3分でわかる技術の超キホン 光ファイバ通信システムで生じる光損失(曲げ損失、接続損失、結合損失など)

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光損失の解説曲げ損失、マイクロベンディングロス、接続損失、結合損失)

光ファイバ通信で考えられる光損失には、表1に示すような要因があります。

光損失は要因により、光ファイバ自体に固有の損失光ファイバを通信システムに使用したときに生じる損失の2つに分けることができます。

今回のコラムでは、光ファイバを通信システムに使用したときに生じる以下の損失について解説します。

  1. 曲げ損失
  2. マイクロベンディングロス
  3. 接続損失
  4. 結合損失

 

分類 要因
光ファイバに固有 レイリー散乱損失
吸収損失
構造の不均一性よる散乱損失
システム組込時 曲げ損失
マイクロベンディングロス
接続損失
結合損失

   [表1. 光ファイバ伝送時における光損失]
 

光ファイバ自体に固有の損失(レイリー散乱損失、吸収損失、構造の不均一性による散乱損失)についてはこちらのページをご覧下さい。

 

1.曲げ損失

「曲げ損失」とは、光ファイバが曲げられることによって生じる損失です。
「曲げによる放射損失」とも呼ばれるように、曲げられた光ファイバを伝送する際に入射光が放射されるために発生します。

光ファイバは、中心部のコアと、その周りに設けられるクラッドから構成されています。
コアの屈折率をクラッドの屈折率よりも高くすることで、入射光はコアとクラッドの境界面で全反射を繰り返して伝送されていきます。

全反射するためには、スネルの法則より、入射光はコアとクラッドの境界面に臨界角以下で入射する必要があります。しかし、光ファイバが曲げられると入射角が変化するので、光が全反射せずにクラッド側に放射されてしまいます。

曲げ損失を生じさせないためには、光ファイバを曲げすぎないことが肝要です。

コアから放射されてしまう光を反射させて光を閉じ込める空孔構造光ファイバも製造されています。

 

2.マイクロベンディングロス

「マイクロベンディングロス」とは、放射損失を引き起こすほどの大きな曲げではなく、光ファイバがコア径に比べて小さい曲率半径で曲がったときに生じる損失になります。
光ファイバに圧力を加えることで生じます。

実用化されている光ファイバにおいては、緩衝層を設けるなど構造的な対策が取られています。

 

3.接続損失

「接続損失」は、光ファイバ端面間の接続に起因する損失であり、「放射損失」と「反射損失」の2つに分けることができます。

「放射損失」は、光ファイバ間を接続するときに、コア同士の中心軸がずれている、いわゆる軸ずれの場合に、一方のコアから出射した光の一部が、他方のコアに入射できずに放射された結果として生じる損失です。
軸ずれ以外にもファイバが折れ曲がった場合等でも生じます。

「反射損失」は、コア同士の接続端面に間隙が存在するときに、一方のコアから出射した光の一部が、出射端と間隙(例えば空気)の界面で屈折率が異なることにより反射が起こった結果として生じる損失です。
下図1に示すように、間隙と入射端においても同様に反射が起こり損失が発生します。

反射損失
   [図1. 光ファイバの接続端面での反射損失]
 

図1においては、n0:間隙(例えば空気)の屈折率、n1:光ファイバのコアの屈折率、Pt:入射光のパワー、Pf:出射端と間隙の界面での反射光のパワー、Pf‘:入射端と間隙の界面での反射光のパワーを表しています。

このように、光が屈折率の異なる媒質中を通過するときに、境界面で発生する反射を「フレネル反射」といいます。(※フレネル反射についてはこちらをご覧下さい。)

接続損失を削減するためには、ファイバ同士を融着する方法もあります。

 

4.結合損失

「結合損失」とは、光ファイバと光素子の接続に起因する損失です。

光ファイバと光素子の結合部分でも、光ファイバ同士の接続と同様に一方から出射した光すべてが他方に入射されないことがあります。

光素子としては、光源となる発光素子、受光素子、コネクタなどがあります。
特に発光素子と光ファイバの結合損失を低減させるためには高度なアライメントが必要になります。

 
(日本アイアール株式会社 N・S)

 

 

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