環境技術

“RoHS指令”の基礎知識・初心者向け要点解説(規制物質・対象製品など)

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RpHS規制の基礎知識

RoHSとは?

RoHSは「ローズ」と読み、EUにおける規制で、”Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment” の略称です。

“Restriction”=「制限」、”the use of certain Hazardous Substances”=「特定有害物質の使用」、”electrical and electronic equipment”=「電気電子機器」という意味なので、まとめると「電気電子機器における特定有害物質の使用制限」となります。

現在施行されているRoHS指令は2011年に公布された改正RoHS指令で、規制物質が10種類まで追加され「RoHS2」とも呼ばれます。

RoHS2に対応できた対象販売製品には、CEマーキングという安全マークの貼付が義務づけられました。
 

CEマーキング
【CEマーキング】

 

RoHSの目的は?

電気電子機器の生産から廃棄に至る一連の製品ライフサイクルの中で、人の健康や地球環境への負荷を最低限に抑えることを目的としています。

 

RoHS指令の規制物質は?

1.鉛(なまり、Pb)

鉛は食物にもごく微量が含まれており、日常的に摂取されています。鉛の恐ろしさはその蓄積性にあります。
排泄を上回る鉛を長期間摂取すると体内に蓄積されて、様々な疾病を引き起こすことが知られています。

2.水銀(Hg)

常温、常圧で凝固しない唯一の金属元素です。
液体の金属水銀は弱い毒性を持つにとどまりますが、水銀蒸気や塩、有機水銀化合物の毒性は高く、摂取・吸入・摂食すると、脳や肝臓に障害を与えるとされています。

3.カドミウム(Cd)

カドミウムは人体にとって有害(腎臓機能に障害が生じ、それにより骨が侵される)で、日本ではカドミウムによる環境汚染により、富山県の神通川流域で発生したイタイイタイ病が有名です。

4.六価クロム(Cr6+)

クロムの単体と三価クロムは人体には無害です。一方、六価クロムは極めて強い毒性を持っています。
皮膚や粘膜に付着した状態を放置すると、皮膚炎や腫瘍の原因になります。
汚染された井戸水を飲むと、嘔吐を引き起こします。
特徴的な上気道炎の症状として、クロム酸工場の労働者に鼻中隔穿孔が多発したことが知られています。

5.ポリ臭化ビフェニル(PBB)

難燃剤として樹脂に添加して用いられることがある物質です。
健康に対する影響の幅は広く、皮膚や肝機能、甲状腺、生殖器などにまたがる他、精神疾患や発がん性、ポルフィリン代謝異常などが報告されています。

6.ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)

PBBと同様、難燃剤として樹脂に添加して用いられることがある物質です。
PBBと比べ毒性は低いものの、蓄積性があるのでが問題視されています。

7.フタル酸ビス(DEHP)

8.フタル酸ジブチル(DBP)

9.フタル酸ブチルベンジル(BBP)

10.フタル酸ジイソブチル(DIBP)

7~10のフタル酸エステル類は、可塑剤として塩化ビニル樹脂等を柔らかくするのに用いられる物質です。
生体にホルモン作用を起こす疑いがあります。

 

RoHSの対象製品は?

簡単に言うと、ほとんどすべての電気・電子製品が対象となります。

具体的には、以下の11項目が対象製品のカテゴリになっています。

  1. 大型家庭用電気製品(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなど)
  2. 小型家庭用電気製品(電気掃除機、アイロン、トースターなど)
  3. ITおよび遠隔通信機器(パソコン、フリンター、複写機など)
  4. 民生用機器(ラジオ、テレビ、楽器など)
  5. 照明装置(家庭用以外の蛍光灯など)
  6. 電動工具(旋盤、フライス盤、ボール盤など)
  7. 玩具、レジャーおよびスポーツ機器(ビデオゲーム機、カーレーシングセットなど)
  8. 医療用デバイス(放射線療法機器、心電図測定機、透析機器など)
  9. 監視および制御機器(煙感知器、測定機器、サーモスタットなど)
  10. 自動販売機類(飲用缶販売機、貨幣用自動ディスペンサーなど)
  11. 上記カテゴリに入らないその他の電気電子機器

 

各国の環境保護規制と注意点

RoHS指令に従わない製品はEU内で販売することはできないことはもちろんですが、EUのRoHS指令は多くの国で実施されている環境保護規制の1つに過ぎません。

日本では、J-Mossという電機電子機器に含有される化学物質の表示に関するJIS規格「JIS C 0950改定版」と「J-Mossグリーンマーク・ガイドライン」があります。
中国、アメリカ(カリフォルニア州)、韓国、タイ、トルコ、インド、ベトナム等の世界各国においてもRoHS類似の環境規制があります。

各国へ製品を輸出する際には、各国内法を順守しないと罰則を受けることになり、企業ブランド・イメージも傷つくことになります。

また、各国から輸入品を受け入れる際にも、環境規制が守られているかを確認する必要があります。

 
(日本アイアール株式会社 特許調査部 Y・X)
 

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