【技術系資格ナビ】QC検定 (品質管理検定) [難易度/合格率/勉強方法/メリット]

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QC検定

品質管理の重要性が声高に叫ばれる昨今、上司や品質保証部から「QC検定」(品質管理検定)の受験を勧められたことはありませんか?
QC検定は毎年の受験者数が10万人を超え、大手企業でも奨励される注目の資格です。

この記事では、QC検定1〜4級の難易度や試験概要、受験のメリットについてまとめました。
ぜひ受験に挑戦してみてはいかがでしょうか。

QC検定とは?

民間資格

QC検定(品質管理検定、QCはQuality Controlの略)は、JSA日本規格協会グループが主催する品質管理に関する知識を評価する筆記試験です。
毎年3月と9月に全国約120か所で実施され、2022年には約12万人が受験しました。この受験者数は国内の資格試験では16番目の電気工事士試験に次いで17番目に多く、かなりメジャーな試験であることがうかがえます。
また級によって難易度が大きく変わるため、合格後はさらに上位の級を目指すことで品質管理の知識を深められます。

 

QC検定1~4級の受験対象、出題範囲、難易度

QC検定に受験資格はなく、誰でもどの級でも受験が可能です。
級によってJSAグループが想定する受験対象、出題範囲、合格率は大きく異なります。

想定受講対象/主な出題範囲/合格率[1級準1級-企業全体の品質管理を主導するリーダー向け、2級までの出題範囲+下記【手法分野】重回帰分析、多変量解析など【実践分野】新製品開発に関する品質保証、品質経営(工程管理、経営、標準化、監査)など][2級-品質管理に関わる部署の管理職、スタッフ向け 3級までの出題範囲+下記【手法分野】X − s管理図、検定と推定など【実践分野】QC サークル活動とその進め方、DR 、FMEA、FTAの違いなど][3級-全部門の社員、品質管理を学ぶ学生向け	4級までの出題範囲+下記【手法分野】QC7つ道具、工程能力指数の計算と評価方法など【実践分野】当たり前品質と魅力的品質、問題解決型 QC ストーリーなど][4級-初めて品質管理を学ぶ新入社員、学生向け【手法分野】PDCA,SDCA、検査とは(計測との違い) など【実践分野】5S、安全衛生、企業生活のマナーなど※出題範囲はJSAグループのHPで公開されている「品質管理検定(QC検定)4級の手引き」のみ]
 

1級・準1級:企業全体の品質管理を主導するリーダー向け

自部署にとどまらず、企業全体の品質問題解決をリードするスタッフ、品質問題解決の指導的立場にある技術者向けの試験です。
合格率は毎年1割以下で、2019年には2.58%でした。
出題範囲は2級の倍以上あり、まさに品質管理の最高峰と言われる試験です。
また、1級の試験には論述が加わり、論述のみ不合格だった場合には準1級となります。

 

2級:品質管理に関わる部署の管理職、スタッフ向け

自部門の品質問題解決をリードするスタッフや、品質にかかわる部署(品質管理、品質保証、開発、技術)の管理職やスタッフ向けの試験です。
合格率は20〜30%と低めですが、品質管理を主導する立場に必要な知識を身につけることができます。

 

3級:全部門の社員、品質管理を学ぶ学生向け

職場で問題解決を行う全社員(事務、営業、サービス、生産、技術を含むすべての方々)向けの試験です。
また、品質管理を学ぶ大学生・高専生・高校生からの受験も対象としています。
合格率は50〜60%と高く、企業で改善活動を行う立場であれば知っておきたい知識が網羅されています。

 

4級:初めて品質管理を学ぶ新入社員、学生向け

初めて品質管理を学ぶ人や新入社員、大学生、高専生、高校生向けの試験です。
合格率も約80〜90%と非常に高く、これから品質管理を学ぶ人への入門的位置づけです。

 

