そうだったんだ技術者用語 PSとkW、そしてSI単位(出力・馬力と単位)

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自動車の馬力と単位

日本でよく使われる車の出力(馬力)の単位”PS“は、ドイツ語”Pferdestärke“(馬の力)から来ています。
また、この単位を”HP“とも呼ぶのは、そのまま英語にして”Horse Power”でHPとしたものです。

しかし、正式な技術資料などで用いなければならない国際単位SI単位、International System of Units)では、”kW“(キロワット、1kW=1.3596PS)を用います。

使い慣れたPS単位と、正式なkW単位を並記してあるケースもよくあります。

PSのように、使い慣れたという理由で(数字の感覚が狂うから)、SI単位が広まっていかないケースが有ります。
例えば、長さの単位のヤードやマイルは、SI単位ではメートルですが、「大谷投手が100マイル(100 mile/hr)の球を投げた」という方が「160キロ(km/hr)の球を投げた」というよりも、アメリカ人的にはピンとくるのでしょうね。

 

barとPa(バールとパスカル)

年齢によっては、最初から(物心ついた時から)そうだったという人もいるかもしれませんが、テレビで台風の中心気圧を説明する場合、SI単位が導入されてからは、それまで例えば、「985mbar(ミリバール)」と言っていたものを985hPa(ヘクトパスカル)と言うようになりました。切り替わったばかりのころは、ヘクトパスカルと言われると、迫力が無いように感じました。
それはさておき、SI単位の圧力は、barではなくPaなので、2000bar(バール)は200MPa(メガパスカル)なのですが、プレゼンテーション資料などでは、今だにbarを使用しているものが見受けられます。
業界用単位のようになってしまったのでしょうか。

 

Prefix symbol(接頭辞)

H(ヘクト)、m(ミリ)など基本単位の前に付けるものを、”Prefix symbol”(接頭辞)と呼びます。
大きい方では”T”(テラ、10の12乗倍)とか、小さい方では、”p”(ピコ、10の18乗分の一)など、聞いたことがあると思います。
ちなみに、一番大きいPrefix symbolは”Y”(ヨタ[yotta]、10の24乗倍)で、小さいのは、”y” (ヨクト[yocto],10の24乗分の一)です。
ちなみに自動車用のセンサーで、リーク電流との比例関係で検出するという原理を用いているものがあり、このセンサで使われている電流の単位は、fA(フェムトアンペア、10の15乗分の一アンペア)です。

 

技術者は「正しい単位」で記載したかを必ずチェックすべし!

ノウハウがあるということで、グラフの軸の単位をノンスケールとすることはあります。
しかしそのような場合以外、プレゼンテーション資料や報告書などで単位が抜けてないか、正しい単位となっているかは必ず確認しましょう。
自動変換などで、mがMなどになってしまったりすると、ミリがメガになってしまいます。
見る人は間違いだと分かりますが、苦笑の素になります。
 
 

えっ!タウリン1000ml配合?(余談)

ある売店で、「リポビタンD」の手書き広告が有ったのですが、「一本にタウリン1000ml 配合!!」となっていました。
リポビタンDは一本100mlなのに…。「1000’mg’」が「1000’ml’」になってしまったんですね。
 
(アイアール技術者教育研究所 H・N)

 

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