QCD、QAマトリックス、そしてQFD
「QCD」は”Quality /Cost/ Delivery”を、「QAマトリックス」は”品質保証マトリックス”を、そして「QFD」は”Quality Function Deployment,品質機能展開”を表しますが、今回はこれらの関係についてご説明します。
QCDとは?
QCDは、製品にとっての三大重要要素である、品質、コスト及び納期を表しますが、品質には「製造品質」だけでなく「設計品質」も含まれます。
良い設計とは、機能・信頼性とコストに優れた構造となっているだけでなく、製造し易い、品質管理がしやすい製品となっている設計です。
工程内不良が多い原因として、設計的な要因の影響が大きい場合もあります。
その場合には、製品量産化前に充分に評価を行い、必要な設計的措置を取っておくことが必要です。
QAマトリックスとは?
QAすなわち品質保証の観点では、製造品質の管理も含め、全体のシステムとして品質が達成・保持できるようになっているかがポイントとなります。
QAマトリックスでは、各工程ごとに、設計要求事項(寸法公差、特性など)の達成において、どのような品質上のリスクがあるかを分析して、対策を立てていきます。
通常、製品の量産化前に作成され、計画されている検査設備・装置の能力・精度は充分か、検査技能は充分か、品質リスクが検出された場合の開発(調査・分析)を含めた協力ネットワークは充分かなど、組織や仕組みも含めて検討・対策を行うために用います。
QFDとは?
製品のQCDの目的とするところは、顧客満足の充足です。
品質の保証体制まで含めて、そのような内容となっているか、マトリックス図を用いて系統的に分析し改善対応をおこなうための手法がQFDです。
分析(マトリックス化)の手順は、顧客要求品質特性→達成のための製品品質特性、製品特性→設計品質特性(設計要素)→製品構成部品品質特性、詳細品質特性→品質達成のための工程特性、となります。
分析にコスト情報を加えると、どの品質特性の達成に多くのコストを要しているかという分析も可能です。
また、どこにネック技術(獲得必要技術)があるのかや、各品質特性に対する顧客要求達成度を競合他社と比較することにより、アピールできる部分と改良が必要な部分の明確化もできます。
※当サイトから無料ダウンロードできるQFDツールのフォーマット(EXCEL形式)の解説はこちらのページをご参照ください。
(アイアール技術者教育研究所 H・N)