自動化した工程の生産性を飛躍的に高める方法とは?生産ライン自動化の専門家が解説

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製造現場の自動化による生産性向上
 
生産ラインの自動化は、現場に関わる技術者や工場の管理者であれば皆が考えたいテーマです。
自動化を行うにも、様々な注意点があります。

 

やりがいが大きい生産ライン自動化

生産ラインの自動化は、多くの現場で進められています。ひと昔前までは作業者が苦労して対応していた段取りや調整が、今では自動機の導入によって、ガラリと様変わりした現場も多いのではないでしょうか。

「オフラインの作業や周辺の問題などに力を注ぐことができるようになって、仕事の幅が広がった(作業監督者)」「自動化のコスト以上に労務費を抑制できただけでなく、労働環境の問題も改善された(経営者)」など、自動化がうまくいった現場にはよいことがたくさん起こり、前よりもさらに活気づく、といった話もあるようです。

生産ラインの自動化を進めるうえで主役となるのは現場をよく知る技術者です。もちろん、自動化設備メーカーに活躍してもらうことも大切なのですが、自工程の技術者が経験と知恵を活用して現場を革新していく活動は、とてもやりがいがあるものです。

 

自動化すれば終わり・・ではない!

「生産ラインの自動化」とは、つまり、ロボットや搬送装置などの自動化設備を導入して、人がやっていた作業を置き換えるということです。ただし、自動化設備の仕様を決めてラインに導入すれば、自動化は完了する・・という簡単な話ではないようです。

やみくもな自動化を行っても、意外とボトルネック(生産性を悪化させる問題個所)が残ってしまったり、逆に工程の柔軟性が減って生産上の都合が悪くなったりすることがあります。

自動化のための投資を行う以上、その分の製造原価は上がってしまいますので、それ以上のメリットがあり、かつ導入の弊害が大きくならないようにしなくては、自動化の取り組みは失敗してしまいます。

 

自動化は手段、目的は・・?

自動化の狙いは「人の作業を自動化させること」ではありません。自動化はあくまで手段です。
その狙いについて、具体的に考えていく必要があります。

  • サイクルタイムの短縮や、チョコ停の撲滅
  • 連続運転時間の延長や、無人稼働の実現
  • 危険作業や、悪い労働環境の解消

例えば、上記のような項目が挙げられます。目的は1つとは限りません。むしろたくさんあるほど、自動化のメリットが大きくなります。自動化を進めるにあたっては、その目的をできるだけたくさん洗い出していきましょう。そして、すでに自動化を行ったラインが、挙げた項目に対して、本当に解決策になっているかを、よく見ていきましょう。そうすると、自動化した(はずの)ラインの、さらなる改善点が見えてきます。

 

そもそも、自動化によって解決したかった問題は何か?

ものづくりの現場では、すぐに解決しないといけない大問題、できれば早めに解決したい中問題、いつかは改善していきたい小問題など、さまざまなレベルの問題があります。

それらの問題を解決したときにどのくらいのメリットがあるのかも、問題ごとに違います。

メリットは(売上や利益など)お金に換算すると比べ安くなります。

重大な問題で、かつ改善したときの金額効果が大きい問題があるとしたら、その問題に最優先で取り組んでいくべきといえます。

自動化のメリットを最大限に生かしていくには、問題の優先順位を明確にして、重要なところに手を打っていきましょう。

 

自動化という道具を使って、問題解決を進めよう

それでは、自動化を進めているラインへのさらなる改善のアプローチを紹介します。
複数のロボットで自動化している工程を考えてみましょう。

 

ロボットのバランスを整える

まずは、それぞれのロボットの動作の現状把握を行います。
製品ごと、ロットごとに比較をしながら、動作と、なされた仕事を観察します。
すると、全体の中で、ロボットの役割がバランスが悪い箇所が発見されることがあります。

あるロボットが限界いっぱいで動いているために、トラブルを起こしやすい。
一方で、特定のタイミングでは他のロボットは時間を持て余している。
・・・といったバランスの悪さに気づくと、例えば「周りに手助けをする機構やロボットがあればよくなるかも・・」などの改善アイデアも浮かんでくることでしょう。

 

チョコ停・トラブルを減らす

自動化したラインでも頭を悩ませてしまうのが、「チョコ停」などのトラブルです。
うまく流れているときはいいけど、実際にはロット替えをするたびにトラブルが起こる。
製品のモデルチェンジがあるともうダメで、またトラブル対応の日々が始まる・・というような、自動化したのにバタバタしているという現場になりがちなものです。
すると、他の仕事に手を振り向けるべき人が、トラブル対応担当になってしまいます。

チョコ停は、目に見えない微妙なトラブル原因が表面化したものといえます。
トラブルの現象の裏には問題の原因が潜んでいます。
そして、製品の仕様変更などの変化が組み合わさった時に引き金となって表面化します。
真の原因を突き止めるのは簡単ではありませんが、取り組んでいかなくてはなりません。

そして「ちょっと変だな」という違和感・気づきを「けど、今は一応動いているからまあいいか」と置き去りにせず、トラブルの予兆として、先回りして手を打っていくことが大切です。
そのような視点と取り組みがあれば、ラインの予防保全の実現のためのIoTといった活動にも繋がっていきます。

 

稼働時間を長くする

チョコ停を減らして、次に減らしたいのは計画的な停止時間です。

生産ラインには、当然ながら保守・メンテナンスが必要です。意外と、保守部品の手配ミスや、停止工事の計画のミス、連絡のミスなどで停止時間が予定よりも伸びてしまうことは多いものです。

稼働中は生産数が見えるために緊張感が高くなりますが、メンテナンス中は周囲の目も減るために段取りが悪くなるといったことがあります。また、気のゆるみが事故やトラブルの原因にもなります。設備稼働しない時間こそ、生産性を高めるためのポイントがたくさん眠っているのです。

交代制の24時間稼働のラインでなくても、無人運転に取り組むことができます。
まずは、昼休みや、早朝などに、自動化したラインを無人で動かすことにトライします。取り組むと、チョコ停や品質のブレなどが大きなハードルになることがよく分かります。
本当の意味での自動化という課題が、無人運転に取り組み始めるとみえてきます。
様々な工夫によって無人運転の精度を上げていくと、いずれは夜間や休日の稼働も見えてきます。

 

自動化を生かすために

ここで紹介した内容以外にも、生産ライン自動化の重要なポイントはたくさんあります。
大切なことは、自動化は手段であって目的ではないということです。
そして、生産性を高めるということ以外にも、自動化への取り組みを通じた創意工夫やアイデア創発が財産になっていくのです。

自動化を上手に進め、自動化設備の生産性を高めるには、自動化設備メーカーとの連携や、外部の専門家の助言を得ることも近道となります。

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(アイアール技術者教育研究所 K・O)
 

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