【早わかり電子回路】最適なオペアンプの選び方

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オペアンプの選び方を解説

今回は、電子回路部品のうち、オペアンプの選び方について説明します。
オペアンプには、様々な種類があります。最適なオペアンプを選択することはとても重要です。

今回は、オペアンプの選び方とそのポイントについて見ていきましょう。

1.オペアンプの種類・分類と主な用途

まずは、オペアンプを用途別に分類してみましょう。

(1)汎用型

価格優先の普及型です。性能は、中程度です。
オーディオなどの民生用電子機器に使用されています。
 

(2)高精度型

オフセット電圧が小さく、オフセット電圧の温度ドリフトも小さいです。高精度直流回路用です。
センサ機器、ファクトリーオートメーション機器などに使用されています。
 

(3)高速型

利得帯域幅積(GB積)や、スルーレートが大きく、高速/高周波信号を扱うために最適化されているものがあります。
DVDプレーヤー等のビデオ信号回路、計測機器、携帯電話の基地局等に使用されています。
 

(4)低雑音型

内部雑音を小さくしたタイプで、オフセット電圧が小さく抑えられたタイプもあります。
高級オーディオ機器や計測機器などに使用されています。
 

(5)低電圧・低消費電力型

定電圧動作/低消費電流を実現したバッテリー動作機器用のオペアンプです。
携帯音楽プレイヤー、スマートフォンなどのポータブル機器に使用されます。
 

(6)高出力(パワー)型

高電圧/大電流出力が可能なオペアンプです。
産業用機器、ロボットのアクチュエータやモータ制御回路などに使用されます。
 

オペアンプの選び方としては、まず、どのような機器に使用するかを決定します。
 

2.オペアンプの働き(機能・役割)

これまでの本連載でも説明していますが、オペアンプの働きとしては次のような例があります。

  • 増幅:入力された信号を大きく増幅することができます。
  • フィルタリング:入力信号からノイズを除去することができます。
  • 信号変換:電流や周波数の変化を電圧の変化に変換することができます。
  • 信号処理:信号の合成や微分、積分などができます。
  • 発振:いろいろな波形の信号を繰り返し生成することができます。

オペアンプが、どのような分野の機器において、どのような回路に使用されるのかを決めます

 
(※関連ページ:オペアンプの各機能については下記のページをご参照ください。)

 

3.オペアンプの電源

オペアンプは、他のICとは違って、電源について以下の分類があります。

(1)両電源オペアンプ

  • 電源はプラスマイナスの「両電源」動作を基本とします。
  • オペアンプの内部構造は、トランジスタなどの「バイポーラ」または「FET入力タイプ」が用いられます。
  • 汎用オペアンプは、普通に用いて、発振等が発生せず、安定に動作するものを言います。

図1は、①の両電源オペアンプの電源接続と電源に対する信号波形を示した図です。

両電源オペアンプの電源接続と電源に対する信号波形
【図1 両電源オペアンプの電源接続と電源に対する信号波形】

 
図1において、オペアンプには、2つの電源端子があります。
基本的にはプラスの「+Vcc」とマイナスの「―Vee」が必要です。
両電源動作時の出力波形例を右側に示します。
出力波形は(GND0VV)を中心にして+Vccと―Veeの間で振れます。
 

(2)単電源オペアンプ

  • 単電源動作が可能なバイポーラ構造となります。
  • レール・ツー・レール動作は含まれません。

図2は、②の単電源オペアンプの電源接続と電源に対する信号波形を示した図です。

単電源オペアンプの電源接続と電源に対する信号波形
【図2 単電源オペアンプの電源接続と電源に対する信号波形】

図2のように、電源に+Vcc(または―Vee)のみを供給する方式を「単電源」と言います。
図2左の図が基本的な単電源の与え方で、出力信号は+VccとGND(―Vee)の間です。
また、単電源用オペアンプは必ずしも単電源動作(供給)ではなく、両電源動作で用いても構いません。

(3)レール・ツー・レール(Rail-to-Rail)

入出力が「Rail-to-Rail」と表現されているものです。
図3は、レール・ツー・レールタイプのオペアンプの電源接続と電源に対する信号波形を示した図です。

レール・ツー・レールタイプのオペアンプの電源接続と電源に対する信号波形
【図3 レール・ツー・レールタイプのオペアンプの電源接続と電源に対する信号波形】

汎用の両電源および単電源オペアンプは、供給した電源電圧の範囲内すべてで信号を扱うことができません。
これに対し、オペアンプの電源電圧(+Vcc~―Vee)いっぱいまで動作するものを「レール・ツー・レール」オペアンプと言います。 なお、「レール」とは電源電圧を指しています。
出力信号は、図3左の図のように、+VccからGND(―Vee)の間のぎりぎりの振幅をとることができます。
 

4.オペアンプの選び方に関するその他の注意点

(1)動作電圧・作動入力電圧・同相入力電圧を超過しないこと

汎用オペアンプ選びでは、動作電圧・作動入力電圧・同相入力電圧を超過しないよう選ぶことも欠かせません。過電圧状態になったり、流せる電圧の許容範囲を越えてしまったりするとオペアンプが故障してしまうことがあります。

それぞれの値はオペアンプにより決まっているので、利用する回路の電圧に対応する製品かどうか、確認してから選びましょう。
 

(2)消費電力量

消費電力量もオペアンプ選びのポイントのひとつです。
消費電流が少ないほど消費電力量が少なくなり、ランニングコスト削減につながります。
ただし、消費電流の少なさに比例して、最大周波数も低くなることに注意が必要です。

コスト削減を重視する際には、増幅可能な最大周波数と消費電力量のバランスが取れた製品を選ぶようにしてください。
 

(3)オフセット電圧の低さ

汎用オペアンプを正常に作動させるには、オフセット電圧が低い製品を選びましょう。
オフセット電圧」とは電圧を入力していないときに現れる誤差電圧のことで、高いほど増幅精度が低くなり、急激に高くなるとオペアンプが正常に作動しなくなることもあります。

オフセット電圧はゼロが最も理想的で高精度となりますが、できる限り低いものを選ぶことをお奨めします。

 

5.オペアンプ選択における重要ポイント・まとめ

ということで、今回はオペアンプの選び方とそのポイントを見てきました。

まとめると、以下のようになります。

  1. オペアンプが、どのような分野の機器において、どのような回路に使用されるのかを決めます。
  2. 電源をはじめとする、基本性能を確認します。
    求められる回路の性能に合わせて、オペアンプの性能を見極め、選択していくことになります。
  3. 回路に適したピン配置のオペアンプを選ぶことも重要です。
    オペアンプには、一つのIC内に複数のオペアンプ回路が内蔵されているものがあります。例えば、2回路や4回路のものもあります。回路により選定するべきピン配置は異なるので、仕様書などで確認をし、回路に適したピン配置のICを選びましょう。面積が制限されるポータブル機器においては、特に重要です。

最後に価格(コスト)も重要です。
オペアンプには、1個の価格が、数十円のものから数千円のものまであります。作成される機器内の他の部品とのバランスを考えて選びましょう。
 

(日本アイアール株式会社 特許調査部 E・N)
 

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