容器・包装の「3R」とは?関連する法律や3Rの具体例などを解説
3Rが、Reduce(削減),Reuse(再利用),Recycle(再生)の頭文字であることは周知のとおりです。
容器・包装(パッケージ)のゴミ問題に関する大切なキーワードです。
目次
1.リサイクルに関する法律(全体像)
循環型社会形成推進基本法(平成13年1月施行)第ニ条には、「この法律において『循環型社会』とは、製品等が廃棄物等となることが抑制され、並びに製品等が循環資源となった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われることが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会をいう。」と記載されています。
そして、循環的な利用を促進するために、各リサイクル法が制定されています。
- 容器包装リサイクル法(平成9年4月本格施行)
- 家電リサイクル法(平成13年4月施行)
- 小型家電リサイクル(平成25年4月施行)
- 建設リサイクル法(平成14年5月施行)
- 食品リサイクル法(平成13年4月施行)
- 自動車リサイクル法(平成16年1月施行)
- 資源有効利用促進法(平成13年4月施行)
容器包装リサイクル法
「容器包装リサイクル法」は最も早く施行され、消費者と市町村と事業者の3者で役割を分担して循環的な利用を促進するものであり、消費者は分別廃棄し、市町村が分別収集し、事業者が再商品化を行います。
事業者は、①容器包装を自主回収する、②指定法人に再商品化を委託する、③独自ルートで再商品化するという、3つの方法を選択できます。
事業者はこの仕組みをより効果的に循環するために容器包装の3Rについて関連する技術を進歩・革新してゆく必要があります。
2.容器・包装の”3R”の具体例
Reduce(削減)
- 容器包装の軽量化、薄肉化による材料使用量の削減。
- 二重包装、多重包装の廃止による材料使用量の削減。
- 中身の濃縮化や空隙率の削減により容器包装を縮小化(コンパクト化)。
- レジ袋の削減。
- つぶせるボトル、折り畳みなどによるごみ容量の削減(減容化)。
Reuse(再使用)
- 容器包装を回収して再使用、瓶などを回収・洗浄して再充填する(リターナブル)。
- 詰めかえの推進。ボトルから詰めかえ袋に変更し、本品容器は家庭内で再使用する。
Recycle(再生)
- 容器包装の分別し易さの向上。分別廃棄分別収集の推進。
- 再生し易い材料、再生し易いプラスチック材料の開発。
(なお、PETボトル、プラスチック、紙、飲料用スチール缶、飲料用アルミ缶には識別マークを表示することが資源有効利用促進法により定められています。)
3.地球温暖化、マイクロプラスチック問題への取り組み
循環的な利用が行われない容器包装については、地球温暖化の視点から炭酸ガス排出量を削減して行くことも必要です。
また、マイクロプラスチック問題への対応も含め、生分解性を改善することも重要です。このためにはライフサイクルアセスメント(LCA)視点で各技術をチェックする必要があります。
例えば原料としては 脱石化原料である植物由来の原料を使用するなど、より製造エネルギーの少ない技術、炭酸ガス排出量の少ない技術に変更して行くべきです。
実例としては、サトウキビやトウモロコシからポリエチレンやポリ乳酸が製造されています。ポリ乳酸は生分解性にも優れる材料です。他にも種々のバイオマス由来の原材料が提案されています。
4.容器包装の”3R”の今後
3R関連全体に幅広く多数の特許がありました。
環境問題は解決できていませんが、人々の暮らしには欠かせない問題であり、且つ企業の姿勢が問われる問題でもあり、今後も目が離せない分野です。
(日本アイアール株式会社 特許調査部 K・O)
☆容器・包装関連技術の特許調査サービスは日本アイアールまでお気軽にお問い合わせください。