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不具合未然防止の基本と実務への適用《事例で学ぶ FMEA/FTA/DRBFMの効果的な使い方》(セミナー)
2024/12/3(火)9:30~16:30
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品質不具合対応などの問題解決においては、基本的なプロセスを守り、対応した結果をドキュメント化し、関係者の理解のレベリングと共有を図り、技術的な知見やプロセス・手法を伝承していくことが重要です。
「8Dレポート」という名前で呼ばれるドキュメントは、これらの目的を実現するためのツールです。
目次
8Dの”D”は、”Discipline“(規律)のDです。
しっかりした原理・原則に基づいた活動を行うことを目指し、あるべき問題解決プロセスのステップの確認と記録のために各ドキュメントが構成されています。
問題解決のためのQCストーリー(図1)や、課題解決プロセス管理のためのPDCAサイクル(図2)と共通する考えが盛り込められています。
8Dレポートは、0Dレポート、1Dレポート、・・・8Dレポートから構成されており、次のようなメリットと活用法があります。
次に実際の各レポートのポイントとフォーマットの説明をします。
0Dレポートには、「背景・状況と要求日程」についてをまとめ、以下内容を記載します。
8Dレポートは、状況について関係者が速やかに理解して判断するためのものですので、内容欄の説明文や図表は簡潔で最低限としなければなりません。
一方、内容は、事実やデータに基づいている必要があります。このため基となる詳細な関係資料・報告書No.を別途記入する参照書類欄を設けます。説明時の質問へ回答する際に一部引用したり、説明後に詳細を確認したり検討する際にも利用することができます。以下1D~8Dレポートでも同様です。
0Dレポートの関係資料欄には、以下のような書類のNo.を記入します。
図3はExcelの資料に文章や図表を記入・挿入していく場合のフォームの例です。内容は同一でパワーポイント資料として作成する場合もあります。いずれにしても管理番号を記して、記録文書として管理されるようにしておくことが必要です。(以下1D~8Dレポートフォームについても同様)
【図3 Excel形式での8Dレポートの例】
1Dレポートには、「活動チームと関係・協力部署」についてまとめ、以下内容を記載します。
参照書類欄には、以下のような書類のNo.を記入します。
2Dレポートには、「問題の明確化」についてまとめ、以下内容を記載します。
参照書類欄には、以下のような書類のNo.を記入します。
3Dレポートには、「暫定対策/流出防止策」についてまとめ、以下内容を記載します。
参照書類欄には、以下のような書類のNo.を記入します。
4Dレポートには、「根本原因の究明」についてまとめ、以下内容を記載します。
参照書類欄には、以下のような書類のNo.を記入します。
5Dレポートには、「是正処置」についてまとめ、以下内容を記載します。
参照書類欄には、以下のような書類のNo.を記入します。
6Dレポートには、「対策効果の確認・検証」についてまとめ、以下内容を記載します。
参照書類欄には、以下のような書類のNo.を記入します。
7Dレポートには、「再発防止策」についてまとめ、以下内容を記載します。
参照書類欄には、以下のような書類のNo.を記入します。
8Dレポートには、「顧客承認と活動評価」についてまとめ、以下内容を記載します。
参照書類欄には、以下のような書類のNo.を記入します。
ドキュメントの作成には膨大なエネルギーを必要とする場合もあります。
しかし、作成した結果だけではなく、作成過程自体も考察力や知識などの技術的ポテンシャルを高めることに役立ちます。
8Dレポートを、質の高い活動を行うためのチェックシートとして活用し、さらにプロセスも含めた技術の伝承に活用できれば、現在の問題解決だけでなく、将来の不具合防止と人材の育成にも役立ちます。
(アイアール技術者教育研究所 H・N)
《8Dレポートに関する他の解説記事》
※当研究所が提供している資料や各種フォーマット等につきましては「資料ダウンロードページ」をご参照ください。 【8DレポートのEXCELフォーマットを活用したい方へ】(ダウンロードはこちら)当研究所では、このページでご説明した「8Dレポート」について簡易的なEXCEL形式のフォーマット(テンプレート)を無料提供しております。全9シートに0D~8Dの各フォーマットが入っています。ぜひご活用ください。