《ものづくりの基本》4MとQCDとは

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4Mの解説

1.「4M」とは

生産においては、材料機械方法、の4つの要素が重要となります。
これらを、「4M」と呼びます。

人:Man

材料:Material

機械:Machine

方法:Method

と、それぞれMを頭文字とした英語から、4Mと呼ばれています。

製品を設計し、製造し、検査し、顧客に納める、という一連の行為は、当然、人間によって実施されます。もちろん、機械やシステムで自動化されている部分もあります。それでも、その実行を選択するのは人間によります。また自動化された工程においても、人間のスキルやノウハウによって支えられている部分は多々あります。予期せぬトラブルが起こった時に対応するのも人間です。人は、生産活動においてまさに要といえます。

材料は、製品をつくるための必須のものです。材料の品質が、製品の品質に大きく影響します。また材料のコストも、製品の価格に影響します。材料をどのように調達するかは、ものづくりにおいて大変重要なポイントといえるでしょう。

現代においては、ものづくりの多くの部分は人の作業から機械に置き換わっています。人の作業よりも、機械の方が、力が強く、速く、正確で、連続稼働ができ、安全である、といえます。工業製品においては、大量の製品を、均一に、速く、生産することが求められます。その要求を満たすには、生産機械を活用することは必須といえます。

ものづくりのノウハウとして大切なことが、生産の方法です。同じ材料と機械を使用しても、段取り手順、加工順序、検査の方法、など、方法は様々に選択することになります。どのような方法で生産するかによって、材料コスト、労務コスト、加工時間、製品の品質などが大きく変わります。生産の方法はノウハウとして蓄積され、他社との差別化、優位性の確立、において重要なポイントとなります。

4Mの例として、ステンレス製のボルトを製造する工程を考えると、人が作業を行い、ステンレス材という材料が用いられ、旋盤等の機械にて加工し、その加工においては、材料や刃具の設置や加工の条件などが方法として定められています。

生産において必要な要素をまとめたものが、4Mということになります。

4Mは生産におけるインプット(条件)ということができます。

 

2.「QCD」とは

生産を行い、ある工業製品をつくる上では、品質原価(コスト)納期、の3つの要素が求められることになります。

品質:Quality、原価:Cost、納期:Deliveryの頭文字をとって、QCDと呼びます。生産の3要素、あるいは生産管理の3要素、とも呼ばれます。

その製品の性能というのは開発された設計仕様によって決まりますが、その通りのものをちゃんと量産できないと、製品の性能は実現しません。不良品でないものを作ることのできる度合いを、品質(Quality)といいます。

また、目指す性能を実現するために、材料や機械や加工方法などに限りなくお金をかけて、また出来上がったもののほんの一部の、性能の良いものだけを売る事にすれば、製品の性能は達成するかもしれませんが、それでは利益がでません。ものをつくるためにかけた金額を、原価:コスト(Cost)といいます。

品質とコストを改善したいからといって、いいものを安くつくるために全力を注いだ結果、顧客が求める生産量に達成せず、要望に間に合わせることもできなければ、事業としては成り立ちません。納期(Delivery)も大切ということです。

先の例のステンレスボルトを挙げると、品質は、ボルトの加工寸法が正しいことや外観に傷などがないことや使用において折れたり腐食したりしないこと、となります。コストは、1個や1ロットの加工を何円で提供できるか、納期は、依頼から何日で納入できるか、となります。

顧客の要求を満たすには、これらの3要素をすべて要求通りに対応する必要があります。

QCDは、生産のアウトプット(成果)ということができます。

 

3.4MとQCDを意識することは技術者としての必須事項

実際に生産に携わると、目の前の顧客の要望や、生産現場での問題への対応など、様々な課題に対して取り組むことになります。

その中で、インプットである4Mと、アウトプットであるQCDを意識することは、状況を整理し、的確な対応を行うために有効となります。

例えば、品質面の課題として、外観不良があるために生産ストップしてしまう状況において、品質異常の原因を、4Mに分解して調べることで、漏れなく原因の検討を行うことができます。また、QCDのQ:品質の問題に対比して、C:コスト、D:納期への影響を考えると、行うべき対策の適切さを判断することができます。

生産にかかわる技術者にとって、4MとQCDを意識することはまさにキホンといえるでしょう。

 
(アイアール技術者教育研究所 K・O)
 

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