3分でわかる技術の超キホン 「接着」超入門!接着剤の意外な歴史/接着のメリット・デメリットは?

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接着の基礎知識

1.接着とは?

「接着」とは、接着剤を媒介とし、化学的もしくは物理的な力またはその両者によって二つの面が結合した状態のことをいいます。

接着の原理は分子間で働く力によるものです。
普段何気なく接着を行っているかと思いますが、その仕組みはとても複雑で、また被着材による接着の相性や原理も異なります。

まずは、接着の歴史を見てみましょう。
 

2.接着の歴史

接着剤として最も古いのはアスファルトといわれています。
紀元前2,700年ごろイラクで出土しています。これは貝殻や宝石をアスファルトで建物に接着したものでした。
また、紀元前14~15世 紀にエジプトで、にかわを使って合板を製造した図が発見されています。

日本へは奈良時代に中国から膠(にかわ)が伝わったとされています。
また、日本で最も一般的な接着剤として今日に伝わったのが米糊(のり)です。
にかわなどが高価だったので日本では米糊が普及しました。
合成系接着剤
19世紀後半から20世紀に入ると、いわゆる合成系接着剤が登場します。
フェノール樹脂という合成樹脂を使用した接着剤が1915年に登場しました。

何千年もの接着剤の歴史の中で、合成系接着剤が登場するのは、実はここ100年程度の話なのです。

 

近年における接着剤の動向

産業界、特に自動車構造用接着剤の進歩には著しいものがあります。

近年のホットな話題として、軽量化を目的とした軽くて丈夫な材料へのニーズが高まり、異種材料用構造接着剤に注目が集まっています。
鋼の代替としてアルミニウムをはじめとする軽金属や、炭素繊維強化樹脂(CFRPやCFRTP)などの複合材料、エンプラ(エンジニアリングプラスチック)、更にはスーパーエンプラのようなプラスチックなどの被着剤としての活躍が期待されてきています。
一般的な接合技術である「溶接」が使えない異種材料同士の接合に、接着剤は大きな役割を担っています。

 

3.接着の主なメリットとデメリット

様々な産業、そして日常生活にも欠かせない接着。
大きく発展している接着剤は、溶接やボルト・ナット、ねじなどの接合にはない長所、そして解決すべき短所ももちろんあります。

また、その長所と短所は、使用する接着剤、被着材の種類により異なる場合があります。
扱う素材、接着方法を適切に選ぶことも重要です。

ここで、一般的な接着剤の長所と短所をまとめてみましょう。
 

(1)接着のメリット(長所)

  • 異種材料の接着ができる
  • 面での接合である
  • 釘打ち、ねじ止め、リベット止め、溶接、はめ込みに比べて軽量化設計ができる
  • 厚さが薄い材料や強度が弱い材料、微小部品から大物部品にも適応可能
  • 接合に高温を要しない
  • 接合に大きな力を要しない
  • 応力分散ができ、疲労耐久性にも優れる
  • 接合した全面の気密性を保持できる

 

(2)接着のでメリット(短所)

  • 接着剤の選定が難しい
  • 接着強度にばらつきがでる
  • 剥離強度が不十分、点での接合には向かない
  • 失敗した時にやり直しが困難
  • 被着材の表面処理や接着剤の計量・混合などの作業が必要
  • 一般的に温度で特性が変化しやすい
  • 歴史が浅いため耐久性、耐用年数などの信頼性が不十分

以上、今回は接着剤の歴史、その長所及び短所について説明しました。

便利な接着剤、でも難しい接着剤。
上手く接着するためには、最適な接着剤をきちんと選択し、きちんと使用することが重要です。

 
次回は、接着剤によってなぜモノとモノがくっつくのか(接着のメカニズム)について解説します。


【豆知識】現在「最強の接着剤」は?(接着剤うんちく)

2020年時点で、最強の接着剤としてギネスブックに記載されているのは、ドイツで工業用接着剤を製造しているDELO社のDELO MONOPOX VE403728(非市販品)です。

接着剤のみでクレーンとつなげられた17トンのトラックが持ち上げられて、世界記録を更新しました。
クレーンとトラックをつなげているアルミシリンダーの半径はたったの3.5 cm。それでも1時間も吊り上げ続ける事ができたと記録されています。 
(※2019年7月の記録であり、皆さまがこのコラムを読まれているときには、既に更新されているかもしれません。ご了承ください。)

※参考リンク;exciteニュース「接着剤ギネス記録。直径7センチの接着面でつなげたシリンダーで17.5トンのトラックを1時間吊り上げ(ドイツ)」(2019年8月6日)


 
(日本アイアール株式会社 特許調査部 H・I)

 


※参考文献(サイトURL)


 

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