて試験を行うことで、自動車部品が実際の使用環境において十分な防水性能を持つことが保証されます。
自動車部品の防水性能は、安全性や耐久性に大きく影響するため、これらの規格を理解し、適切な部品を選択することが重要です。
次回は、北米市場でデファクトスタンダードとなっている防水・防塵規格である「NEMA規格」の基礎知識について解説します。
鈴木崇司 講師
神上コーポレーション株式会社 代表取締役
開発QCDの最適化を追求する「匠のコンサルタント」として豊富な実績。
設計の上流工程のみならず、製造フェーズまで含めた技術支援が可能。
(※神上コーポレーションのWEBサイトはこちら)