高分子の結晶化ダイナミクス入門講座《ポリ乳酸の結晶化速度解析・向上技術による高性能化》【提携セミナー】

高分子の結晶化

高分子の結晶化ダイナミクス入門講座《ポリ乳酸の結晶化速度解析・向上技術による高性能化》【提携セミナー】

開催日時 未定
担当講師

望月 政嗣 氏

開催場所

Live配信セミナー(リアルタイム配信)

定員 -
受講費 未定

高分子の結晶化ダイナミクス入門講座

《ポリ乳酸の結晶化速度解析・向上技術による高性能化》

 

結晶化促進剤の選択指針、配合設計、耐熱性と耐衝撃性との両立…etc.

 

 

 

【提携セミナー】

主催:サイエンス&テクノロジー株式会社

 


 

結晶化促進剤の選択指針や配合設計、耐熱性と耐衝撃性との両立事例などなど、抽象的・概念的解説に留まらないよう、具体的な一つの素材を例に解説します。
具体例となる素材は、講師が実際に基礎・応用研究から技術・事業開発までの一連を成し遂げたポリ乳酸。
そのため講師の実際の技術研究のノウハウが詰まった具体的かつ実践的内容となっております。

ポリ乳酸以外の結晶性高分子の技術・研究開発において同じような課題に直面されている方にも是非お役立ていただきたく、ポリ乳酸の基本特性から解説します。

 

セミナー趣旨

結晶性高分子は成形加工工程で結晶化することにより、その素材固有の潜在的性能としての熱的・力学的特性を発現することができる。しかるに、ポリ乳酸(PLA)に代表される結晶化速度の遅い結晶性高分子は成形加工工程で結晶化が十分に進まないために、成形加工性や得られる成形品の耐熱性や寸法安定性などは劣悪なレベルに留まらざるを得ない。
本セミナーでは結晶性高分子の結晶化速度論を抽象的な観念論ではなく、実際にPLAの結晶化速度を飛躍的に向上させるための具体的な材料設計(分子設計/配合設計)技術を成形加工分野毎に分かり易く解説する中で、理論と実際の両面から詳述する。また、得られる成形品の耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性、成形加工性や製品開発動向について論及する。

 

担当講師

望月 政嗣 氏(元京都工芸繊維大学 特任教授)、工学博士(京都大学)、高分子学会フェロー

【専門】高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性

[紹介]
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ㈱入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
2007年 ユニチカ㈱定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。繊維学会功績賞、日経BP技術賞、その他を受賞。

[著書]
「生分解性プラスチック入門―生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで―」(CMCリサーチ)「生分解性プラスチックの素材・技術開発―海洋プラスチック汚染問題を見据えて―」(NTS)、「バイオプラスチックの素材・技術最前線」(シーエムシー出版)、「生分解性ポリマーのはなし」(日刊工業新聞社)、その他多数

 

セミナープログラム(予定)

1.持続可能な開発目標(SDGs)としてのポリ乳酸
1.1 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
1)20世紀の石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
2) 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と解決策
3) 自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環(炭素循環)へのリンク
4) 植物由来生分解性プラスチックへのパラダイムシフト
1.2 ポリ乳酸の基本特性
1) 脂肪族ポリエステル樹脂…融点:130~190℃、ガラス転移温度:58℃
2) 植物由来生分解性プラスチック
① バイオマス由来で地球温暖化に関与しない(carbon-neutral)
② 自然環境(土壌、海水・淡水)下での完全生分解性(biodegradable)
③ 使用後の再資源化(バイオリサイクル)過程
・好気性発酵による堆肥化可能(compostable)
・嫌気性メタン発酵による生ごみ発電(garbage power generation)可能
④ 分解制御機構内包…短期使用から長期耐久性構造材料まで
3) 安全衛生性と抗菌・防カビ性
4) ポリ乳酸メーカー…NatureWorks, Total-Corbion PLA, 豊原集団、その他

 

