【QC検定3級対策】基本統計量|頻出8種類の計算問題をまとめてチェック!
QC検定は、JSA日本規格協会グループが主催する品質管理の知識を問う筆記試験です。
内容は品質管理とは何か?から始まり、改善活動の基礎知識、統計的なプロセス管理など多岐にわたります。
受験者数は年々増加しており、毎年の受験者数が10万人を超える製造業ではメジャーな試験です。
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この連載では、各級の頻出範囲について例題を交えて解説を行います。この連載を通じて、QC検定の受験準備をしてみましょう。
3級の試験範囲は日本規格協会のHP(品質管理検定レベル表)をご確認ください。
【3級解説:第2回】基本統計量
今回は3級の試験範囲(手法分野)から「基本統計量」に関して解説します。
「基本統計量」とはデータ分布の特徴を示す値です。
QC検定3級では下表の8種類の統計量の計算問題が出題されます。
それぞれの用語の意味を理解するとともに、公式をしっかりと覚えるようにしましょう。
- 平均値: データ全体の中心的な値です。全データの合計をデータの個数で割って求めます。
- メディアン(中央値): データ全体の中央の値です。データ数が奇数の場合はデータを順番に並べた時の中央の値、データ数が偶数の場合はデータを順番に並べた時の中央の2つのデータの平均値で求めます。
- モード(最頻値): データの中で最も多くあらわれる値です。
- 範囲: 最大値から最小値を引いて求めます。
- 平方和: 個々のデータと平均値の差の2乗の合計を平方和といいます。個々のデータが平均値とどれだけ違うかを合計した値です。
- 不偏分散: 不偏分散は平方和をデータ数から1引いた値で割って求めます。一般的に母分散の推定値として使われますが、こちらは2級の試験範囲になります。また標本分散とも呼ばれますが同じ意味です。
- 標準偏差: 不偏分散の平方根を標準偏差といい、データのばらつきを示す値になります。工程能力Cpkを計算する際に使用します。
- 変動係数: 標準偏差と平均値の比を変動計数といいます。
それでは最後に例題で意味を再確認してみましょう。
例題
次(1)~(9)に入る数値を求めましょう。
[1]
1袋100g入りの製品の重量を測定し次の10個のデータが得られた。
平均値は(1)、メディアンは(2)である。
102.3、103.5、99.8、100.7、98.3、102.5、104.2、98.5、97.9、101.3
[2]
データ数9で平方和が42であった。不偏分散は(3)、標準偏差は(4)である。
[3]
あるプラスチック製品を5個サンプリングし、その製品の引裂破壊応力を測定した。(単位は省略)。
52、55、52、51、54
このデータの平均は(5)、モードは(6)、平方和は(7)、不偏分散は(8)、標準偏差は(9)である。
[解答と解説]
まとめ
今回はデータ管理の基礎となる基本統計量について解説しました。
QC検定では統計に関する問題も多く出題されますので、しっかりと身につけましょう。
次回は引き続きQC検定3級の内容で「QC7つ道具」について解説します。
(アイアール技術者教育研究所 A・K)