【資料・ツール解説】内部監査報告書のひな形と記載例
このページでは、当サイトから無料でダウンロードして使える内部監査報告書のひな形(フォーマット)と、その書き方(記入例)をご紹介します。
内部監査とは、社内で「内部監査員」を認定し、他部門の活動が適正に行われているかを確認する作業です。監査の中で、不適合(適正な活動が行われていない、あるいは適正な活動が行えるルールになっていない)が発見された場合、監査対応部署は是正処置を行わなければなりません。
※内部監査の基本については「内部監査とは?目的、進め方、質問例、効果的な監査を行うポイントを解説」をご参照ください。
内部監査報告書フォーマットのサンプル(記載例)
【※当サイトでダウンロードができる、内部監査報告書(EXCEL形式のテンプレート)と記入事項の文例】
監査前の記入事項について
監査の実施に先立ち、監査員は事前情報を記入し、監査対象部署に提出する必要があります。
具体的な記入事項としては、監査対象部署(監査を受ける部署)、監査目的、監査日時、監査員、フォーカスポイントなどがあります。
監査目的には、定期監査なのか臨時監査なのかを記入します。「定期監査」とは、社内の内部監査規程などで決めてある内部監査頻度にそって定期的に行う内部監査です。一方「臨時監査」とは、品質事故の発生後など、緊急で監査を行う必要があった際に行う内部監査です。
フォーカスポイントには、予め内部監査の際に重点的に監査したいと考えている事項を記入します。
フォーカスポイントの例としては、以下のような内容が挙げられます。
- 前年度に発生したクレームの是正処置が継続的に行われているか
- 他部署であった品質問題の水平展開が行われているか
- 前年度の監査で指摘された事項の是正処置が継続的に行われているか
- 監査員が日頃から感じている監査対象部署のウィークポイント
監査の時間だけで多くの内容を確認するのは難しいため、予めフォーカスポイントを連絡したほうが効果的な内部監査が行えます。
監査員は、これらの事前情報を記入した内部監査報告書を監査対象部署に送付します。
監査対応部署は、受け取った監査報告書をもとに監査までに事前準備を行います。
監査後の記入事項について
内部監査報告書の監査結果欄
内部監査員は、監査終了後速やかに監査結果の監査員記入欄に結果を記入し、監査対象部署に送付します。
結果区分には、自社の内部監査規程などで決められた結果区分を記載します。重大な不適合(メジャー)、軽微な不適合(マイナー)、改善の機会(OFI Opportunity for Improvementの略)の3区分が一般的です。
改善の機会は、是正処置を実施する必要がありませんので、あらかじめ斜線を引いておきます。
ISO9001の認証を取得している企業であれば、監査報告書に規格事項の記載欄があることが多いです。規格要求事項番号には、該当するISOの規格要求事項の番号を記載します。なぜその事実が不適合となるのかを示す重要な欄です。
観察された事実には、監査時に発見された事実を記載します。
不適合内容には、本来あるべき姿からどの点が逸脱していたのかを記入します。
是正処置実施期限には、社内の内部監査ルールにのっとった実施期限を記載します。
指摘事項に対する是正処置
内部監査報告書を受け取った監査対象部署は、指摘事項に対する是正処置を行い、その結果を監査報告書に記入します。
是正処置実施内容では、指摘事項の事実に至った原因とその原因に対する是正処置を記入します。
是正処置のエビデンスには、その是正処置を行ったエビデンスを記入します。たとえば是正処置で手順の変更を行ったのであれば、その手順変更が記載された文書やその文書の教育記録の文書番号を記入しましょう。
是正処置完了日には、その是正処置が完了した日を記入します。
ぜひ内部監査報告書を活用して、より良い製品の改良や開発に役立ててください。
(アイアール技術者教育研究所 K・A)
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