新QC七つ道具の基本⑤ アロー・ダイアグラム法とは?

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新QC七つ道具とは?

品質管理の技法である「新QC七つ道具」は意思決定ツールとしても有効であり、製造業以外でも幅広く活用することが出来ます。

「QC七つ道具」が主に数値データを扱う定量的手法であるのに対して、「新QC七つ道具」は言語データを整理して扱う定性的手法です。

新QC七つ道具は、以下の7つの技法からなります。

  • 親和図法
  • 連関図法
  • 系統図法
  • マトリックス図法
  • アロー・ダイヤグラム
  • PDPC法
  • マトリックス・データ解析法

一つずつみていきましょう。

このページでは、アロー・ダイアグラム法について紹介します。
 

アロー・ダイアグラム法とは?

アロー・ダイアグラム法は、“同時進行する工程管理に便利”なツールです。

工程管理の手法としてよく用いられるのが、「ガントチャート」で、縦に工程名を並べ、横に各工程の開始日と終了日を線または棒で表したグラフ(バーチャート)です。

ガントチャートはシンプルなので、工程の全体像を把握し、各工程の作業指示に利用するのには便利です。
しかし、各工程の相互関係については把握しづらく、一部の工程の変更や遅れが全体工程にどう影響するのかを、定量的に判断することができないという短所があります。
 

ガントチャートの短所も補える!

アロー・ダイアグラムは、各工程の関係が明確に把握することができ工程分析が可能となるという点で、ガントチャートの短所を補う手法であると言えます。
プロジェクトを複数の部門で分担するときなど、複雑な工程・納期の管理に使うと便利です。1950年代に米国でプロジェクト計画と管理のために開発されたPERT(Program Evaluation Review Technique)という手法で用いられます。
ある工程と、その工程が要する日数とを矢印を用いて表すことからこの名がつけられました。
 

結合点、矢印の表し方とダミー

矢の始点と終点は〇で結び、〇内には工程順に数字を記入します。この丸数字を「結合点」といいます。

同時並行で複数工程が進行することが多くあります。その場合、結合点から同時並行する工程は1本ずつ矢を分岐して表します。その中のある工程の成果物が、並行進行した別の工程成果物へ合流するときは、作業を伴う実工程ではなく受け渡しですので、その工程の終点結合点から合流する工程の終点結合点へ向かう矢を実線ではなく破線で表します。これを「ダミー」といいます。

アロー・ダイアグラムの例を図に示します。
アロー・ダイヤグラム
アロー・ダイアグラムを活用すると、工程に要する日程の問題点を把握して工程管理の重要なポイントである「クリティカルパス」(日程を遅らせてはいけない工程)を洗い出し、管理を容易にしたり、工程の最短日数を検討したりすることができます。

便利なアロー・ダイアグラム法を活用して、より効果的な工程管理に役立ててください。

 
(アイアール技術者教育研究所 S・Y)
 


関連コラム:「新QC7つ道具の基本」シリーズ

 

新QC7つ道具に関するEラーニングはこちら
 

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