吸音・遮音・防振の理論とその測定・評価に関する入門講座《基礎理論の他、音響測定も解説》
2024/4/26(金) 10:30~16:30
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03-6206-4966
開催日時 | 2021/6/7(月)10:30~16:30 |
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担当講師 | 稲葉 英男 氏 |
開催場所 | Live配信セミナー(リアルタイム配信) |
定員 | - |
受講費 | 通常申込:49,500円 E-mail案内登録価格:46,970円 |
水の凍結や氷の融解現象など「低温のカガク」と
これを活用した新製品開発へのアイデア・シーズを解説
【提携セミナー】
主催:サイエンス&テクノロジー株式会社
“低温の世界”へようこそ!低温環境や低温現象の巧みな利活用で、新たな技術・製品の創出へ―
本セミナーでは農林水産、食品加工・保存、建築・土木、衣服・住環境・家政、生体・医療、バイオ、冷凍・冷蔵・空調、運輸・交通、エネルギー、宇宙・航空など幅広い業界に向けて、新規開発のアイデア、シーズ、ヒントを提供します。
◆ セミナー趣旨
従来から人類は、冬季における低温や天然の雪氷などの低温環境や低温現象を巧みに利活用してきた。さらに、冷凍機の発明により、人工的に低温状態を生成することが可能となってからは、低温現象の利活用技術は生鮮食品の保存や加工分野などで急速に進展している現状にある。特に、多くの物質に含まれる水は、低温環境下においてその極性物質として特異な性質や現象を発現しており、様々な産業分野で経験的に利活用されてきた。
しかしながら、このような低温環境で発現する特性や現象は、そのメカニズムを十分に理解せずに各産業分野で伝統的に利用されてきた経緯がある。また、低温環境下で起こる特異な現象について未解明なものも多く存在する。
本セミナーは、既知の低温環境下で起こる特性や物理や化学そして生物現象の機構を図表や数値データなどで体系的に紹介することで、新規性のある斬新な低温関連製品開発に向けてのアイデアやシーズの創出を提供するものである。すなわち、様々な産業分野で利活用されている低温関連技術を整理分類し、関連する諸特性や現象の考察を通じて紹介するものである。
特に、低温環境の利用技術の多くを占める水の凍結や氷の融解現象や水自身の特性については、関連する既存技術を詳細に解説し、新たな分野での商品開発のアイデア創出に繋がるように工夫している。
◆ 得られる知識
<1>低温環境下の水と氷の特徴に関して
〇低温環境下で水と氷の特性
〇気象現象と氷・雪・霜の生成機構
<2>低温環境下における諸現象と利用技術などに関して
〇力学的特性の基礎とその利用技術
〇熱的特性の基礎とその利用技術
〇化学的特性とその利用技術
〇電気・磁気・光学的特性とその利用技術
〇生物的・美術的特性とその利用技術
本セミナーで得られる知識や技術などは次のような幅広い分野で利活用が可能である。
農林水産業、食品加工・保存、建築・土木施工、衣服・住環境・家政、生体・医療、バイオ、
冷凍・冷蔵・空調、運輸・交通、エネルギー関係、宇宙・航空 など
◆ 対象
【講師より】
特に、受講者の分野や予め必要とされる知識や技術などは必要としません。低温環境下で起こる様々な現象やその利用技術を幅広く習得したい受講者に参加いただければと思います。
岡山大学 名誉教授 稲葉 英男 氏
【1】水と氷の特徴に関して
本セミナーの低温環境とは、常温以下から液体窒素の温度(-196℃)の範囲を対象とした様々な物質の
低温特性や現象を対象としている。特に、低温環境に関わりの強い低温水や氷の特異な特性と気象現象
について概説する。
1.水と氷の特性
2.気象現象と氷・雪・霜の構造と派生する現象
【2】低温環境下における諸現象と利用技術などに関して
水や他の物質や含水物質の低温状態で起こる様々な特性や現象について、そのメカニズムをデータに
基づいて体系化し、利活用技術を詳説することで、新たな低温関連商品開発のアイデアなどを提供する。
1.力学的特性の基礎とその利用技術
1.1 圧力融点降下現象と利用技術
圧力融点降下現象:水の圧力を1気圧(100.3kPa)増加することで、氷点は約-0.01℃低下する。水を加圧して過冷却状態を維持することで凍結を回避することが可能であり、除圧することで微細な氷結晶の生成が可能となる。
■利用技術例:凍結回避、微細氷結晶の生成など
1.2 硬さや強さの変化とその利用技術
硬さや強さの変化:金属材料などは低温下で脆性が出現し、さらに氷は低温とともに硬度や破壊強度が増加する傾向を有する。
