【QC検定3級対策】品質の概念|試験で問われる重要用語をチェック!

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品質の概念

QC検定は、JSA日本規格協会グループが主催する品質管理の知識を問う筆記試験です。
内容は品質管理とは何か?から始まり、改善活動の基礎知識、統計的なプロセス管理など多岐にわたります。
受験者数は年々増加しており、毎年の受験者数が10万人を超える製造業ではメジャーな試験です。
[※関連記事:【技術系資格ナビ】QC検定(1〜4級の難易度/合格率/勉強方法/メリット)はこちら]

この連載では、各級の頻出範囲について例題を交えて解説を行います。この連載を通じて、QC検定の受験準備をしてみましょう。

3級の試験範囲は日本規格協会のHP(品質管理検定レベル表)をご確認ください。

【3級解説:第8回】品質の概念

今回は3級の試験範囲(実践分野)から「品質の概念」についてです。
品質の概念を理解するために、まずは品質に関する様々な用語について解説していきます。

 

(1)要求品質

顧客から設計図や製品仕様書で明確に示されている顕在的な品質、または顧客から指示されていなくても潜在的に求められている品質のことを「要求品質」といいます。

 

(2)ねらいの品質とできばえの品質

設計図や製品仕様書などで定められている品質を「ねらいの品質(設計品質)」といいます。

一方、実際に製品として製造する際の品質を「できばえの品質(製造品質、適合品質)」といい、顧客から要求された品質に合致している程度を評価する必要があります。

 

(3)当たり前品質と魅力的品質

充足されないと不満だが、充足されても特にうれしくない品質要素(満たしていて当然だと思われている品質)を「当たり前品質」といいます。

一方、充足されなくても不満はないが充足されるとうれしい品質要素(期待以上の品質要素)を「魅力的品質」といいます。

顧客によって感じ方は様々なので一概にはいえませんが、例えばジュースであれば「安全に飲める、のどが潤う、おいしい」などが当たり前品質で、「良いにおいがする、パッケージがオシャレ」などが魅力的品質にあたります。なお、2つの品質の関係を示したモデルを下図に示します。

当たり前品質と魅力的品質

 

(4)ハードの品質とサービスの品質

製品自体の品質を「ハードの品質」といい、アフターサービスのような製品に付随する品質を「サービスの品質」といいます。

 

(5)社会的品質

地球温暖化問題など、製品の購入者・使用者以外の社会や環境に及ぼす影響に関する品質を「社会的品質」といいます。
地球温暖化の場合は二酸化炭素の排出量が少ない製品が社会的品質が優れていることになります。

 

(6)顧客満足(CS)

製品に対する顧客の満足度を「顧客満足CS:Customer Satisfaction)」といいます。
ここで「顧客」とは、直接取引をしている顧客だけでなく、顧客の顧客、いわゆるエンドユーザーなども含まれます。また、要求事項には仕様書などで明示されているものに限らず、暗黙のうちに了解されているニーズも含まれます。

したがって顧客満足(CS)とは、直接の顧客との仕様書上の品質だけではなく、もっと広義の顧客と要求事項のニーズを満たすことをいいます。

 

(7)品質の定義

ここまで品質に関する様々な用語を解説しました。
品質と一言でいっても単純に性能を満たしているか?という観点にとどまらず、様々な側面があります。
顧客に選ばれ続けるためにはこの様々な側面の品質を満たす必要があります。

 
それでは例題にチャレンジしてみましょう。

 

《例題》

品質に関する文章において、( )内に入るもっとも適切なものを下欄の選択肢からひとつ選べ。

(1) 設計品質とは(①)品質ともいい、設計図や仕様書に定められた(②)などを具体的に示したものであり、(③)でねらう品質のことである。
一方、製造品質とは(④)品質ともいい、(①)品質を目指して実際に製造した製品の品質のことであり(⑤)ともいう。

(2) 品質の向上において、顧客が使用した上で十分に満足が得られるかが重要である。これを英語のイニシャルから(⑥)と呼ぶ。(⑥)を向上させるには、(⑦)と(⑧)の観点が重要である。(⑦)とは充足されなくても不満はないが、充足されるとうれしい品質要素、(⑧)は充足されないと不満だが充足されてもとくにうれしくない品質要素をいう。

また製品によって(⑥)は、購入時だけではなく製品を使用した際の(⑨)なども重要な観点となる。これを(⑩)という。さらに直接の顧客だけではなく、社会や環境に及ぼす影響も重要である。これを(⑪)といい、例として(⑫)が挙げられる。

選択肢
[ア.企画 イ.設計 ウ.製造 エ.規格値 オ.設計品質 カ.適合品質 キ.サービスの品質
 ク.ハードの品質 ケ.アフターサービス コ.コスト サ.ねらいの シ.できばえの ス.社会的品質
 セ.CS ソ.SC タ.地球温暖化問題 チ.魅力的品質 ツ.当たり前品質]

 
《例題》[解答と解説]

解答と解説はここをクリック

[解答]

(1) ①サ.ねらいの ②エ.規格値 ③ウ.製造 ④シ.できばえの ⑤カ.適合品質 
(2) ⑥セ.CS ⑦チ.魅力的品質 ⑧ツ.当たり前品質 ⑨ケ.アフターサービス ⑩キ.サービスの品質 ⑪ス.社会的品質 ⑫タ.地球温暖化問題

 
[解説]

(1) 「ねらいの品質」は設計図や仕様書などで定められた品質であり、製造時の目標となります。一方、「できばえの品質」とは実際に製造した際の品質のことであり、適合品質ともいいます。

(2) 顧客満足(CS)を向上させるには品質が重要です。品質の中でも顧客が満たしていて当然だとする品質(当たり前品質)と、満たしているとうれしいと感じる品質(魅力的品質)があります。

また、アフターサービスなど直接モノづくりに関与していないサービスの部分も顧客満足に大きく寄与します。どんなに製品の品質がよくてもサービスが悪ければ顧客満足は得られません。

さらに購入者以外の環境や社会に与える影響も品質に影響します。
これを「社会的品質」といい、地球温暖化問題を考慮し二酸化炭素排出量の少ない製品は社会的品質が高いことになります。

 

まとめ

今回は実践分野の1回目「品質の概念」について解説しました。
顧客満足には様々な側面の品質を満たす必要があることをお分かりいただけたと思います。

次回は「QC的ものの見方・考え方」について解説します。

 
(アイアール技術者教育研究所 A・K)

 

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