【QC検定3級対策】プロセスの品質保証とは?作業手順書とQC工程表、検査の種類・方法などを整理

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プロセスの品質保証

QC検定は、JSA日本規格協会グループが主催する品質管理の知識を問う筆記試験です。
内容は品質管理とは何か?から始まり、改善活動の基礎知識、統計的なプロセス管理など多岐にわたります。
受験者数は年々増加しており、毎年の受験者数が10万人を超える製造業ではメジャーな試験です。
[※関連記事:【技術系資格ナビ】QC検定(1〜4級の難易度/合格率/勉強方法/メリット)はこちら]

この連載では、各級の頻出範囲について例題を交えて解説を行います。この連載を通じて、QC検定の受験準備をしてみましょう。

3級の試験範囲は日本規格協会のHP(品質管理検定レベル表)をご確認ください。

【3級解説:第12回】プロセスの品質保証

今回は3級の試験範囲(実践分野)から「プロセスの品質保証」を解説します。
前回の「方針管理と日常管理の違いは?」で解説した「日常管理」の具体的な方法論になりますので、関連付けて覚えるとよいでしょう。

 

(1)プロセスの品質保証とは?

プロセス」とは直訳すると「工程」のことで一般には製造の工程を指します。
しかし品質マネジメントシステムの分野では、プロセスとは製造以外の意味も含んでおり、あらゆるインプットをアウトプットに変換する活動を指します。

下記にプロセスの例を示します。

プロセスの品質保証とは

プロセスの品質保証とは完成した製品だけで議論するのではなく、プロセスの中すなわち製造中にも品質保証を行う活動です。

 

(2)プロセス保証に必須となる文書

① 作業手順書

プロセス保証を行うには、いつ誰が作業しても同じ結果が得られるよう毎回決められた手順で作業をする必要があります。
決められた手順でするためには作業のやり方を記載した作業手順書が必要です。作業手順書は作業要領書作業基準書作業マニュアルなど様々な呼び方があります。

作業手順書には、作業の目的や作業の使用材料・設備・作業環境、方法、作業結果の確認方法を示した文書を記載します。文書は分かりやすく作成し、実際に作業しているイラストや写真を入れるといいでしょう。

また文書を作成しただけではその通りの作業が実施されるとは限りませんので教育訓練が必要です。

 

② QC工程表

1つのプロセスの中にも色々作業がありますが、どの作業をどのような基準で管理しなければならないのかを俯瞰するためにQC工程表が用いられます。
「QC工程表」とは、フローチャート、工程名、管理項目、管理水準、測定方法、使用機器、異常時の処置方法などの情報をまとめたものです。

※関連コラム: QC工程表の詳しい解説は 【資料・ツール解説】QC工程表の作成方法と使い方 のページをご参照ください。

 

(3)検査とは?

検査」とは製品やサービスが決められている要求事項を満たしているかどうか試験することです。
検査と一言で言っても様々な種類がありますので1つずつ解説します。

 

検査の種類

  • 受入検査:使用する材料などに対し、使用してよいかを判定するための検査です。
  • 工程検査:中間検査ともいいます。工場内において途中の製品を次工程に送っていいかを判定するための試験です。
  • 出荷検査:最終検査ともいいます。完成した製品が要求事項を満たしているか?出荷してよいか?を検査します。

 

検査の方法

  • 全数検査:製品またはサービスの全てのアイテムに対して行う検査です。
  • 無試験検査:品質情報や技術情報などの関連の情報をもとに実物での検査を省略することです。
  • 間接検査:受入検査などで材料メーカーなどの供給者側の試験結果をもとに購入者側が検査を省略することです。
  • 抜き取り検査:全数検査と違い、ロットからあらかじめ決められた抜き取り方法に従ってサンプルを抜き取って試験する方法です。試験結果からロット全体の合否を判定します。製品が破壊されるような検査が必要な場合に用いられます。
  • 官能検査:人間の感覚(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚など)を用いて品質を検査する方法です。官能検査は人間の感覚に頼った検査なので、検査精度を維持するために下記のポイントに注意しましょう。
    • 合否の判定基準となる限度見本を用意する。合格限度と不合格限度の両方を定めておくのが望ましい。
    • 検査環境に大いに影響を受けるため、あらかじめ検査環境を整備して定めておく。例えば目視での外観表面の傷の検査では、照明の色や照度、サンプルの角度などを決めておく。
    • 検査者の教育を継続的に行うとともに、力量評価を定期的に実施することが必要です。

