ポリ乳酸で導くプラスチックリサイクル[進化論]【提携セミナー】

ポリ乳酸で導くプラスチックリサイクル[進化論]【提携セミナー】

開催日時 未定
担当講師

望月 政嗣 氏

開催場所 未定
定員 -
受講費 未定

ポリ乳酸で導くプラスチックリサイクル

[進化論]

 

≪ 再資源化の課題と真に持続可能な資源循環型社会に向けて ≫

 

【提携セミナー】

主催:サイエンス&テクノロジー株式会社

 


 

受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ


― 真のリサイクルシステムとは何か。目先の対症療法にばかり囚われてはいないだろうか―
ポリ乳酸を先進的モデルとして、これまでのリサイクル論に欠落しているバイオリサイクルのあるべき姿を総括。
プラスチックリサイクルの進化を願っての一講義です。

 

セミナー趣旨

真に持続可能な資源循環型社会の構築を目指す上で、枯渇性化石資源を原料とし焼却に伴う温暖化ガスの増大や海洋プラ汚染問題を招来する石油系非生分解性プラを対象とするプラスチックリサイクル論は単なる目先の対症療法に過ぎず、真の解決策とはなり得ない。

 

本講では、自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環にリンクした生分解性バイオマスプラとして脚光を浴びているポリ乳酸を先進的モデルとして、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルはもとより、これまでのリサイクル論には欠落しているバイオリサイクルのあるべき姿を総括する。また、既存汎用石油系プラと同等以上の性能・機能を有し、使い捨てから長期耐久性構造材料まで製品展開が可能で、近年世界的に新設・増産計画が相次ぐ(2024年:約50万トン/年)次世代バイオプラスチックとして注目されるポリ乳酸の最新技術・製品開発動向についても詳述する。

 

得られる知識

  • プラスチックリサイクルの全容、分類、特徴と将来展望
  • 持続可能な開発目標(SDGs)としての次世代バイオプラスチックのポリ乳酸
  • ポリ乳酸の生分解機構や分解制御・高性能化材料設計技術、最新製品開発動向

 

担当講師

望月 政嗣 氏 (元京都工芸繊維大学 特任教授、工学博士、高分子学会フェロー)

 

【専門】高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、
高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性
[紹介]
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ㈱入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
2007年 ユニチカ㈱定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。繊維学会功績賞、日経BP技術賞、その他を受賞。
[著書]
「生分解性プラスチック入門―生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで―」(CMCリサーチ)「生分解性プラスチックの素材・技術開発―海洋プラスチック汚染問題を見据えて―」(NTS)、「バイオプラスチックの素材・技術最前線」(シーエムシー出版)、「生分解性ポリマーのはなし」(日刊工業新聞社)、その他多数

 

セミナープログラム(予定)

1.持続可能な開発目標(SDGs)としてのポリ乳酸(PLA)
1.1 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
1) 20世紀の石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
2) 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と解決策
3) 自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環(炭素循環)へのリンク
1.2 PLAの基本特性
1) 原料は枯渇しない植物由来の再生可能資源(renewable resource)
2) バイオマス由来で地球温暖化に関与しない(carbon-neutral)
3) 自然環境(土壌、海水・淡水)下での完全生分解性(biodegradable)
4) 使用後の再資源化(bio-recycling)可能
① 好気性発酵による堆肥化可能(compostable)
② 嫌気性メタン発酵による生ごみ発電(garbage power generation)可能
5) 安全・衛生性(safe and hygienic)
① 食品衛生性…厚生省告示第370号/器具又は容器包装の規格基準適合
② 抗菌・防カビ性…プラスチックのカビ抵抗性試験(JIS Z-2911)、
繊維製品新機能評価協議会抗菌防臭加工新基準適合
*通常のプラスチックよりも細菌やカビが生え易い微生物産生ポリエステルやデンプン系に比し、
逆に卓越した抗菌・防カビ性を発現!
1.3 PLAレジンメーカー
1) ニートレジン…ネイチャーワークス、トタル・コービオン、豊原集団他
2) コンパウンドレジン(高性能・高機能化PLAレジン)…テラマック®/ユニチカ
*世界的にPLAの新設・増産計画が相次ぐ、2024年には約50万トン/年の生産能力

 

