熱可塑性エラストマー(TPE)の基礎と生分解性TPEの開発
【LIVE配信】2024/5/14(火)13:00~16:00 , 【アーカイブ配信】5/15~5/29(何度でも受講可能)
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03-6206-4966
開催日時 | 2023/1/17(火)10:00~17:00 |
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担当講師 | 望月 政嗣 氏 |
開催場所 | Zoomによるオンライン受講 |
定員 | 30名 |
受講費 | 55,000円(税込) |
★ SDGs対応に向けたポリ乳酸の最近の動向、応用事例について解説
【提携セミナー】
主催:株式会社技術情報協会
現下の地球環境・資源・廃棄物問題の背景下、次世代バイオプラスチックの最有力候補と目されるポリ乳酸(PLA)の急速な市場拡大に伴い世界的に新設・増産計画(2024年:50万トン/年)が相次いでいる。日本においても、これまで脱プラの象徴的存在であった大手製紙会社がいよいよ非可食バイオマスを原料にPLAの製造に乗り出すことが報道されている。 なぜ、数多くあるバイオプラの中でPLAが選択されるのか?その背景には、PLAは単なる植物由来生分解性プラではなく、既に旧来の石油系汎用プラと同等以上の性能レベルにあることはもとより、使い捨て用途から10年以上の長期耐久性構造材料としての製品寿命を有し、本来ならばトレードオフの関係にある生分解性と耐久性の両立、生分解性と抗菌・防カビ性の両立、耐熱性と耐衝撃性の両立などを可能にしている、正しく次世代スマートプラスチックとしての基本的要件を具備していることにある。
本講では、これらポリ乳酸が内包する 潜在的能力と奇跡のパラドックス構造を解明すると共に、最新の技術・製品・市場開発動向について紹介する。
望月 政嗣 氏 (元京都工芸繊維大学特任教授、工学博士、高分子学会フェロー)
1.地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
1)20世紀の石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
2)海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と解決策
3)自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環(炭素循環)へのリンク
4)植物由来生分解性プラスチック(生分解性バイオマスプラ)への転換
5)世界の法規制と業界動向
2.ポリ乳酸(PLA)の基本特性
1)植物由来生分解性樹脂…熱可塑性脂肪族ポリエステル(Tm:170℃, Tg:58℃)
2)原料は枯渇しない植物由来の再生可能資源(renewable resource)
3)バイオマス由来で地球温暖化に関与しない(carbon-neutral)
…LCAによる環境負荷の客観的・定量的表示(石油系プラとの比較)
4)安全・食品衛生性…「厚生省告示370号」一般規格、個別規格適合
5)抗菌・防カビ性
①プラスチックのカビ抵抗性試験…JIS Z-2911
②繊維の抗菌・防カビ性試験、その他
③消費者から届けられた声
*PLAは生分解性でありながら卓越した抗菌・防カビ性を発現!お餅にカビが生えるようにデンプン系や微生物産生ポリエステル系は真っ黒なカビが 一面に生える。
6)ポリ乳酸の原料ソースの時代的変遷…可食から非可食バイオマス原料へ
①可食バイオマス…デンプン(トウモロコシ)や廃糖蜜(サトウキビ)
②非可食バイオマス…リグノセルロース(茎や葉、雑草、稲わら、廃木材)
7)ポリ乳酸レジンメーカー
①ニートレジン…ネイチャーワークス、トタル・コービオン、豊原集団他
②コンパウンドレジン(高性能・高機能化PLAレジン)…ユニチカ
3.ポリ乳酸の分解(開始・速度)の制御と製品寿命
1)生分解機構…非酵素分解型(2段階、2様式の特異的な分解機構)
①分解開始のトリガー…自動スイッチオン機構内蔵(Tg=58℃)
②分解速度の制御…残留ラクチド、カルボキシル末端基濃度など
2)各種使用環境下での奉仕期間(製品寿命)
①生体内分解吸収性医用材料…Sタイプ:数か月~半年
②自然環境(土、海水)下…Mタイプ:約3年(約5年で分解消滅)
③室温環境下…Mタイプ:3~5年からLタイプ:10年以上まで
④高温・高湿・アルカリ環境下(自動食器洗い機)…Lタイプ:5年以上
3)製品使用後の再資源化(リサイクル)…真に持続可能な資源循環型社会へ
①マテリアルリサイクル…5回程度の再溶融・成形可能(Lタイプ)
②ケミカルリサイクル…熱分解による原料ラクチドへの効率的還元
③バイオリサイクル…堆肥化(好気性下)又はバイオガス化(嫌気性下)
4.ポリ乳酸の高性能化材料設計・・・既存石油系汎用プラと同等以上
1)耐熱性
①結晶性高分子の耐熱性支配因子…成形加工工程での結晶化速度
②耐熱性、透明耐熱性の現状到達レベル
2)耐衝撃性
①耐衝撃性改良添加剤(AタイプとBタイプ)の選択・配合設計と作用機序
②耐衝撃性の現状到達レベル
③耐熱性と耐衝撃性の同時付与
3)寸法安定性
①フィルムや繊維・不織布の後加工段階での熱収縮率低減
②射出成形品などの室温放置下、二次結晶化による経時変化(収縮、そり)防止
5.ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発動向
1)成形加工分野…繊維・不織布・モノフィラメント、フィルム・シート、真空成形、射出成形、発泡成形(押出発泡、ビーズ発泡)、ブロー成形
2)用途・製品・市場開発動向 <多数の製品写真で説明>
①タイプS…生体内分解吸収性医用材料(~半年)
②タイプM
③タイプL…長期間(5~10年以上)使用の電気・電子機器筐体・部品、リターナブル食器、自動車内装部品、産業資材、3Dプリンター用モノフィラメント
6.質疑応答
2023/1/17(火)10:00~17:00
Zoomによるオンライン受講
1名につき55,000円(消費税込・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき49,500円(税込)〕
資料は事前に紙で郵送いたします。
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