TPS、xPS、そしてインダストリー4.0
世の中に”TPS”と略するものは多いですが(例えば”The Planetary Society”[惑星協会]、”Transaction Per Second”, ”Tweets Per Second”,・・・)、製造関係でTPSは、Toyota Production System (トヨタ生産方式、トヨタ生産システム)です。このTPSの考え方をベースにして、または各社オリジナルで構築した生産システムが、xPS (xには社名の頭文字などが入ります)です。
システムは製造工場内だけでなく、製造に関わる物流全体をコントロールするシステムへと拡張しています。この全体システムに対して、IoT(Internet of Things, モノのインターネット)技術が導入され、デジタル化、コンピュータ制御化が進められています。
インダストリー4.0(独語Industorie4.0, 英語Industry4.0)は、このような動きをドイツにおいて国家戦略プロジェクトとして推し進めているものです。
製造関係で「TPS」といえば
トヨタの生産システムは、世界の製造メーカーが参考にするところとなり、カンバン方式を表す‘KANBAN’は有名です。
‘カンバン’は、部品箱につけられる、作業指示書を意味し、納入数量、納入タイミングなどが書かれています。
この作業指示書(カンバン)を用いて、ジャストインタイム(just in time)納入と呼ばれる、‘必要なものを、必要な時に、必要な量、供給する’という考え方を実現しています。
これは、最終的な納入のみならず、中間工程における前工程と次工程間の物流も含まれます。
すなわち、各工程間でも不要な部品中間品在庫を持たないことを目指します。
IoTの活用で、インダストリー4.0へ
工場では、FA(ファクトリーオートメーション)と呼ばれる自動化が進められてきましたが、IoT技術を活用してさらに発展させようとしています。
IoTの基本的な適用方法としては、情報の収集、解析そして活用が考えられますが、製造においては、下流工程の、更には出荷後の情報を収集・解析し、製造の上流工程、更には製品のエレメントまたは素材の調達管理へ反映・活用するという適用ができます。
インダストリー4.0の’4’は、第4次産業革命を表します。製造のみだけではなく、物流、エネルギー、働き方も含め社会全体で、生産の最適化を図ろうと活動が行われていますが、ドイツ以外でも同様な活動が行われています。
米国では‘インダストリアル・ネットワーク’、日本では‘コネクティッド・インダストリー’と呼ばれています。
(アイアール技術者教育研究所 H・N)