- 《大好評》LTspice設計実務シリーズ
LTspiceで学ぶ電子部品の基本特性とSPICEの使いこなし(セミナー)
2024/12/5(木)10:00~16:00
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機械の性能やプラントの出力を目標値に維持して安定して運転するためには、外乱などによって生じる目標値のずれに対して、何らかの操作を加えて出力を調整する必要があります。
連続運転する機械では、人間が常時操作を行う(手動制御)ことは現実的でなく、制御装置によって自動的に機械やプラントの運転制御を行う(自動制御)ことが必要となります。
今回から数回にわたり、機械やプラントを安定して運転するために必要となる自動制御の基礎知識について、解説したいと思います。
目次
予め決められた順序に従って、制御の各操作を一つ一つ進めていく方法です。
制御しようとする機械やプラントの特性変化や、外乱要素がほとんどない場合に適用することができます。自動生産ラインや自動運転エレベータなどが、シーケンス制御の適用対象に該当します。
機械やプラントの出力と目標値とを常に比較して、ずれがあれば入力を修正し、出力が目標値に近づくように操作量を制御する方法です。
フィードバック制御は次のような特長を有します。
ただし、出力の変化を検知してはじめて出力の調整を行いますので、変更後の出力が安定するまで一定程度の時間がかかるという弱点があります。
機械やプラントの運転に影響を及ぼす外乱を事前に予測して、機器に影響が生じる前に外乱影響を加味して運転動作を制御する方法で、前述のフィードバック制御の弱点を補う方法として考案されました。
ただし、外乱を検知する手段と外乱に対する適正な操作量を設定する必要があります。
またフィードフォワード制御だけでは目標値に収束させることが困難で、フィードバック制御と組み合わせて適用することが通常です。
今回のコラムでは、「フィードバック制御」を対象とした解説を行います。
温度、流量、圧力、水位などの工業プロセス状態量を対象として制御するものを「プロセス制御」といいます。
物体の位置、方位、姿勢などの機械的変位を制御量として、目標の位置変化に追従するように構成された制御系を「サーボ系」といいます。サーボ系の機器の構成を「サーボ機構」といいます。
温度一定、圧力一定など、目標値が一定である制御をいいます。プロセス制御に多く見られます。
目標値が任意の変化をする制御で、物体の機械的変位を制御量として、位置変化に追従するように構成された制御をいいます。サーボ系のほとんどが当てはまります。
図1に基本的なフィードバック制御系の構成を示します。
図中に現れる用語の定義は、次のようになります。
以上、今回は自動制御の分類と、本コラムの対象とするフィードバック制御の概要について解説しました。
次回は、フィードバック制御を理解する上で必要となる数学的基礎知識について解説します。
(日本アイアール株式会社 特許調査部 S・Y)