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LTspiceで学ぶシグナル・パワーインテグリティ設計・解析の基礎(セミナー)
2024/12/12(木)10:00~17:00
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今回のコラムでは、電子回路部品のうち「ネオンランプ」について説明します。
目次
ネオンランプとは、ガラス管内に1対の金属電極を設け、ネオンガス(0.001-0.01気圧)を封入した電球で、街中のネオンサインと同じ原理で発光するランプです。
装置の中では、電源を入れたときに光るパイロットランプ(表示灯)などに使われてきました。
他には、例えばカメラ用ストロボフラッシュの充電電圧表示、家の壁にある照明のスイッチ、電子機器のサージアブソーバーなどに使われていたり、検電ドライバー(電気工事などで使われる電気が通っているか確認できるドライバー)のランプにも使用されています。
ここでは、装置の中によく使われるパイロットランプとしてのネオンランプについて説明します。
ネオンランプは、電極に電圧を掛けることによって、グロー放電して発光します。
「グロー放電」とは、低圧の気体を封入したガラス管内における発光を伴う放電のことを言います。
色は、黄赤色に発光します。
また、ランプの管面内に蛍光体を塗布して、様々な色に発光させるものもあります。
街のネオンサインは、いろいろな気体(ネオンやアルゴン等)を混ぜていろいろな色を発光させています。
【図1 ネオンランプの形状と回路記号】
図1は、装置に使われるネオンランプの形状と回路記号を記したものです。
ランプ部の大きさは直径4~6mm、長さ10mm~20mmぐらいのものが多いです。
ネオンランプの特徴をあげてみると、(現在量産されているもの)
などが挙げられます。
図2は、基本的なネオンランプの点灯回路です。
【図2 基本的なの点灯回路】
図2では、交流電源に抵抗とネオンランプを直列に入れています。
抵抗値は、ネオンランプの仕様書などで確認する必要はありますが、数10kΩ~100kΩが多いようです。
電流値に応じてネオンランプの明るさは変わるので、使用場面に応じて選ぶことが必要です。
図3に、応用例として、ネオンランプを使用した位置表示灯の回路例を示します。
【図3 位置表示灯の回路構成例】
部屋の壁に、夜などの暗い状態でも照明装置のスイッチの位置が分かるように小さなランプが付いているものがあります。これが「位置表示灯」です。
「位置表示灯」は、照明装置が消灯しているときにスイッチの位置を示すために点灯し、照明装置が点灯しているときには消灯することになります。
まず(a)では、照明装置と位置表示灯であるネオンランプが直列に接続され、AC100Vに接続しています。
ここでは、ネオンランプの抵抗が極めて大きいので回路に流れる電流は少なく、照明装置は消灯します。少ない電流でも点灯する位置表示灯だけが点灯します。
(b)では、スイッチがONすることにより、回路に流れる電流はスイッチから照明装置の方に流れ、照明装置が点灯します。一方、電流は抵抗の大きい位置表示灯のほうには流れないので、位置表示灯は消灯します。
位置表示灯の回路は、概ねこのような構成になっていますが、逆に照明装置が点灯しているときにネオンランプが点灯する確認表示灯というものもあります。
このように、ネオンランプは、直接、交流回路に接続できるので、位置表示灯などの電設部品の一部としてよく使用されてきました。
最近ではLEDに置き換わる場合も多くなっていますが、交流電源に簡単に接続できるという特徴があるので、まだまだ利用価値はあると思われます。
(日本アイアール株式会社 特許調査部 E・N)