技術のキホン

3分でわかる技術の超キホン 電子回路部品「バリスタ」とは?原理・役割・使い方の基本はこれでOK!

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今回は、電子回路部品のうち「バリスタ」について説明します。

1.電子部品「バリスタ」とは?

電子回路を構成する部品に「バリスタ」という部品があります。
バリスタといってもカフェの店員さんではありません。
れっきとした電子部品の一つです。実は、スマホの中にも使われています。

バリスタは、印可する電圧によって抵抗値が変化する素子です。
Variable Resistor“(変化する抵抗)の略語であり、「非直線抵抗」「電圧依存性抵抗」とも呼ばれます。
 

バリスタの特徴と回路記号

バリスタにかかる電圧が小さいときは抵抗値が高く、バリスタにかかる電圧が大きいときは抵抗値が低くなる特性があります。
この特性を利用し、雷サージや静電気などの異常電圧から電子機器を保護する役割を果たすセラミックス電子部品です。
電圧と電流が比例関係にある抵抗とは異なり、非直線の関係なのが特徴です。
また、電流-電圧特性が対称なので極性がありません。

回路記号としては、図1のようになります。
 

バリスタ
【図1 バリスタの回路記号】

 

2.バリスタの原理

バリスタは、非直線性抵抗特性を持つ半導体セラミックスを2枚の電極ではさんだ構造です。セラミックコンデンサに類似した構造です。

半導体セラミックスは微細な結晶粒が多数集合した多結晶体で、一般にバリスタに多用されるのは酸化亜鉛を主成分とするセラミックスです。

結晶粒を取り巻く粒界は高抵抗の絶縁層となっていて、ある電圧までは電流を流しませんが、その電圧を超えると量子力学的なトンネル効果によって大電流を流します。

 

3.バリスタの役割・用途

バリスタの基本的な役割は、静電気などの高電圧に対して、抵抗値の低い状態に変化してアースに電気を逃がします。これによって、ICなどの部品に高電圧がかからないようにしています。

バリスタは、応答が速く、サージ電流耐量も大きいため、ACラインにおける外雷サージ対策に多く用いられます。 

また、携帯電話など小型の機器やUSBなどの外部インタフェース端子を持つ機器では筐体による静電気シールドが困難であるため、保護用の部品を用いることが一般的ですが、小型で低価格の積層チップバリスタが開発されたことにより、静電気保護部品としてバリスタが用いられるようになりました。

他には、スイッチやリレーなどのオンオフ(開閉)時、特にオフ時の急激な電流変化と回路や配線のインダクタンスにより、接点に誘発される過渡的な高電圧サージ(開閉サージ)の対策にも用いられます。

 

4.バリスタの使い方

まず、バリスタの電流と電圧の関係を見てみましょう。
 

バリスタの電流と電圧の関係
【図2 バリスタの電流と電圧の関係】

 
図2は、バリスタに印加される電圧と流れる電流の関係を示す図です。
電圧と電流が比例関係にある抵抗とは異なり、非直線になっています。

図からは、正負によらず、ある電圧までは、抵抗値が大きく電流が流れにくくなり、ある電圧を超えると抵抗値が小さくなって急激に電流が流れることがわかります。
 

サージ対策の例

図3は、バリスタの使い方の一例を示す図です。
マイクロコンピュータの入力ポートに外部からの信号線が接続されています。
サージ(異常電圧)が外部からの信号線を通して伝わるのを防ぐために、入力ポートの近くにバリスタを入れます。

バリスタの使い方
【図3】

 
バリスタに高電圧が印可された時は、バリスタの抵抗値が低くなるため、バリスタに電流が流れます。
電圧によって抵抗値が変化する特性を利用して、サージや静電気からICなどの素子を保護することができます。
バリスタがないと、静電気やサージなどの異常電圧が印加され、誤動作や破壊の恐れがあります。
 

ツェナーダイオードとの違いは?

サージや静電気からICなどの素子を保護する部品にツェナーダイオードがありますが、バリスタがツェナーダイオードより優れている点は、小形/軽量化や実装面積の削減ができる点があります。
また、極性がないため、一つで正電圧/負電圧両方の電圧に対応できます。
ツェナーダイオードは、極性があるため一方のみです。

逆に、ツェナーダイオードが優れている点は、保護動作電圧(それ以上の電圧は通さない電圧値)が低い電圧から可能な点と、容量成分が小さいため、高速インターフェースの線路にも使用できる点です。
使用する場合に応じて、使い分けることが必要となります。

[※ツェナーダイオードの解説はこちらをご参照ください。]

 

静電気対策や車載用機器でも重要な役割

冬には人体も静電気を蓄めこむことが多くあります。
そして、近年は電子機器のモバイル化が進んで、頻繁に手に触れたり、機器どうしをケーブル接続したりする機会が多くなっています。
このときに起こる静電気放電はIC回路の誤動作を起こしたりするので、バリスタの活躍の場はますます広がっていくと思われます。

さらに、バリスタは、寿命が長く信頼性が高いため、車載用部品としても使用されています。
車載用機器は、耐ノイズ性が要求されるため、バリスタは非常に多く使用されています。
 

(日本アイアール株式会社 特許調査部 E・N)
 

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