3分でわかる技術の超キホン 3Dプリンタと容器・包装
1.3Dプリンターの簡単な歴史
1987年に3D Systems 社が初めて光造形法を実用化し、1990年にはStratasys社が熱溶解積層法(FDM法)を商品化しました。
1995年、Z Corporation社が、インクジェットを応用した粉末固着式積層法を商品化し、3Dプリンターと呼ばれるようになったとされています。
筆者が2000年代半ばに3Dプリンターを導入した時は、数百万円でしたが、オープンソースによる開発や基本技術の特許権の終了に伴って、2010年代半ばでは、数万円~数十万円で導入可能となり、様々な分野に広く普及するようになっています。
2.3Dプリンターの主な原理
(1)光造形法
光硬化性の液体樹脂に紫外線やレーザー光などを照射し、硬化した部分を積重ねて立体物を造形する方法です。
(2)熱溶解積層法(FDM法)
ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、PLA樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などの熱可塑性樹脂を熱で溶かし積層して立体形状を作成する方法です。
(3)粉末積層法
層状に敷き詰めた樹脂、金属などの粉末剤をレーザーや放電などで焼結する「粉末焼結式積層法」と、デンプン、石膏などの材料にインクジェットでバインダを添加して固める「粉末固着式積層法」があります。
3.3Dプリンタの特許出願状況
3Dプリンター関連の特許について、J-platpatを使用し、特許(特開・特表(A)、再公表(A1)、特公・特許(B))で、単純に全文検索で「3Dプリンタ」を検索した結果を年代別にグラフ化しました。1998年は0件でしたが、1999年に1件公開されて以降、毎年出願されておりますが、特に基本技術の特許権が終了した2010年代以降に急激に増加していることが分かります。(グラフ1)
また、FIとして、3Dプリンターが分類されているB29C67/00について、年度別に特許件数を調査したグラフでも同様に2010年代以降に急激に増加していることが分かります。(グラフ2)
(※ともに2018年9月調査)
4.3Dプリンターの今後
容器包装の分野でも、エンジニアリングプラスチックなど種々の樹脂が使用で、金型なしで立体形状が作成できる3Dプリンターは、モノづくりの大きな可能性を秘めていると思います。
導入価格が下がっているのも魅力で、多くの人が活用し易くなってきています。
3D-CAD、3Dスキャナー、3Dシミュレーションと合わせて、小さな工場、身近な研究所がすぐ作れるので、新たな技術の創生が期待できます。
(日本アイアール株式会社 特許調査部 K・O)
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