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散剤は、欧米ではあまり見られない日本独特の剤形とされています。
服用性や、取り扱いにくさから製剤全体からの割合は少ないものとなっていますが、造粒したりすることにより服用性が改善された細粒状製剤などが多くなっているようです。
今回は、散剤についてまとめてみました。
目次
日本薬局方では、
「(1) 散剤は,経口投与する粉末状の製剤である.」
としています。
散剤は、粉状または粉末状にしたもので、顆粒剤とは粒度の違いで区別されています。
散剤は顆粒剤に比べて粒度が小さく、日本薬局方では「18号(850 μm)ふるいを全量通過し,30号(500 μm)ふるいに残留するものは全量の5%以下のもの)を散剤と称することができる.」とされており、さらに「18号(850 μm)ふるいを全量通過し,30号(500 μm)ふるいに残留するものは全量の10%以下のものを細粒剤と称することができる.」とされています。
粒子の大きさからは、[顆粒剤 > 細粒剤 > 散剤]の順になります。
散剤には、下記のようなメリットがある製剤です。
一方、デメリットとしては、下記の点が挙げられます。
散剤の製法としては、日本薬局方に下記の記載があります。
「(2) 本剤を製するには,通例,有効成分に賦形剤又はそのほかの添加剤を加えて混和して均質とする.」
散剤の製法は、顆粒剤や錠剤等の中間である顆粒の調製方法と同じで、湿式造粒や乾式造粒法によって製造されますが、薬剤と添加剤を粉砕・篩過・分級・混合して散剤を得る、造粒を伴わない方法もあります。
散剤に用いられる添加物は、基本的には錠剤や顆粒剤に用いられている添加剤と同じになりますが、主に、賦形剤、結合剤、滑沢剤、場合によって崩壊剤が用いられます。
また、散剤に求められる製剤特性も、顆粒剤に必要とされる特性が求められます。
[※顆粒剤の製剤特性等は「顆粒剤とは?特徴・製造方法・試験方法などの要点解説」をご参照ください。]
日本薬局方では、医薬品として製造された散剤が下記試験法に適合することが定められています。
個々の製剤間での有効成分量の均一性の程度を示すための試験法です。
有効成分の含量が、表示量の一定範囲内にあることを確認し、均一性を保証します。
製剤含量の均一性は、含量均一性試験又は質量偏差試験のいずれかの方法で試験されることになっています。
第17改正日本薬局方6.02に詳細な試験法が記載されています。
経口製剤について溶出試験規格に適合しているかどうかを判定するために、また、著しい生物学的非同等を防ぐことを目的としている試験です。第17改正日本薬局方6.10に詳細な試験法が記載されています。
なお、製剤総則中の製剤の粒度の規定を試験する方法として、日本薬局方に6.03 製剤の粒度の試験法が記載されています。
試験の操作法としては、「18号(850 μm)及び30号(500 μm)のふるいを用いて試験を行う.ただし,この試験に用いるふるいの枠の内径は75 mmとする.(以下略)」となっています。
添付文書情報で、散剤を調べてみました。
分類 | 医薬品数 (*1) | 主な医薬品 |
散剤 | 220以上 (*2) | 「dl-メチルエフェドリン塩酸塩散10%」「アリピプラゾール散1%」「コデインリン酸塩散10%」「ジヒドロコデインリン酸塩散1%」「バンコマイシン塩酸塩散0.5g」「ファモチジン散10%」「ブロナンセリン散2%」等々 |
(*1) 医薬品数はジェネリック医薬品なども含みます。
(*2) 一般名・販売名から検索(漢方薬等のノイズあり)
J-Platpatを用いて散剤の特許を調査してみました。(調査日:2021.3.24)
日本特許庁の「J-Platpat」を用いての特許を調査してみました。
(※医薬品に関するメインの分類(FI)の「A61K」に限定しています。)
散剤に対応する国際特許分類としては、「A61K9/14」(※特別な物理的形態によって特徴づけられた医薬品の製剤 ・粒状剤,例.散剤)がありますので、これを用いて検索してみます。
散剤に対応するFタームとしては、「4C076AA30」(※4C076 医薬品製剤:形態 ・粉末剤 ・・散剤)がありますので、これを用いて検索してみます。
これらの中には、「安定性が改善された、アリピプラゾールを含有する散剤」「ラパマイシン誘導体を含有する固体分散体の製造方法」等々の特許が見受けられました。
なお、上位概念として「4C076AA29」(・粉末剤)もありますので、調査によっては考慮しましょう。
J-STAGEを用いて文献調査を行ってみました。(調査日:2021.3.24)
タイトルとして、「散剤中ヒドロコルチゾンの簡易試験」「フェニトイン散剤のbioavailability」「水分制限下における散剤服用方法」「散剤に適した服用動作を誘導する分包袋の提案」などの文献が見られました。
実際に特許公報や文献の内容を見てみたい方は、各データベースから検索して確認してみてください。
(日本アイアール株式会社 特許調査部 S・T)