■利用技術例:氷曲げ、氷粒子ショットピーニングなど
1.3 凍結界面の付着現象とその利用技術
凍結界面の付着現象:氷と金属等の物質界面では水素結合などで付着現象が現れる。また物質間に低温水膜の形成から付着力が出現する。
■利用技術例:冷凍チャック、凍結剥離など
1.4 低温下での体積収縮と相変化に伴う体積膨張現象とその利用技術
相変化に伴う体積膨張現象:水の凍結により体積膨張を起こし、密閉容器内での体積膨張は200MPa以上の高い圧力が発生する。
■利用技術例:コンクリートの凍結破壊、溶接残留応力除去異形管の圧着、冷やし嵌め、樹木の凍裂 など
1.5 摩擦係数の変化とその利用技術
摩擦係数の変化:氷は摩擦係数の一番小さな物資であり、他の物質の組み合わせで小さな動力での移動が可能である。この摩擦係数は氷結晶界面の状態により変化する。
■利用技術例:凍結引き抜き加工、スケート電車、氷の搬送、高速スケートリンクなど
1.6 凍結と解凍による物質(水分)移動とその利用技術
凍結と解凍による物質(水分)移動:氷結晶の生成時には他の大きな分子を排除する作用があり、水溶液中の溶質などの分離が可能となる。また、含土壌中の氷結晶の粗大化による吸水機能からの体積膨張作用もある。
■利用技術例:凍上、凍結濃縮、下水汚泥脱水処理など
2.熱的特性の基礎とその利用技術
2.1 過冷却特性とその利用技術
過冷却現象:水の凍結温度である0℃以下の低温でも凍結しない過冷却現象は、熱的過冷却と水溶液などの氷点降下に基づく組成的過冷却がある。マイクロ波などを照射して水分子に熱的振動を与えて氷結晶化を防ぐ方法もある。
■利用技術例:食品の低温保存、低温下での潜熱保存、長期保存、物質内での微細氷結晶の生成など
2.2 結晶核生成に伴う現象とその利用技術
結晶核生成に伴う現象:過冷却は、氷核物質の投入で過冷却解放による氷結晶生成が可能であり、過冷却度に応じて様々な氷結晶の成長が可能である。
■利用技術例:人工降雪や降雨、人工消霧、氷蓄熱の促進など
2.3 凍結と融解による潜熱とその利用技術
凍結と融解による潜熱:氷の融解潜熱は333.6kJ/kgと大きく、冷熱の貯蔵などへの利用が可能となる。また、氷の大きな潜熱は、冬季の雪や氷の冷熱を夏季での冷温熱源として活用ができる。
■利用技術例:氷蓄熱、アイスコンクリート、アイスコンデンサーなど
3.化学的特性とその利用技術
3.1 化学反応速度特性とその利用技術
化学反応速度特性:水溶液の凍結においては、凍結の進行とともに溶液濃度の増加により化学反応促進効果が低温条件により出現する。
■利用技術例:凍結濃縮など
3.2 蒸気圧の変化とその利用技術
蒸気圧の変化:蒸気圧は温度降下と共に低下する。低水蒸気圧下による揮発性成分などの拡散抑制や冷風乾燥などが可能となる。
■利用技術例:冷風乾燥、生ごみの消臭装置など
3.3 昇華蒸発現象とその利用技術
昇華蒸発現象:物質内の水分を凍結後、減圧して氷成分の昇華蒸発することで低温乾燥することが可能となる。
■利用技術例:真空凍結乾燥、アイスライニング、多孔性食品製造など
3.4 凍結濃縮現象とその利用技術
凍結濃縮現象:汚泥水や海水などを凍結させることで、溶質と水分を分離が可能となる。
■利用技術例:凍結濃縮食品、汚泥の凍結濃縮、凍結摩砕など
4.電気・磁気・光学的特性とその利用技術
4.1 氷の電磁波特性とその利用技術
氷の電磁波特性:氷は赤外線や紫外線の一部で高い吸収率を示し、さらに可視光線や電波の透過率は高い性質を有する。
■利用技術例:氷のレンズやプリズム、アイスレーダーなど
4.2 雪の反射特性とその利用技術
雪の反射特性:雪は微細な氷の集合体であり、表面での反射に加えて内部への透過光は反射や散乱作用により可視光線領域で約95%そして紫外領域でも約85%の反射率を有する。
■利用技術例:雪さらし、雪焼け、融雪剤、日射雪面反射による太陽電池性能向上など
5.生物的・美術的特性とその利用技術
5.1 生物的特性とその利用技術
生物的特性:生物細胞は、低温環境下で凍結回避や耐凍性そしてガラス化による長期安定性などの特性を有する。一方、癌などの異常細胞の凍結破壊や損傷も可能である。
■利用技術例:生物体の凍結保存、凍結手術、凍結炎症、低体温麻酔、蛋白質凍結変性など
5.2 美術的特性とその利用技術
美術的特性:氷や雪などは、美的な機能もあり、氷や雪の他の物質の混合物などでその利用価値を広げることも可能である。
■利用技術例:着色氷、氷の彫刻、雪像、凍結工芸など
□ 質疑応答 □
2021年6月7日(月)10:30~16:30
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