技術のキホン

3分でわかる技術の超キホン 光ファイバへのカップリング(コリメート/集光/光アイソレータ/モジュール化)

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光ファイバへのカップリング技術を解説

光ファイバ通信では、光損失を抑えることが必須となります。
特に、光源である発光素子と光ファイバとの結合損失を低減するための「カップリング」に気を配る必要があります。
[※関連コラム:光ファイバ通信システムで生じる光損失の基礎知識はこちらをご参照ください。]

仮に半導体レーザと光ファイバを直接結合した場合、光ファイバに取り込まれるレーザ光は、屈折や回折により広がって放射されることにより、光源から発せられる強度の1/10程度になってしまいます。

今回は、光損失を低減させるための光ファイバへのカップリングの工夫にについて説明します。

1.コリメート

発光素子から出射される光は屈折や回折により広がってしまいます。
そのため、光ファイバのコア径(9~60μm)にその光を効率良く入射させることは極めて困難です。
このため、発光素子と光ファイバの結合にはレンズを用いて光を集めたりするなどの工夫をします。

レーザビームをアライメントするためには、ビームをコリメートする必要があります。

コリメート」とは、ビームが平行になるように調整することをいいます。
調整する際には、光学素子であるミラーやレンズなどを使います(※)。
コリメートされた光を「コリメート光(平行光)」と呼びます。

図1は、光源と光ファイバの結合を示しています。

コリメート
【図1 光源と光ファイバの結合】

 

(※) コリメートのイメージについての補足

例えば、レンズで太陽光を集光する場合、レンズは無限遠からの光をレンズの焦点に集めます。
この現象を基に考えると、レンズの焦点位置に点光源がある場合、光源から発した光は、レンズを介して平行光として無限遠に放射することになります。
ここでは単にレンズとしていますが、実際にはレンズの種類を選ぶ必要があります。

 

2.集光

光ファイバのコア内に光を入射させるためには、光ファイバの最大受光角よりも小さい範囲内の角度で入射させる必要があります。入射光は光ファイバ内で全反射させなければならないからです。

光を集光するためにはレンズを用います。集光レンズは、配置する位置が重要になります。
発光素子に近づけ過ぎると、入射光は光ファイバのコア径以上に広がってしまい、結合効率の低下を招くことになります。

 

3.光アイソレータ

光通信において、多重化を実現させるためにはレーザ光源の安定化が不可欠になります。
レーザは、自身の反射光が注入されるとレーザ発振が不安定になるという特性を持ちます。

そこで、図1に示すように、2つのレンズ間に「光アイソレータ」を配置します。
光アイソレータ」とは、光を一方向にのみ透過する光学素子のことです。

光アイソレータを配置することにより、光ファイバとの結合部で生じる戻り光のレーザ光源への注入を遮断することができます。光アイソレータは、ファラデー効果を用いているため、発光素子の出力光の偏光方向と光アイソレータの偏光方向を正確に合わせることが必要となります。

 

4.モジュール化

以上述べたように、光源を光ファイバにカップリングするには、発光素子とレンズ、光ファイバ間の距離や角度の微妙なずれが、大きな結合損失を引き起こす原因となるため、精密な位置調整が必要になります。
さらに調整後も、実用上耐えられる高い信頼性が要求されます。

そのため、発光素子、レンズ、光アイソレータ、光ファイバを一体化した”LDモジュール“が一般的に使われています。
モジュール化する際には、小型化のため発光素子はチップ化されます。また、レンズの種類を選ぶことでコリメートと集光に2つのレンズを用いずに、1つのレンズを使用するなどの工夫もされています。

 
(日本アイアール株式会社 N・S)

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