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2024/12/3(火)9:30~16:30
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QC検定は、JSA日本規格協会グループが主催する品質管理の知識を問う筆記試験です。
内容は品質管理とは何か?から始まり、改善活動の基礎知識、統計的なプロセス管理など多岐にわたります。
受験者数は年々増加しており、毎年の受験者数が10万人を超える製造業ではメジャーな試験です。
[※関連記事:【技術系資格ナビ】QC検定(1〜4級の難易度/合格率/勉強方法/メリット)はこちら]
この連載では、各級の頻出範囲について例題を交えて解説を行います。
この連載を通じて、QC検定の受験準備をしてみましょう。
まずは学生や新社会人を対象とした4級試験について3回に分けて解説します。
4級の出題範囲はJSAグループのHPで公開されている「品質管理検定(QC検定)4級の手引き」(全48ページ)に限られています。しかし、受験に不安を覚える人はぜひ例題を解いて、実践に備えましょう。
今回は「品質管理検定(QC検定)4級の手引き」から頭文字をとった頻出ワードを厳選してご紹介します。
どれも必ずと言っていいほど出題されるワードですので意味をよく理解しておきましょう。
「PDCA」(ピーディーシーエー)とは目標達成に向けた取り組みの仕方です。
Plan、Do、Check、Actの頭文字をとって「PDCA」と言います。
資格勉強を例に説明しますと、「QC検定4級合格」という目標に対しどのような勉強をするのか計画をたて(Plan)、次に実際に勉強を実施し(Do)、さらに問題集などで自分の実力をチェックします(Check)。
このとき当初の計画通りに勉強が進んでいれば適切に合格できる学力を身につけられていると判断し、そのまま次の計画(Plan)に移ります。
しかし計画通りに勉強が進んでいない結果だった場合は当初の計画を修正する処置(Act)を行います。
このように目標達成に向け、Plan→Do→Check→Actのサイクルを繰り返していくことをPDCAと言います。
「PDCA」は新しい取り組みに対するサイクルでしたが、「SDCA」(エスディーシーエー)は過去に十分な知見がある場合の取り組みです。”S“は標準化(Standardize)の頭文字で、繰り返し行う作業方法を文書などであらかじめ決めておくことを言います。
既に作業方法が確立している場合には計画の必要はないので、標準化を行いS→D→C→Aのサイクルで管理をします。
作業実施(Do)後、標準化した作業が問題ないかどうかをチェック(Check)し、問題がある場合は標準化した方法の改訂などの処置(Act)を行います。
「三現主義」は、「現場」「現物」「現実」という3つの「現」の重要性を表したワードです。
何かクレームが起こった際には製造の「現場」に行き、実際にクレームがあった「現物」を確認し、どんな状況になっているか「現実」を確認することが重要です。
この3つの「現」を行動の基本原理とすると問題の解決や改善が進みやすくなります。
「5ゲン主義」は、三現主義に「原理」「原則」の2つの「原」を加えた表現です。
原理とは「てこの原理」のような事象の根本となる仕組み、原則は「憲法の基本3原則」のような基本的な規則や法則を指します。
問題の解決や改善の場面で、この原理・原則にそくしているかチェックする視点が重要です。
「5S」とは整理、整頓、清掃、清潔、しつけのローマ字表記の頭文字をとったものです。
乱雑な職場では作業ミスによる品質不良が起きやすくなりますのでどのような職場でも徹底しなければなりません。
5Sはそれぞれ下記のような状態を指します。
では、最後に例題で意味を再確認してみましょう。
(1)~(4)に当てはまる言葉を選択肢から選んでください。
品質管理担当者のA氏は顧客から不良があったとの連絡を受けました。
A氏は(1)に基づき不良品を製造していた現場へ向かいました。
調査の結果、品質不良の原因は検査機の清掃不足であることが分かりました。A氏はこの検査機をはじめ製造現場全体に清掃が行き届いていないと感じ、(2)を徹底するよう製造課長に指示をしました。
また今後はこのような不具合が発生しないよう、A氏は(3)サイクルを念頭に清掃手順に関する改善活動を行いました。(3)サイクルで改善活動を行う中で、検査機の清掃方法が作業員によって違うことが分かりました。このため清掃方法の標準化を行い、今後は(4)サイクルを回すよう製造現場に指示をしました。
(1)~(4)の選択肢
ア、5S
イ、PDCA
ウ、SDCA
エ、三現主義
[解答と解説]
今回解説したワードは、QC検定4級で初めて品質について学ぶ人にはなかなか聞きなれないワードかもしれません。しかし、どれも製造現場以外のビジネス全般に通じる基本的な概念です。
しっかりと学んでおきましょう。
次回からはQC検定3級の内容について解説を行います。
(アイアール技術者教育研究所 A・K)