実験研究と調査研究/目的調査と探索調査

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研究開発と調査・分析

知的基盤(プラットフォーム)を構築する

研究開発技術者の「感性・感度」を高めるために最も効果のある情報は、系統的によく整理された社内技術情報と自社の製品分野である社外技術情報です。つまり、既に知られているところの技術情報の整理です。

知恵のある経営者であれば、うまい「ネタ」が次々と生まれる「知的基盤(プラットフォーム)」を構築します。

「知的基盤」とは、先輩技術者達の知恵や経験を伝承・活用し、若者がその「創造力を共有」し、若者が持っている能力をフルに発揮できる基礎・基盤のことです。
創造力を共有すれば、儲かる「ネタ」がどんどん生まれます。儲かれば、人減らしの必要はありません。それどころか人手が足りなくて困る筈です。そうした知的基盤を築くのが本当のリストラではないでしょうか?

創造力を構築する(情報を構造化する)仕事は、もっともクリエイティブな仕事の一つです。
その一方で、「地味で見えにくい」という性質があります。
この仕事を正当に評価する社内文化を育てなければ、筋の良い「ネタ」は生まれません。

知恵のある経営者とリストラばかり考える経営者

 

研究には「実験研究」と「調査研究」がある。
調査には「目的調査」と「探索調査」がある。

研究開発技術者は、身体を動かせねばということで、「実験研究」を優先する傾向にあります。
こうして筋の悪いテーマがたくさん出来るのです。
それをこれまでと同じように根性論でやったところで成果は上がありません。当然お金もかかります。

つまり、筋の良いテーマが見つかるまで「実験研究」を行わないで「調査研究」をすることが重要なのです。

それには、「実験研究」を始める前に「調査研究」を行う社内文化が必要です。

「調査研究」は「実験研究」に比べたら大した金額にはなりません
それに「調査研究」ならば何時でも中止はできるし、何回もやり直し、繰り返しが効きます。
慌てることなく、じっくりやれるメリットは大きいです。
 

実験研究と調査研究

目的調査」は課題を解決するための調査で、単なる情報調査で構いません。
課題がハッキリしているから商用データベースやアウトソーシングでも行えます。

探索調査」は、課題を生み出すための調査です。
「探索調査」をするためには、幾つかの「目的調査」で得られた多種類、多分野の情報をどこかに集め、それを融合・統合させ、いろんな視点からのぞき込み、新しい情報を生み出す必要があります。

同じ情報に接しても何も思いつかない人もいれば、面白いアイディアを幾つも出せる人がいます。
これは生まれ持った適性、あるいは能力の差もありますが、それ以前にその人が事前に持っている情報の量と質も大きく依存します。
 

目的調査と探索調査

 

技術者にとって専門知識だけで生き抜くことは難しい時代

これからの技術者は「I型人間」から「T型人間」を目指す必要があります。

「I型人間」とは専門知識だけの人をいい、「T型人間」とはいろんな情報をもっていて、且つ専門知識のある人を指します。
T型は安全カミソリと同じ型をしています。
安全カミソリは、柄だけではヒゲは剃れません。
刃物の部分と柄の部分が結合されて「ヒゲソリ」の目的が達せられるのです。

安全カミソリの形で例えましたが、専門知識だけの人よりも、いろいろな情報を持った人の方が活躍の場が広がるという意味です。
 

専門知識だけではなく情報を使いこなせる技術者が大事

 
これからは「面白い、愉快、楽しい」といった遊び心があって、心と頭そして体が喜ぶ仕事が望まれます。
すなわち、答えが幾つも必要とする時代です。
答えを幾つも用意するには、色々な情報を吸収し、自分なりの面白い情報をたくさん見つけていくことが必要になってきます。
 

(日本アイアール 知的財産活用研究所 N・Y)

 

 

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