【資料・ツール解説】4M変更申請書のテンプレートと記入例

製造現場では、材料・設備・作業方法などの変更が発生します。これらの変更を適切に管理しなければ、品質不良や認識齟齬、後工程トラブルにつながるおそれがあります。
「4M変更申請書」は、変更内容と影響を事前に整理し、社内や顧客の承認を得たうえで変更を実施するための正式な管理文書です。本記事では、提出用として一般的に求められる水準を前提に、フォーマット構成と記入ポイントを解説します。
4M変更申請書とは
「4M」とは、製造品質に影響する4要素(Man:人/Machine:機械/Material:材料/Method:方法)を指します。いずれかに変更が生じる場合、変更内容と影響を整理し、関係部門および提出先の承認を得るために用いるのが「4M変更申請書」です。
本書式は、変更内容を明確に記録し、品質・工程への影響を事前評価したうえで、品質保証部門などの承認を得ることを目的として使用します。
ISOとの関係
ISO 9001:2015でも、変更の管理、必要な妥当性確認、記録の保持が求められます。
4M変更申請書は、変更管理(8.5.6)や文書化した情報(7.5)に対応する記録となり、内部監査・外部審査における説明根拠として有効です。
4M変更申請書のフォーマットサンプル(記載例)
【※当サイトでダウンロードができる、4M変更申請書(EXCEL形式のテンプレート)と記入事項の文例】
各記入項目の解説
- 品名・品番・仕様番号:
対象を一意に特定できる情報を記載します。仕様番号や図番を併記すると、確認がスムーズです。 - 変更区分(Man / Machine / Material / Method):
変更内容が4Mのどれに該当するかを明確にします。複数に関係する場合は、主となる区分を示し、補足説明を加えましょう。 - 変更前の内容:
現行の状態を具体的に記載します。
※記載例: 材料名・メーカー、設備型式/工程条件、作業方法の概要など。
「従来通り」「現行品」といった表現は避け、文書だけで現状が再現できる粒度を意識します。 - 変更後の内容:
変更後の状態を、変更前と対比できる形で記載します。どこが、どのように変わるのかが一読で分かることが重要です。 - 変更理由・目的:
変更の背景と目的を簡潔に記載します。
※記載例: 安定供給の確保、調達リスクの低減、作業性・安全性の向上。 - 影響範囲および影響評価:
影響範囲・影響評価では、次の観点で影響の有無を整理します。
※記載例: 品質特性(寸法・性能・外観)、工程条件・検査方法、仕様・要求事項。
「影響なし」とする場合でも、判断に至った根拠(試験結果・過去実績・同等性資料など)と、工程/ロット/特性の確認範囲を明記しましょう。また、材料変更では最終製品の性能だけでなく、受入検査基準、加工条件、測定治具、取り扱い手順などへ波及する可能性があります。副次的な影響も含め、どこまで確認したかを具体的に記載することがポイントです。 - 評価/検証内容:
事前に行った評価・検証内容(試作ロット数、評価項目、評価結果など)を記載します。詳細は添付資料にまとめ、申請書では要点を示します。 - 変更後の管理・フォロー:
変更後の品質を安定させるための管理方法を記載します。
※記載例 :初回全数検査、一定期間の重点管理、異常時対応。
変更は「実施して終わり」ではなく、実施後の管理まで含めて完結します。 - 承認欄:
申請部署、品質部門、提出先(顧客)承認欄などを設け、誰が・いつ・どの立場で承認したかが分かる形式にします。承認前に変更を実施すると、説明責任・トレーサビリティの観点で大きなリスクです。変更実施日までのスケジュール管理を徹底し、承認取得後に変更を実施しましょう。
ぜひ4M変更申請書を活用して、より良い現場づくりに役立ててください。
(アイアール技術者教育研究所 K・A)
※当研究所が提供している資料や各種フォーマット等につきましては「資料ダウンロードページ」をご参照ください。




