QC検定1~4級の出題形式と合格基準

次に各級の試験時間、問題数、合格基準について解説します。

試験時間/おおよその問題数/合格基準[1級-マークシート(90分)論述(30分)マークシート約100問(手法と実践で約50問ずつ)論述:5テーマから1テーマ選定、文字数制限はないがA4用紙に1枚程度、準1級の合格基準を満たす、論述の得点が概ね70%以上][準1級-マークシートの総合得点が概ね70%以上、手法分野と実践分野の得点がそれぞれ50%以上
][2級、3級-マークシート(90分)マークシート約100問(手法と実践で約50問ずつ)マークシートの総合得点が概ね70%以上、手法分野、実践分野の各分野の得点が概ね50%以上][4級-マークシート(90分)マークシート約100問、マークシートの総合得点が概ね70%]

どの級も試験時間90分に対し、マークシート100問を回答します。
3級以上は、マークシート100問のうち手法分野と実践分野に問題が別れていて、それぞれの得点が50%以上全体で70%以上が合格基準になります。
合格基準は70%以上ですので、全問正解する必要はありません。

 

QC検定 おすすめの勉強方法

(1)問題例で試験のレベルをチェック

QC検定を主催しているJSAグループのホームページで各級の問題例が公開されているので、勉強を始める前に内容をチェックしてみましょう。
回答は掲載されていませんが、かなり参考になるはずです。
普段の仕事の中で自分の品質管理レベルを客観的に把握するのは難しいので、まだ受験する級を迷っている人も、まずは過去問を見てみることをおすすめします。

 

(2)問題集、過去問集を購入して学習

2級と3級は出題範囲の解説書や問題集、過去問集が多数発行されています。
ぜひ自分にあう書籍を見つけて、学習を進めましょう。

1級は発行されている書籍が限られていますが、過去問を繰り返し解くことで合格は十分可能です。
独学での学習は継続が難しいですが、合格すれば自分の自信になります。
ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

また、2級以上は選択肢が10個近い問題も多く、問題文もかなり長くなってきます。
問題数に対し試験時間が短く感じる人も多いようなので、参考書だけではなく過去問を繰り返し解くことが重要です。

一方、4級の出題範囲はJSAグループのHPで公開されている「品質管理検定(QC検定)4級の手引き」(全48ページ)に限られています。4級合格にはこちらを熟読しましょう。

 

(3)セミナー受講

どうしても独学での学習が難しい場合は、セミナーの受講という方法もあります。
QC検定を主催しているJSAグループでは定期的にQC検定セミナーを開催していますし、JSAグループ以外にも民間のオンライン研修などもあります。

 

QC検定を受験するメリット

(1)品質管理を体系的に学べる

QC検定は級によって段階的に内容がレベルアップしますので、初心者から上級者まで自分のレベルにあった受験が可能です。
4級から上位の級へと継続的に勉強することで、品質管理のスキルが着実に身につくでしょう。

また、2級以上では統計の理解も必要になってきます。品質管理と統計は切っても切れません。
この機会にじっくり学習してみてはいかがでしょうか。

 

(2)社内評価や転職で有利になる

QC検定は1,000を超える企業、100を超える学校から団体申し込みがある有名な試験です。
多くの企業で受験を奨励していて、中には合格者には報奨金が支払われる企業もあります。
ぜひ一度お勤めの会社の報奨金制度を確認してみましょう。

また品質管理は製造業以外でも企業にとって欠かせない活動です。就職や転職といった場面でも、アピールに繋がりますよ。特に、QC検定1級、2級保持者は品質管理について確かな知識を有している証明になり得ますので、転職や待遇面で有利に働く可能性もあります。

 

今後もQC検定のニーズは高そう

近年日本を支えてきた大企業の品質不正がニュースで大きく取り上げられ、品質管理はますます重要になっています。
それに伴い品質管理に詳しい人材のニーズも高まりを見せています。
ぜひ自分の品質管理レベルの把握や向上のために受験してみてはいかがでしょうか。

申し込み方法は、QC検定を主催しているJSAグループのサイトを参照ください。

 
(アイアール技術者教育研究所 A・K)

 


《関連リンク》

 

【法人向け研修サービス】QC検定3級取得をプロ講師がサポート!
 


 

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