LEDドライバーICの要点解説|定電流制御・PWM調光・主な機能と回路例

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LEDドライバーIC

今回は、LEDを安定して駆動するために広く用いられているLEDドライバーICを紹介します。

LEDドライバーICは、LED(発光ダイオード)を点灯させるための駆動装置といえるでしょう。アナログICに分類されますが、照明用途等では、デジタルのコントロール回路を内蔵しているものも多いです。

 

1.LEDドライバーとは

日本国内では、一般照明用の蛍光ランプについて、種類に応じて製造・輸出入が段階的に廃止されることとなっており、今後、照明のLED化がさらに進んでいくと考えられます。

LEDの照明器具を製造するには、LEDを点灯させるための「LEDドライバー」が必要となります。
LEDそのものは、古くからあり、点灯回路も複雑なものはありませんでした。しかしながら、大規模な照明装置や液晶ディスプレイのバックライトとして用いられるようになると、高度な制御も必要となり、大規模で複雑な制御が行われるLEDドライバーICも作られるようになりました。

 

2.LEDドライバーの基本回路

別記事「3分でわかる LEDの基礎知識」の中で紹介した、基本的なLED点灯回路を図1に示します。

 

LED点灯回路
【図1 LED点灯回路】

 

図1は、LEDを点灯させるための回路です。
ここでは、LEDの順方向電圧を2V、LEDに流す電流を10mA、電源電圧を5Vとします。
LEDに電流が流れすぎないようにするため、抵抗(電流制限抵抗)を電源とLEDの間に入れます。この場合、電源電圧5VとLEDの順方向電圧2Vとの差である、5V-2V=3Vが抵抗にかかることになります。

この抵抗の抵抗値は、LEDを点灯させるのに必要な電流値を10mA(=0.01A)とすると、
オームの法則より、 R=V/Iなので、 R=3/0.01=300
つまり抵抗値300Ωの抵抗が必要になるという回路です。

LEDを点灯させるだけならば、図1の回路でも点灯しますが、LEDは、図2の電圧電流特性に示されるように、順方向電圧がわずかに変化しただけでも、流れる電流が大きく変化する特性があります。

 

LEDの電圧電流特性
【図2 LEDの電圧電流特性】

 

LEDの明るさは、電流値で決まるので、電圧ではなく電流を一定にする回路を用いてLEDの明るさを制御します。この定電流回路がLEDドライバーの基本回路となります。

「定電流回路」とは、所定の動作範囲内で、負荷の変化などにかかわらず一定の電流を流すように制御する回路のことです。

 

3.LEDドライバーICに求められる機能

LEDドライバーICには、用途に応じて以下のような機能が求められます。

  • LEDは個体のばらつきや温度、電源電圧によって明るさが変動します。そこで、LEDドライバーにはLEDに流れる電流をモニターしながら一定の電流を流すように調整し、高い精度で電流を流して明るさの変動を最小限に抑えることが求められます。
  • LEDドライバーは、LEDの輝度を調整(調光)する機能が必要になります。上記で、電流を制御することで明るさを変えることができる、としていますが、実は、電流の変化に応じて、LEDの発光色や色度が変化することがあります。したがって、調光する場合は、PWM調光を行うことが多いです。
    「PWM調光」とは、LEDを高速でON/OFFし、その点灯時間の割合(デューティ比)を変えることで明るさを制御する方式です。「PWM」は「Pulse Width Modulation(パルス幅変調)」の略です。人間の目には点滅として認識されないほど高速でスイッチングし、デューティ比を変えることで平均的な明るさを調整します。PWM調光では、点灯時のLED電流値をほぼ一定に保ったまま明るさを調整できるため、電流値そのものを変化させる調光方式に比べ、色味の変化を抑えやすいという特徴があります。
  • 多チャンネルのLEDドライバーの場合、各チャンネルに接続されたLEDやLED列に流れる電流を個別に制御する機能が必要です。これにより電流のばらつきを抑え、列ごとの明るさの違いを小さくすることができます。
  • LED自体の故障やLEDとの配線が断線したことによって、LEDが点灯しなくなったことを検出する機能などを持たせることができます。

 

4.LEDドライバーの例

図3にLEDドライバーICを用いた回路例を示します。

 

LEDドライバーICを用いた回路例
【図3 LEDドライバーICを用いた回路例】

 

図は、マキシム社(現在は、アナログ・デバイセズ社)の「MAX1574」というLEDドライバーICです。
簡単な構成で、LEDを3個点灯させることができ、デジカメなどで使用されます。

電源電圧は、2.7Vから5.5Vまでで、LED1個当たり60mAまで電流を流すことができます。
調光信号は、パルス信号をカウントすることで調光しています。(例えば、1パルスごとにLED電流を10%ずつ低下させる)
LEDドライバーICは、複雑な制御回路を内蔵することで、この様に、少ない外付け部品でLED駆動回路が構成できてしまいます。(詳細は、このICのデータシートを確認して下さい。)

 

以上、LEDドライバーICについて紹介してきましたが、最近では、上記のような小型機器用から大型液晶のバックライト用途まで、多くの種類のLEDドライバーICがあります。それぞれの用途に応じてLEDドライバーICが作られるので、非常に種類が多くなっています。

 

(日本アイアール株式会社 特許調査部 E・N)

 

 

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