2.ポリ乳酸の結晶化挙動の解析
2.1 結晶化速度理論
1) 球晶成長速度G=G0exp(-ED/RT-KTm/RT(Tm-T) の物理的意味
① 第一項:セグメントの拡散過程…温度と正の相関
② 第二項:核形成過程…温度と負の相関
2) 非晶分率θ=1-X/X∞=1-x=exp(-kt n)(Avrami式)における結晶化速度定数k
2.2 成形加工工程における結晶化の分類
1) Melt Crystallization(メルトから室温下への降温冷却過程における結晶化)
…押出成形、射出成形、ダイレクト・ブロー成形
2) Cold Crystallization(室温からの加熱昇温過程における結晶化)
…真空・圧空成形、発泡成形、インジェクション・ブロー成形
2.3 DSC測定による結晶化挙動の解析…等温結晶化温度曲線
1) 結晶化速度パラメータ: 結晶化開始(誘導)時間ts,、半結晶化時間t1/2,、結晶化速度定数kの算出
2) 結晶化度Wcの算出
3) 最も結晶化速度の速い結晶化温度Tcの同定
2.4 偏光顕微鏡による球晶成長速度の観察
2.5 等温結晶化と非等温結晶化…冷却速度が結晶化温度や結晶化度に及ぼす影響

 

3.ポリ乳酸の一次構造と最適分子設計
3.1 ポリ乳酸の結晶化速度に影響を及ぼす因子
1) 一次構造…PLAのD体共重合比XD(%D)
2) 分子量
3) 造核剤や結晶化促進剤(架橋剤、可塑剤、マルチ機能改質剤)
3.2 ポリ乳酸の等温結晶化挙動
1) D体共重合比率XD(%D)が結晶化挙動に及ぼす影響
2) 分子量が結晶化挙動に及ぼす影響
3) 結晶化速度が最も速い結晶化温度
3.3 結晶化速度が遅い場合に顕在化する問題点
1) 成形加工性不良…①Tg<室温の場合に成形完了せずにゴム状態のまま
②成形サイクル時間の遅延
2) 低い耐熱性(熱変形温度)
3) 低強度・弾性率
4) 寸法安定性不良(高い熱収縮率)
5) 経時変化(形状、物性)…室温放置下での二次結晶化
3.4 第二世代ポリ乳酸としての高L組成ポリ乳酸(High %L PLA, %D<0.5)の改良効果
1) 成形加工性…結晶化速度
2) 耐熱性…融点、熱変形温度
3) 寸法安定性…低熱収縮率

 

4.ポリ乳酸用結晶化促進剤の選択と配合設計
4.1 結晶化促進剤の分類
1) 造核剤…結晶核形成促進作用
① 固体分散型 ② 溶解型…透明耐熱化 ③ 架橋剤
2) 結晶成長促進剤…結晶成長速度促進作用
3) マルチ機能改質剤…結晶核形成と成長の双方を促進、耐熱性と耐衝撃性両立
4.2 成形加工分野別結晶化促進剤の選択指針…溶融張力の発現・必要性の有無
4.3 耐熱性と耐衝撃性との両立
4.4 ポリ乳酸成形品の耐熱性到達レベル
1) 電気・電子機器筐体、部品…低荷重下(0.45MPa)150 ℃
2) 電子レンジ加熱可能…120~130℃ x 5分
3) 熱湯注入可能…95~100℃
4.5 ポリ乳酸に残された耐熱性の挑戦課題…透明耐熱性(ヘイズ<5%、130℃<)

 

5.ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発動向
5.1 成形加工性の物理的意味
5.2 成形加工性支配因子
1) 溶融押出過程…溶融粘度、溶融張力の分子量依存性
2) 冷却固化過程…Tg又は結晶化速度(冷却速度、変形速度依存性)
① 室温<Tgの場合 ⇒ Tg…室温下への冷却だけでガラス化
② Tg<室温の場合 ⇒ 結晶化速度…室温下への冷却過程で結晶化が必須
5.3 成形加工性改良剤
1) 溶融粘度、溶融張力調整剤
2) 結晶化促進剤…造核剤、可塑剤、高分子界面活性剤
5.4 成形加工法…押出成形、射出成形、真空・圧空成形、発泡成形、ブロー成形
5.5 ポリ乳酸系製品・市場開発動向…豊富な製品写真で紹介
1) 農林・園芸・土木・水産資材
2) 食品容器・包装材
3) 生活雑貨
4) 長期耐久性構造材料

 

□質疑応答□

 

公開セミナーの次回開催予定

開催日

未定

 

 

開催場所

未定

 

受講料

未定

 

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備考

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