化学

【分析化学を学ぶ】電子スピン共鳴(ESR)・X線回析(XRD)[分光分析法の要点解説]

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原子

分析化学に関する前回の当連載では、核磁気共鳴分光法(NMR)について紹介しました。

今回は、電子スピン共鳴ESR, Electron Paramagnetic Resonance)と、X線回折XRD)を解説します。

 

1.電子スピン共鳴 ESR(Electron Paramagnetic Resonance)

ご存じのように、錯体中の遷移金属イオンは不対電子を持つと「常磁性」となります。
有機物でも、このような常磁性(フリーラジカル)を持つものもあります。
NMR測定では不可能ですが、この「電子スピン共鳴」(ESR)測定では、その不対電子(フリーラジカル)を検出することができます。

上記のNMR解説コラムの中でもお話ししましたが、核や電子にはスピンがあります。
磁場中におかれた電子スピンはスピンの向きによって僅かなエネルギー差を生じ、この特定の周波数のマイクロ波が吸収されて、スピンエネルギーが遷移することにより、電子スピン共鳴信号が形成します。

核スピンを対象とする NMR(核磁気共鳴)と違って、ESR(電子スピン共鳴)は電子スピンを対象として測定します。原子核と電子では質量が大きく違いますので、感度は格段に高まり、NMRより低磁場、高周波数で測定が行われます。

また測定時の注意事項として、有機金属錯体の不対電子はライフタイムが短いことが多いという点が挙げられます。その検出に際しては、液体窒素で試料をよく冷却してから測定を行うことが多いです。

 

2.X線回折(XRD)

「X線回折測定」は原子の間隔と同程度の波長を持つX線を利用して、錯体の結晶構造が分かる測定手段です。そして、単結晶だけではなく、粉末でも測定することができます。

光は波の性質も持ちます。波が物に当たると、四方八方に散乱されます。
物質の結晶などの表面にX線が入射すると、各原子に所属する電子によりX線が散乱されます。散乱したX線は干渉し合い、特定の方向で強め合います。これがX線の回折現象です。

原子が規則正しく並んだ結晶にX線を当てて、どちらの方向に回折が起こるかを調べると、原子の距離がわかります。
この回折情報を用いて、単結晶試料分子の三次元構造が分かるようになります。結晶化しにくい物質の場合、粉末試料でも測定可能です。構成成分の同定や定量、結晶サイズや結晶化度などの情報が得られます。

粉末法は、結晶化操作要らなくて簡便ですが、完全な構造決定には様々な手法を用いる必要があります。
 

(日本アイアール株式会社 特許調査部 H・L)
 

 

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