- 《大好評》LTspice設計実務シリーズ
LTspiceで学ぶ電子部品の基本特性とSPICEの使いこなし(セミナー)
2024/12/5(木)10:00~16:00
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製造業の3要素QCD(品質、コスト、納期)。
QとCはトレードオフの関係にあるともいわれていますが設計者としては、Cを下げるためにQがおろそかになることは避けなければいけません。
Qを維持しつつCを抑えるためにはどうすればよいか、1円でも安く作るためにはどうすればよいのか思考を停止せずに地道な努力を積み重ねることが重要です。コストダウンに王道はありません。
一つの方策として標準化による設計合理化を図ることで、加工量の節約、購入費の削減、などコストダウンにつながることが期待できます。
受注生産品で多く見られるのが、実績製番から寸法を若干変えることで顧客仕様に合わせた性能を発揮するようにする流用設計です。この場合、流用設計の結果として好き勝手に寸法を変えるのではなく、標準数の考え方を極力適用するべきです。
標準数列は、等差数列ではなく、等比数列となっているので寸法を決める際の合理性があり、バリエーションをいたずらに増やすことなく多様な顧客仕様に対応することが可能となります。
標準数を適用することで製作に必要となる治工具の種類、あるいは試験装置なども種類を限定することが可能となり、コストダウンにつながります。
標準数の考え方と使用方法は 「JIS Z 8601標準数」に説明があります。
標準数の使用方法概要(JIS Z 8601より)
コストを適正に抑えて製品作りするためのポイントの一つに市販部品の使用があります。標準的市販品は廉価で購入が可能です。
特に、ネジ部品(ボルト・ナット)、シール部品(Oリング)などは、市販標準部品を適用することを心掛けましょう。
ネジは特殊なサイズの場合、ネジ模範から作らねばならずコストアップと長納期化につながります。
Oリングは特殊サイズの場合、型から起こさねばならずコストアップと長納期化につながります。
フレームやベースなど構造部材は、市販の鋼板(幅、厚さ)を出来る限り加工せずに、定尺物をそのまま使用するように市販鋼板の寸法表から選択して設計すると加工費を削減することができます。
JIS規格に定める機械要素部品の寸法は、標準数列から選定されています。
次回コラムでは、CAD全盛の時代における「手書き」による製図スキル習得の重要性について考えてみたいと思います。
(アイアール技術者教育研究所 S・Y)