 

(4)計測管理

上記の通り、官能検査は検査精度の維持が難しいため、計測での検査が基本になります。
計測での検査には、計測機器が適正な状態に維持・管理されているかどうかを確かめる計測管理」が重要です。日々の校正や、基準器での定期的なチェック、第三者機関での校正について手順をあらかじめ決めておきましょう。

 

(5)工程異常とは?

最後にプロセスで異常が発生した場合について解説します。

工程異常」とは、工程が管理状態にないことです。QC工程表などであらかじめ決められている管理水準によってどこからが工程異常となるのか定義は様々ですが、工程検査で不合格になる、管理値から外れている場合などを指します。

工程異常が発生した際は、①発生状況を把握し、②応急処置③原因調査を行い、調査結果から④再発防止処置とその効果の確認を行い、⑤手順書などの見直しをします。最後に⑥水平展開で他工程へも情報共有を行いましょう。
 

 
それでは例題にチャレンジしてみましょう。

 

《例題》

プロセス保証に関する次の文書について、正しいものには〇を、正しくないものは×を記せ。

(1) プロセス保証とは出荷前の製品検査を必ず行い不良品を出さないようにする品質保証のことである。

(2) 工程異常は工程内で起きた異常で顧客に流出していないので、原因追及や再発防止は不要である。

(3) 抜き取り検査とはその日の生産量に応じて、上長と相談して抜き取り数を決定しながら検査を行う検査である。

(4) 作業手順書は、誰でも同じ作業ができるように絵や写真を使って分かりやすく書くようにする。

(5) 必ず全ての製品を検査しなければ、そのロット全体が合格か不合格かは判定できない。

(6) 官能検査は人が行う検査で安心なので、継続的な力量評価などは不要である。

(7) プロセス保証には、工程で管理するべき品質項目が網羅できるようなQC工程表が有用である。

(8) プロセス保証とは、製造工程で品質を保証するように管理していくことであり、事務作業や検査工程の作業のことは言わない。

(9) 計測機器は基準器などで正しい値が表示されているか定期的に管理する計測管理が重要である。

(10) 材料の受入検査において、自社で検査を行わずに供給者からの検査結果をもとに材料の受け入れ合否を判定することを無試験検査という。

 
《例題》[解答と解説]

解答と解説はここをクリック

[解答]

(1)× (2)× (3)× (4)〇 (5)× (6)× (7)〇 (8)× (9)〇 (10)×

 
[解説]

(1) プロセス保証とは工程内で品質保証を行う事なので、正解は×である。

(2) 工程異常でも重大な事故に発展する可能性があるので、原因調査や再発防止は行うべきなので、正解は×である。

(3) 抜き取り検査の抜き取り数はあらかじめ決めておく必要があるので、正解は×である。

(4) 問題文の通り。

(5) 破壊試験などが必要な場合は、抜き取り検査でロットの合否を判定することもあるので、正解は×である。

(6) 官能検査は人が行う検査なので継続的な力量評価が必要なため、正解は×である。

(7) 問題文の通り。

(8) プロセス保証とは、インプットからアウトプットに変換する全ての工程を指すので、正解は×である

(9) 問題文の通り。

(10) 無試験検査とは品質情報や技術情報から試験をせずに合否を判定する検査である。一方、自社で検査を行わずに供給者からの検査結果をもとに材料の受け入れ合否を判定する検査は間接検査という。したがって正解は×である

 

まとめ

今回は実践分野から「プロセスの品質保証」について解説しました。
製造業にお勤めの方には馴染み深い用語もあったと思います。普段の業務との関連付けながら覚えていきましょう。

次回は「新製品の品質保証」について解説します。

 
(アイアール技術者教育研究所 A・K)

 

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