2.プラスチックリサイクルの社会的背景と再資源化方法論
2.1 石油を原料とする非生分解性プラスチックの基本的問題点
1) 原料枯渇問題…50年後に枯渇、そこに至る迄に需給関係から価格高騰必至
2) 地球温暖化問題…焼却に伴う温暖化ガスの増大
3) 廃棄物問題…海洋プラスチック汚染問題など
2.2 日本におけるプラスチック廃棄物の処理方法、現状と課題
2.3 プラスチックリサイクル法の分類と特徴
1) マテリアルリサイクル…再溶融・成形:新たな製品
2) ケミカルリサイクル…化学分解:原料・モノマー、ガス、高炉・コークス炉原料
3) バイオリサイクル…生分解:新たな製品から原料まで
*石油系プラの焼却をサーマルリサイクル(和製英語)と呼称し正当化するのは
世界的に日本だけ、真のリサイクルではない!
2.4 植物由来生分解性プラスチックのバイオリサイクル
1) グローバルには、自然界が有する真のリサイクルシステムとしての物質循環(炭素循環)にリンク!

2) ローカルには、製品使用後に再資源化が可能!
① 堆肥化/好気性下…肥料、土壌改良剤
② バイオガス(CH4)化/嫌気性下…ボイラー、生ごみ発電
2.5 生分解性バイオマスプラへの転換…資源枯渇・地球温暖化・廃棄物問題なし!
2.6 ポリ乳酸(PLA)のリサイクル具体例…真に持続可能な資源循環型社会へ
1) マテリアルリサイクル…配膳トレーからプランターへ(2005年 愛地球博)
2) ケミカルリサイクル…熱分解による原料ラクチドへの還元
3) バイオリサイクル…PLAは使用後に有機性廃棄物と共に再資源化が可能!
① 生ごみ用コンポストバッグ(北海道 富良野市)…生ごみと共に堆肥化
② ティバッグ(ソイロン®/山中産業)…使用後に生ごみと共に堆肥化
③ 使い捨て食品容器・包装材、ストローなど…使用後に生ごみと共に堆肥化

 

3.ポリ乳酸(PLA)の高性能・高機能化材料設計技術
3.1 第二世代ポリ乳酸…高L組成PLA (high %L PLA), %D<0.5%
1) D体共重合比(%D)が結晶化速度や熱的・機械的特性に及ぼす影響
2) 高L組成PLAの改良効果…耐熱性、寸法安定性、強度、成形加工性
3.2 PLAの高性能化技術…既存石油系汎用プラと同等以上!
1) 耐衝撃性…耐衝撃性改良剤、PLA+PBAT又はPBSブレンド体
2) 耐熱性、透明耐熱性…分散型又は溶解型核剤、結晶化促進剤、マルチ機能改質剤
3) 寸法安定性(低熱収縮率、経時変化なし)
3.3 PLAの分解開始・速度制御技術…製品寿命の制御(短期使用から長期使用まで)
1) 生分解機構…非酵素分解(加水分解)型
2) 分解制御機構…2段階2様式の特異的な生分解機構(生分解性と耐久性の両立)
3) 分解速度/製品寿命の制御
① Sタイプ(残留ラクチド:多)…分解速度速い/製品寿命短い
② Mタイプ(残留ラクチド:少)…中程度
③ Lタイプ(COOH末端基封鎖)…分解速度遅い/製品寿命長い

 

4.ポリ乳酸(PLA)の成形加工と製品・市場開発動向
4.1 成形加工分野
繊維・不織布・モノフィラメント、フィルム・シート、真空成形、射出成形、
発泡成形(押出発泡、ビーズ発泡)、ブロー成形
4.2 用途・製品・市場開発動向<多数の製品写真で説明>
1) 自然環境下で使用する農林・園芸・土木・水産資材
2) 短期間(~1年)使用の使い捨て食品容器・包装材、食器具、生活・衛生資材
3) 中期間(3~5年)使用の衣料、生活雑貨、産業資材
4) 長期間(5~10年以上)使用の電気・電子機器筐体・部品、リターナブル食器、自動車内装部品、産業資材

 

□質疑応答□

 

公開セミナーの次回開催予定

開催日

未定

 

開催場所

未定

 

受講料

未定

 

配布資料

製本テキスト(開催日の4,5日前に発送予定)
※セミナー資料はお申し込み時のご住所へ発送させていただきます。
※開催まで4営業日~前日にお申込みの場合、セミナー資料の到着が、
開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
※受講時にはスライドが画面表示されますので 製本テキストがお手元に無くても 受講には差支えございません。

 

オンライン配信のご案内

※【Live配信(zoom使用)対応セミナー】についてはこちらをご参照ください

 

備考

※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。
※開催日の概ね1週間前を目安に、最少催行人数に達していない場合、セミナーを中止することがございます。

 

お申し込み方法

★下のセミナー参加申込ボタンより、必要事項をご記入の上お申し込みください。

 

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