3分でわかる技術の超キホン イメージセンサーのサイズを比較して整理!種類と用途、画質との関係は?

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イメージセンサーのサイズを解説

別コラム「イメージセンサとは?CCDとCMOSの違いは?」でイメージセンサーの素子構造や動作原理などの基本知識を解説しました。
今回のコラムでは、イメージセンサーのサイズの種類とそれぞれの用途、サイズと画質の関係などを中心に整理し、スマートフォンへの利用についても説明したいと思います。

なお、イメージセンサー自体は、例えば一眼レフカメラの交換レンズを取り外したときに、カメラ本体を覗くと大きく見えます。スマートフォンではレンズと一体型になっているので見ることは困難です。

1.イメージセンサーのサイズ比較

現在スマートフォンを含むデジタルカメラに使用されているイメージセンサーのサイズとして、主に以下のような種類があります。

イメージセンサーのサイズ比較

以下、各イメージセンサのサイズについて説明します。
 

① 大判サイズ

フルサイズを超える大判サイズは、ミラーレスカメラなどの市場でさらに高精細な100億画素の開発により市場に出てきました。

カメラとしては高精細で高価なため、商業用写真として高い解像度が求められる用途に使用されます。
 

② フルサイズ

サイズが35mmフィルムと同じため、ハイエンドの一眼レフやミラーレスカメラに採用されています。
このイメージセンサーを採用したカメラでは、35mmフィルムカメラと同様な画角やボケなどが同一となり、デジタルカメラへの移行がスムーズになりました。

しかし、まだ高価なためプロフェッショナル向けの用途で主に使用されています。
 

③ APS-Cサイズ

フィルムカートリッジタイプのAPS(Advanced Photo System)-Cタイプフォーマットにサイズが近いため、名称が同じものが使用されています。
メーカーによりサイズが若干異なり又名称が異なる場合もあります。(主にキヤノンなどが22.3×14.9mmを、ニコンなどが23.6×15.8mmを採用しています。)
フルサイズよりサイズが小さい分、画像範囲の画角が狭くなります。

フルサイズに比べ小さいため、レンズやカメラの小型が可能になり、廉価を実現できます。
普及用の一眼レフ、ミラーレスなどの用途に使用されています。
 

④ フォーサーズサイズ

レンズ交換式のデジタルカメラの規格として策定されました。

オリンパスやパナソニックの一眼レフカメラに使用されており、4/3サイズのためこのように言われており、この規格をミラーレスカメラに最適化したものは「マイクロフォーサーズ」(Micro Four Thirds System)とも呼ばれます。
 

⑤ 1サイズ

ハイエンドのコンパクトデジタルカメラやミラーレスカメラに採用されています。
キヤノン、ソニー、パナソニックなどの製品があります。

フルサイズやAPS-Cと比較してサイズが小さいため、画質などでボケ等の大きな効果は期待できませんが、逆に背景を生かす画像にメリットがあります。
 

⑥ 1/1.7サイズ

当初はハイエンドのコンパクトデジタルカメラに採用されていましたが、現在では普及版のカメラに採用されています。
このサイズのセンサーは、画素数よりもピクセルの大きさを確保するタイプが多く、画質に余裕を持たせています。オリンパスやカシオなどから製品が出されています。
 

⑦ 1/2.3サイズ

このサイズは、スマートフォンやコンパクトデジタルカメラの両方で採用されているため、イメージセンサー市場において一番広いのではないかと思いまわれます。

画素数は1000万~2000万程度が主に市場に出ています。
センサーメーカーとしてもデジタルカメラとスマートフォン市場で厳しい競争が強いられています。
カメラでは、キヤノン、ソニー、パナソニックなどから製品が出ています。
 

2.イメージセンサーのサイズと画質の関係は?

ここでサイズと画質の関係についてお話ししたいと思います。

一般的にサイズが大きいほど画質が良く、小さいほど画質の向上が難しくなると言われます。

その理由としては、イメージセンサーが取り込む光量が大きく関係します。
サイズが大きい場合光を多く取り込むことができますが、サイズが小さい場合同じ画素数でも、面積比でピクセル当たりの光量が少なくなります。
これは、明るい昼の場合等では顕著な違いは出ませんが、夜間など光が乏しくなると明らかに違いが出てきます。サイズの小さいイメージセンサーでは、ノイズまで増幅され目立つ画像となります。また、ダイナミックレンジでも差が出ます。大きいサイズの方が階調特性が優位となります。
 

3.スマートフォンのカメラ画質改善対策

スマートフォンでは携帯性を重視するため、大きなサイズのイメージセンサーにを用いることはできません。
だから画質面で大きく劣るかというと、必ずしもそうとは言えません。
その理由として、以下のような画質改善対策をしていることが大きいと考えられます。

① 画素数をむやみに増やさない

一般的に1/2.3サイズやこの大きさに近いものがスマートフォンに利用されていますが、1200万画素程度でコンパクトデジタルカメラ並みの品質を確保できます。
画角が広がるために対象物の大きさが小さくなりますが、その分1ピクセル当たりの光を確保することで画質を向上させています。動画撮影にも十分品質を確保できます。
 

② 裏面照射型CMOSセンサーの採用

CMOSイメージセンサーは構造が複雑であり、フォトダイオードに十分な光を吸収することができないという欠点があります。
ソニーなどのメーカーはその解決策として、製造プロセスの途中で裏面にすることでフォトダイオード側に光が当たる構造を開発しました。
この裏面照射型が小さいサイズのイメージセンサーに採用されていることも一つの理由です。
 

③ 多眼化で実現

従来のスマートフォンは、前面と背面にそれぞれカメラを設けたタイプが主流でしたが、現在では背面のカメラを多眼化したものも販売されています。
標準、広角、望遠というように用途によりそれぞれのイメージセンサーを搭載して多眼化を実現しています。
このように多様なユーザーニーズに対応していることも一因ではないかと思います。

 

4.今後の技術進化の方向性は?

ということで今回は、イメージセンサーの「サイズ」を切り口に説明しました。

スマートフォンではさらに大きなサイズのイメージセンサーの搭載や、これに伴う画素数の増加なども引き続き図られると思いますが、価格やサイズによる制約があります。

そこで、このサイズ拡張手段以外の進化系がさらに登場すると予想されます。
例えば、プロセッサの高性能化によるソフトウェアによる高画質化処理などが進んでいくものと思われます。
 

(日本アイアール株式会社 特許調査部 T・T)


☆イメージセンサ技術に関する特許調査・技術情報調査は日本アイアールまでお問い合わせください。


 

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