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プロドラッグの例をご紹介している連載コラム。今回は「抗インフルエンザ薬」のプロドラッグです。
バロキサビル マルボキシルは、体内で小腸、血液、肝臓中のエステラーゼによって速やかに加水分解され活性体(Active form of baloxavir marboxil)に変換され、キャップ依存性エンドヌクレアーゼの活性を選択的に阻害、その結果、ウイルスのmRNA合成を阻害することでインフルエンザウイルスの増殖を抑制します。
オセルタミビルは、そのままでは経口投与では吸収されないため、エステル体としたカルボン酸エステルとして開発されました。
カルボン酸エステルは、小腸では加水分解を受けずプロドラッグとして肝臓に取り込まれ、CES による肝臓初回代謝(カルボキシルエステラーゼ1(CES1)による加水分解)によって生成した活性体がインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを阻害することによって薬理効果を示すとされています。
オクタン酸ラニナミビルは疎水性のオクタン酸エステルとなっています。
作用部位の肺に粉末吸入剤として直接投与することによって肺細胞に移行したプロドラッグは、シアル酸エステル分解酵素によってラニナミビルに加水分解され、肺で薬理効果を発揮します。
この化合物は罹患後1回の投与のみで十分な薬効が得られますが、疎水性による肺への取り込みや、滞留性の増大、活性体への緩やかな変換、さらに活性体の細胞内lock in現象など様々な要因によって、肺に長時間滞留するものと予想されています。
なお、オクタン酸ラニナミビルは、3-アシル体と2-アシル体の混合物となっています。3-アシル体のみを表記しております。
(日本アイアール株式会社 特許調査部 S・T)
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