QC七つ道具の基本④ 特性要因図とは?
QC七つ道具とは?
ものづくりの基本的な技法に、QC七つ道具というものがあります。
QCというのは、品質管理=Quality Control のことです。
QC七つ道具は、品質管理のキホン技法ということになります。製造業のあらゆる分野で用いることができる、ものづくりに関わる人にとっては必修の技法となります。
- パレート図
- ヒストグラム
- 散布図
- 特性要因図
- 管理図
- チェックシート
- グラフ(層別)
このような7つの技法を合わせて、QC七つ道具と呼びます。
一つずつみていきましょう。
このページでは、特性要因図について紹介します。
特性要因図とは?
ある問題の特性と、それに影響を及ぼす要因との因果関係を可視化したものが特性要因図で、俗に「魚の骨」(fishbone diagram)とも呼ばれています。
「特性」とは、解決すべき問題や課題のことを指します。
「要因「とは、特性に影響を及ぼす可能性のあるものを指します
特性に影響を及ぼす可能性があると考えられる要因を数多く列挙して、図に表して可視化することで
要因を漏れなく抽出して、要因を分類し整理することで、要因と特性の因果関係を複合的な視野から明らかにする効果が期待できます。
特性要因図の使い方は?
(1)原因究明に
要因の中で、特性に実際に影響を及ぼしたものが原因です。何か問題が発生して、その原因がなかなかわからないとき、見落としている要因が無いのか特性要因図に表して洗い出しを行うことで、原因究明の手掛かりを得ます。
抽出した要因の中から可能性が高いと考えられるものについて検証作業を行っていきます。
(2)問題発生の予防に
新製品開発、新技術採用など新しいことを実施する場合に、問題発生につながると考えられる要因を出来るだけ多く抽出して、事前の対策構築に役立てます。
原因究明の場合よりも、洗い出す要因の数は多くなります。
要因の整理には”4M”の活用を!
抽出した要因を整理する際に”4M”を大骨として分類すると便利です。
- 人(MAN):力量、経験、習熟度など
- 機械(MACHINE):保全状態、性能、精度など
- 方法(METHOD):作業手順、作業方法、作業環境など
- 材料(MATERIAL):納入業者、保管状態、材料特性など
これに測定(MEASUREMENT)を加えて”5M”とする場合もあります。
特性要因図作成時の留意点
4Mを大骨として、そこにぶらさがる中骨、小骨(さらにつながる要因あれば孫骨)の形で整理します。
中骨なのか小骨なのか、あまり迷うと作業が進まないので、あまり気にせず書き込んでいくようにします。
(上図で実線枠が中骨、破線枠が小骨)
《人(MAN)につながる中骨、小骨の例》
- 中骨:作業ミスが多い
- 小骨:教育不足、経験不足
《機械(MACHINE)につながる中骨、小骨の例》
- 中骨:故障停止が多い
- 小骨:定期点検していない
《方法(METHOD)につながる中骨、小骨の例》
- 中骨:組立時間のバラツキ
- 小骨:作業手順書が無い
《材料(MATERIAL)につながる中骨、小骨の例》
- 中骨:品質の低下
- 小骨:調達先の変更
特性要因図が一通り書けたら、全体を見直し、ブレーンストーミングなども交えて、漏れがないか、他にないか、など議論しながら修正していきます
(アイアール技術者教育研究所 S・Y)
関連コラム:「QC7つ道具の基本」シリーズ
- ① パレート図とは?
- ② ヒストグラムとは?
- ③ 散布図とは?
- ④ 特性要因図とは?
- ⑤ 管理図とは?
- ⑥ チェックシートとは?
- ⑦ グラフとは?層別って何?
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