先輩への質問に躊躇するべからず(技術者べからず集)
突然ですが、”先輩技術者への質問に躊躇する理由”を挙げてみましょう
その一、忙しそうだから。
その二、怖いから。
そして・・・その三、答えられなかったら悪いから。
その一、その二は、まずはさておいて、その三について考えてみましょう。
後輩技術者からの質問が、先輩の「技術者力」を高める?
後輩からの質問の傾向としてよくあるのは、‘素朴な疑問’です。そのような質問に対して、分かりやすくきちんと説明することは、技術者として、先輩にとっても非常に重要なトレーニングです。
完全に分かっている場合には、論理的で簡潔に説明するための努力が必要です。
自分の知識不足のため、あるいは技術的に解明できてないため、ある点については充分に説明ができない場合には、その状況を説明しなければなりません。
一方、全く答えられない場合には(今後の見通しやヒントがあれば言いますが)、素直に「分からない」と言わなければなりません。
三つのどの場合においても技術者として努力を必要とします。そしてこれらの努力は先輩の成長にとっても、とても重要です。技術者としての知識が浅い後輩と如何にコミュニケーションを行うかは、異分野の人や異文化(外国人など)とのコミュニケーションにも通じるものがあります。
先輩技術者との「遠慮の無い関係」が「真の信頼関係」へ繋がる
‘たかがコミュニケーション、されどコミュニケーション’で、コミュニケーションは重要です。
いろいろな考えは有るでしょうが、真の信頼できる関係を築くのに一番大事なことは「遠慮の無いオープンな会話」ではないでしょうか。
どんな些細で、つまらなそうなことでも遠慮なく聞く、また聞ける習慣が、その後、技術者同志、深いことについても語ることのできる土台となります。
見た目が怖そうで、とっつきにくそうな人に限って、とても優しくて実は話好き、というのはよくあることです。
技術者として危機意識をもつ
会社にも人にも危機意識を持って、継続的な改善活動を行うことは重要です。
後輩は、技術者として自分に必要な知識や経験を、一つ一つ獲得していかなければなりませんし、先輩は、自分の弱い部分を、強化していかなければなりません。
筆者が経験した良い事例として、新規に入手した技術資料を先輩と後輩が一緒に読み込みを行う(パートを分担して勉強をして、説明し合う)というやり方も有りました。(ここでも他者に分かりやすく説明する力もつきます)
ということで、先輩技術者に質問するということは、互いの成長に役立ち、遠慮なく話のできる関係を築くうえで重要と理解して、怖れなく質問をしましょう。
(アイアール技術者教育研究所 H・N)