【機械製図道場・入門編】必須前提知識「第三角法」の基本を習得!

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機械図面スキル習得道場

図面は、設計の意図を製造側に正確に伝達するための重要な手段です。
日本工業規格JISに、図面を描き、図面を読むための規則が定められています。
設計者は、製図規則を理解して、モノづくりに必要となる情報が、見易く、過不足なく、誤解されることなく、製造側に伝わるように、図面を描く必要があります。
図面は、設計者と製造者の間の共通言語、コミュニケーションツールです。

この連載を通じて製図練習を積み重ねていくことで、製図規則に準拠した正しい図面を描けるようになることを目指しましょう!
第1回目は、製図の必須前提知識である「第三角法」の解説と例題演習です。

第三角法とは?

図面は、機械部品など立体形状のものを平面に書き表したものです。

平らな面の前に物体を置いて、後ろから光を当てると、平面に影が映ります。
これを物体の外形として、一つの平面に表す方法を「投影法」といいます。
投影法で平面に表した物体の形状図形に、寸法、公差などの情報を一定の製図規則に従って記入したものが図面です。

下図のように水平平面と垂直平面を作り、右上から左回りに第一角、第二角、第三角、第四角と名づけます。

第三角法の前提知識

立体形状の物体は、平面図・正面図・側面図という、互いに直交する3つの方向から物体を見た時に現れる投影図に表すことで、形状がわかりやすくなります。
これを「三面図」といいます。

物体を第三角に置いて、手前の垂直面に正面図、上の水平面に平面図、左の垂直面に左側面図を投影する方法を、「第三角法」といいます。

JISの機械製図では、第三角法による製図を原則としています

では、簡単な例題で練習してみましょう
 

【例題】第三角法の描き方

《 問題 》

下図のような形状の物体の三面図を、第三角法で描いてください。
第三角法の例題

 

《 解答 》

解答例はここをクリック
第三角法の例題の解答

 

《 例題の解説 》

解説はここをクリック
物体を第三角に置いて投影すれば、下図のようなイメージになります。
 
第三角法の解説1
 
第三角法は、物体を透明な箱の中に置いて正面、上面、側面の三方向から見たときに現れる形状を、三面図として展開して描く方法であり、図面から物体の立体形状をイメージしやすい投影法です。

 

「第三角法」と「第一角法」を比べてみると?

船舶の設計や、欧州における機械設計では「第一角法」が用いられます。
第一角法では、投影図は下図のように物体を見る視点の位置から物体を通り越して後ろ側の投影面に描かることになります。
第一角法は、欧州で発達した画法幾何学の理論をもとに発明された投影法です。

第一角法

[第一角法]

 
同一形状の物体を、第一角法を用いて三面図にした場合と、第三角法を用いて三面図にした場合とで、比較すると下図のようになります。
 
第一角法と第三角方の比較

[第一角法と第三角法の比較]

 
第一角法と第三角法を比較すると、第一角法では、側面図の位置が左右反対で、左側面図が正面図の右に置かれますので、実物の形状を把握しづらいという短所があります。
これに対し第三角法の方が、実際の物体に対して各投影図が連続して表示されるので、より見やすいということができます。

例題以外にも、いろいろな形状の物体の三面図を第三角法で描いて、三次元の物体形状を二次元図面で正確に表す力量を高めてください。
 

次回のテーマは「三面図から立体形状を読む」です。ぜひチャレンジしてみてください。
 

(アイアール技術者教育研究所 S・Y)

 

 

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