【生産技術のツボ】意外に奥深い?「溶接」の種類・分類(融接、圧接、ろう接)

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溶接の分類・種類を解説

「溶接」は、古くから広く製造現場、建設現場で使用されている接合技術でありますが、モノづくりを支える根幹となる技術です。
今回は、溶接にはどんな種類があるかについて説明します。

なお、溶接の定義、種類の考え方は企業によって様々ですが、今回は日本工業規格(JIS)をベースとした説明といたします。

1.「溶接」とは?

金属は、「熱」または「熱+圧力」を加えるとやがて溶けはじめます。
接合しようとする2つの材料の接合部の「母材」、または「溶加材」、あるいは「母材+溶加材」を溶かして、混ぜ合わさった「溶け込み」状態で冷却することで接合することができます。これが「溶接」の基本的な仕組みです。
なお、「母材」(ぼざい)とは溶接される材料。「溶加材」とは、溶接中に付加される金属材料のことです。

 

2.融接、圧接、ろう接

溶接は、その接合の機構によって、「融接」「圧接」「ろう接」の3種類に大別されます。

(1)融接とは?

溶接しようとする部分を加熱し、母材のみか、または母材と溶加材(溶接棒など)を融合させて溶融金属を作り、これを凝固させ接合する接合する方法です。
基本的には機械的圧力は加えない方式です。(但し、例外もあります)

融接

 

(2)圧接とは?

溶接しようとする母材の接合部に熱と機械的圧力を加えることによって接合する方法です。

圧接

 

(3)ろう接とは?

母材よりも低い融点を持った金属の溶加材(ろう)を溶融させて、毛細管現象で部材間に浸入したり、母材上を広がる”ぬれ”と呼ばれる現象を応用した接合技術です。
母材を溶かさないで接合する方法となります。

ろう接

以上をまとめると以下のようになります。
溶接の種類まとめ1

 

2.溶接の種類は色々あります!

下の図にように溶接の種類は、熱エネルギー(電気、レーザ光、ガスなど)、溶加材、シールドガスなどによって、多種多様な溶接方法があります。

溶接の種類2

 
以降の連載で、主な溶接方法について個別に解説していきます。
次回は、非溶極式アーク溶接(TIG溶接とプラズマ溶接)をご説明します。
 
(アイアール技術者教育研究所 T・I)
 


併せて読みたい関連コラム:「溶接」特集


 

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